皆様聞いてください、

我が家の盲導犬候補生

アーシー(仮名)が

本日の歩行訓練でとうとう

『リードを引っ張らずに

歩く』を会得しました・・・!

 

 

車を停めた駐車場から

街の中央までの片道約15分、

私の左手に握られたリードには

適切な張りが常に保たれ、

アーシーは先を急ぎすぎることもなく

後に遅れ過ぎることもなく

『私の左足の横、

気持ちちょっと前』の位置を維持。

 

な、なんというお利口な・・・!

 

傍から見たらこの子はもう間違いなく

『躾の行き届いたいい犬』・・・!

 

わが左肘は教本通り

まっすぐ下におろされたままで、

ああ、いいなあ、この感触!

 

私が犬を無理やり

押さえつけるのではなく、

犬が私を力づくで

引っ張りまわすのでもなく、

リードはあくまでもお互いの

信頼感を目に見える形で

表現したものなんです、みたいな!

 

長かった・・・!

 

ここまでの道のり、

本当に長かった・・・!

 

感動に思わず

涙ぐみそうになりながらも

そこで私は足を止め

「アーシー、よくできました。

今日の君は本当にいい子です。

さあ、ではここから

屋内商店街に入りますから

青ジャケット(『盲導犬候補生、

訓練中』と染め抜かれている

犬の制服みたいなもの)を着ようね」

 

そして近頃のアーシーは

青ジャケットを見ても

七転八倒したりはしない、

しないんですけど、この日も素直に

ジャケットを着てはくれたんですけど、

どうもアーシーはこの事態を

私の『裏切り』と受け取ったようで、

ほら、つまり、ここまで何の問題もなく

秀才犬として完璧な歩行を見せたのに

どうして青ジャケットなの?

私が青ジャケットを好きじゃないの

そっちは知っているでしょ?

本来ご褒美をくれるべきところ

何故青ジャケットなの?みたいな・・・

 

青ジャケットの

腰のバックルを締めた瞬間、

アーシーは全身を使って

『私は今、不満です』の感情を表現。

 

飛ぶわ跳ねるわ転がりまわるわで

そのぶんむくれぶりのひどさときたら

道行く人が見るに見かねて

「・・・あの、大丈夫ですか?

何かお手伝いできることはありますか?」

と私に声をかけてきてくれたほどで・・・

 

まあなんとか商店街の中を歩き

車に戻ったのですが

帰路のアーシーは完全に

「あーあー、もう台無し!

私はすごくよくやったのに

なんかもう台無し!」と不機嫌全開

・・・あそこで青ジャケットを

脱がすべきだったかなあ、いや、でも

『犬が嫌がったから』で予定を

変更するのはご法度なんだから

(犬が『嫌がればどうにかなる』と

考えるようになってしまうため)

・・・あそこで青ジャケットを

着せようとしなければよかったのか・・・

 

でもね、アーシーは

あの15分間、もうあれ以上ない程に

完璧だったんです!

 

あれは素晴らしい15分間だったんです!

 

明日もあの感覚が戻ってきますように・・・

 

あれが一過性の

奇跡ではありませんように・・・!

 

心から祈る私です。

 

 

ああ、でも本当にあそこで

青ジャケットを着せるんじゃなかった!

 

覆水盆に返らず・・・

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