無水エタノールを入手したので殺菌力を最強にチューニングしてみた

とりあえずログってみた

最近は消毒用アルコールの入手が難しいようですね。

消毒用アルコール=消毒用エタノール

な訳ですが、純粋なエタノールは、無水エタノールとして販売されています。
無水エタノールはお酒のアルコールと同じ成分なので飲んでも酔っぱらうだけですが、
消毒用エタノールは消毒に最適な濃度に希釈してあります。
あと若干毒性があるイソプロパノールを微量混ぜて飲めなくしてあります。
(酒税が掛からないように飲めなくしてある)
ちなみに毒性といっても飲んではいけないという程度のもので危険は無いです。
そもそもイソプロパノールも消毒用アルコールとして販売されていますからね。
イソプロパノール消毒液は安価ですが、エタノールよりも殺菌力で劣る面があるようです。

まるむしは、消毒用エタノール、無水エタノールを常備して使い分けていますが、イソプロパノールは匂いが嫌いなのであまり使いません。^^;

ちなみに燃料用アルコールは、完全に毒です。^^;

火を付ければどちらも燃えるアルコールですが全く用途の異なるものです。
成分を見てみましょう。

確かにエタノール、イソプロパノールも入っていますが、
主成分はメタノールとなっており人体に有害です。

でここからが本題です。
消毒用アルコールや消毒用イソプロパノールを入手したらそのまま使っちゃえばいいのですが、最も高価な無水エタノールを手に入れた場合は、原液のまま使ってはいけません。高価なのに効果が半減してもったいないです。

結論から言うと、消毒用エタノールと同じ濃度に希釈すれば良いのです。

76.9~81.4%と書いてありますね。
一応成分も見てみましょう。

確かに本来は必要のないイソプロパノールが添加物として含まれてますね。
効能のためではなく酒税を逃れるためと聞いています。

さて殺菌力の強いエタノールなのになぜ原液のままがダメなのかというと、
揮発性が高いため殺菌効果を発揮する前に揮発してしまうのです。
もう一つはエタノールが菌の細胞壁を破壊する訳ですが、エタノール分子と水分子を結合させると破壊に最適な配置になるらしいです。
この辺は、まるむしは化学に精通していないので受け売りです。

とまぁこれで、消毒用アルコールがなぜ70%~80%の濃度で売っているのか合点がいきましたね。
揮発を遅らせて、かつ殺菌に最適な分子配列にしているという訳です。

ってことで
エタノール分子と水分子を同じ数だけボトルに入れてシャカシャカ振れば殺菌力が最強になると言う訳です。

分子の数を目で数えるわけにいかないのでここは計算で出してみましょう。
既に76.9~81.4%濃度と答えは出ていますが、なぜこの濃度なのか念のため自分で計算してみます。

wikipediaで調べると、

<水>
モル質量:18.01528g/mol
密度  :997kg/m3

<エタノール>
モル質量:46.077g/mol
密度  :789kg/m3

となっていますから、

水     55.34191 mol/m3
エタノール 17.12351 mol/m3

とまぁ同じ体積だとこれだけの分子の違いがあります。
これをなるべく、1:1になるようにブレンドする訳ですね。
計算すると….

水 23% : エタノール 77%

ぐらいかな。分子数でいうと

水  12.72864 mol
エタ 13.18510 mol

とほぼ分子数が同数になりました。

ってことで
水 23% : エタノール 77% が最強!

これで裏付けは取れたわけですが実際どれだけ水を入れればいいの?
面倒くさくて計算できねぇよ!
という方のために計算しておきますね。^^

500mlの消毒用アルコールを作るなら、
エタノール:385ml
水    :115ml
——————–
計    :500ml


新品エタノール(500ml)に水を加えるなら、

エタノール:500ml
水    :150ml
——————–
計    :650ml

こんな感じで混ぜてください。まぁ実際は適当でいいんだけどね^^;

水は水道水でも構いませんが、
完璧を目指すなら不純物の入っていない精製水を使いましょうか


1本100円ぐらいです。
これはコンタクト用のものでさすがに売り切れはないでしょう。

ちょっと計算に飽きてきたのでここまでにしますが、
入手したものがもしイソプロパノールだった場合は下の数字を基に自分で計算してみてください。^^;
(イソプロパノールの場合も、分子数が1:1がベストなのかは知りませんけど)

<2-プロパノール>(別名:イソプロパノール、イソプロピルアルコール、IPA)
モル質量:46.077g/mol
密度  :789kg/m3

 


機械洗浄や塗装系で使用されているものですが、純度99.5%のものなので除菌目的で使う分には心配ないでしょう。
医療用の無水アルコールの適正価格が1600円/500mlぐらいなので、狂ったように値段が高騰している消毒用アルコールのを買いたくないならこちらがおススメです。
まるむしも頼まれて1本注文しました。


こちらは、塗装やガソリンタンクの水抜きなどにしようするイソプロパノールですが、
純度99.9%なので、やはり除菌目的で使用する分には問題ないと思います。
しかしIPAは有効範囲が狭い(殺菌効果のある菌・ウィルスの種類が限られている)ので、何目的で使用するかは問題になります。
例えばカビには同等の効果があるが、新型コロナやノロウィルスなどにはあまり有効ではなかったと思います。
どうやら親水性か否かが分かれ目っぽいですね。

コメント

  1. まるむし より:

    なんか最近この記事に類する情報がどこかのメディアで流れたらしく、精製水が不足気味らしいですね。
    そのメディアでは精製水を使用しないといけない様な事を言っていたらしいのですが、
    メディアというのは案外情報を精査せず適当に情報を垂れ流す傾向があるので鵜呑みにせず自分の頭で検証する必要があります。

    完璧を目指すなら精製水とまるむしも書いているのですが、ここで言う完ぺきとは市販の消毒用エタノールとイコールという意味であって、
    殺菌効果という点では、水であればなんでも同じです。
    水道水やミネラルウォーターなど飲めるレベルの水であれば何ら違いはありません。

    手術などで傷口の消毒に使用するなら不純物も気になるでしょうから、なるべくH2O以外の不純物は取り除くべきでしょうが、
    手やドアノブの消毒に使用するレベルであれば無意味な心配ですので、気にせず水道水を使用しましょうね。

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