先日(2月1日)、

日欧(EU)EPA(経済連携協定)

発効いたしましたが、これ、

たぶん日本ではそんなに大きく

ニュースとして

取り上げられていませんよね?

 

まあ経済ニュースというのは

そんなものかとは思うものの

現在英国ではこの協定が

違う角度から話題になっておりまして、

まあ基本は経済ニュースなので

『超大ネタ!』という

わけではないのですが、

つまりEPAが結ばれたことにより

日本とEUはそれぞれ

お互いの製品に対する関税を

大幅に撤廃し、EUとしてはこれで

日本への輸入が拡大出来るぜ!

雇用も確保できるし

景気も良くなるぜ!と楽しい皮算用中、

その一方で英国は3月29日に

EUから脱退の予定でございますから

「・・・え?うち、この協定で

もしかして美味しい目に

あんまりあえない・・・?」

みたいなことになっている、という。

 

もちろん当然のごとく日本と英国は

現在『野心的な日英貿易協定』を結ぶべく

交渉を重ねているのでございますが

ここにきて出てきた報道

「英国にとって新しい日英貿易協定は

日欧EPAほど

有利な内容ではない模様、

日本はさらなる譲歩を求めてきている」。

 

つまり英国のEU離脱を前に

「我々英国は日本に足元を

見られているのではないか」という・・・

 

ええっ!

 

明治維新以来いまひとつ

『外交下手』の印象を

拭いきれていない感じの我が国日本が

国際パワーゲームにおいては

近年負けなしの英国政府を相手に

まさかそんな冷徹な駆け引きをっ?

 

フィナンシャル・タイムズによれば

英国との貿易交渉で日本側が

保護の姿勢を見せている(つまり

関税を撤廃あるいは引き下げる

姿勢を見せていない)品目は

「チーズ、モルト(麦芽)、

大麦、そして一部水産食品」!

 

うわあ、なんてことだ、

ここに関税をかけられたままなら

数か月のうちに英国経済は大打撃を

・・・受けますかね?これ。

 

「私が不勉強なだけかもしれないが

これは全体からみると

かなり限定的な、むしろ『小さい』と

断言できる市場なのでは・・・」

 

フィナンシャル・タイムズを

読んだわが夫(英国人)は

「記者としては『英国は日本の

チーズ市場で苦闘を強いられる』と

言いたいんでしょうけど、でも僕

もう何年も何回も日本に

行っているので知っていますけど

そもそも日本人って

チーズを食べませんよね」

 

何を言っているんだ、食べるよ、と

反論しようとして気が付きました、

ええ、まあ一般的な英国人および

一部欧州人に比べると

我々日本人はあまりチーズを食べない、

最近は食べるようになった説もあるものの

結局は桁が違うというか。

 

ともあれ英国が日本に輸入している

主な品目って何なのかしら?と

ネットで調べたら、なんと皆様

1位は道路走行車両、2位が原動機

そして3位が医薬品なんですって。

 

「道路走行車両って

つまりは自動車か?1位が

自動車ってのは意外だな」

 

「確かにちょっとびっくりしますね。

英国がどんな車を日本に

輸出できるというのでしょう」

 

「でもさ、これを踏まえて考えるに

日本が本当に英国の足元を見たいなら

保護品目は『自動車、医薬品、

ウイスキー、紅茶』にすべきだよな」

 

「『紅茶』はそれこそ影響が

限定される気がしませんか。

工場や畑は英国外にあるでしょう」

 

「でも日本国内において

『英国製品は何もかも高くなる』って

イメージを構築するのには役立つぜ。

そんなわけで私の意見を

頭の悪い女子中学生風に述べれば

『アベちゃんてえ~なんかあ~

メイちゃんのこと好きなんじゃない~』、

これだな。何なんだ安倍総理の

揺るぎなきメイ首相擁護の姿勢は」

 

そんなわけでこの

日英貿易交渉のニュースの

面白い点は、これ、そもそも

交渉内容は『内緒』が前提で、

すなわちフィナンシャル・タイムスの記事は

『情報筋によれば』という話なんですよ。

 

・・・『情報筋』は何を狙って

この話を記者に漏らしたのか?

 

記事は「英国、日本にいてこまされる」な

雰囲気に話を持って行っていますけど

日本が本当に英国の弱みを突きたいなら

これは正しいヒットポイントではない。

 

むしろ「英国、こんなに大変」の例を

必死に探しても見つかったのが

この程度、みたいな話なのでは・・・

 

それでもこの記事を読んで

英国のEU離脱反対派は

「ほれ見たことか!我々はこうして

他国から軽い扱いを受け始めるんだ!」

と言うものの、同時に離脱賛成派も

「だから言ったろ!EUから離れても

我々は特に問題なく

経済活動を続けられるんだ!」

と言える、という。

 

というわけで日本と英国の

新しい貿易協定がどんな内容になるか

これは私は注目せざるを得ないのです。

 

オチとしては「英国にとって

日欧EPAよりお得な内容に」も

可能性ゼロではないところに

夢があるのでございますよ。

 

久々に時事ネタ、

それも経済ネタでございました。

 

 

日英貿易協定、実は私も

注目していたんですよ、というあなたも

すみません、英国のEU離脱がそもそも

よくわかっていません、なあなたも

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