この春、私は自分の中に

新しい趣味嗜好を発見しました。

 

それは小貝愛・・・!

 

先日スコットランドは

ギャロウェイ(Galloway)なる地域に

遊びに行った時、

盲導犬候補生アーシー(仮名)に

リードなしで運動をさせようと

モンリース(Monreith)だったか

ポートウィリアム

(Port William)だったか

とにかくそこらへんの海岸に

散歩に行ったのです。

 

 

ご存知のように私は

波打ち際を走る犬の姿を

眺めるのがとても好きで、

特にそれが砂浜であったりすると

喜びも倍加する傾向があって

(岩場を走るより犬がスピードを

楽しんでいる様子であるから)、

そんなわけでこの日も

岩場の間の砂地を求めて

海辺をふらふら歩いていたのですが、

ふと足元を見るとそこに小貝が。

 

それがなんというかこれまであまり

見たことのない形をした一枚貝で

つい興味を引かれて周りを見ると

割と色々な種類・色の貝殻が

波に洗われて砂の上に横たわっていて、

で、その中になんと

巻貝があるじゃありませんか。

 

・・・子供の頃、親に

海に連れて行ってもらって

砂浜で貝殻を探した時、

見つかるのはいつも

二枚貝の片割れで

こんな巻貝は滅多に手に

出来なかったような記憶がある・・・!

 

まあほら、でも巻貝というのは

砂に埋もれている時は

キレイに見えても

手に取ってみると反対側が

欠けていたりしてさ・・・

あら、嫌だ、欠けていない・・・

 

きれいに巻けている・・・

 

でもでも、ほら、やっぱり

こういうところで手に入る巻貝は

小さいよね?

 

巻貝というのはもっとこう

大きく耳につけて

『私の耳は貝の耳』ごっこが

できるくらいのものに真価があって、

はい先生、こっちに

大きい巻貝、見つけました!

 

「うわあ、なんだここ!

夫よ、ここ、貝殻だらけだぞ!」

 

「・・・それは海辺ですから・・・」

 

「うわ、こっちの貝も

いい色をしているなあ、可愛いなあ、

でもあれだよね、こういうのは

許可なく勝手に

採取したら怒られるんだよね?」

 

「・・・君はそれ、

冗談で言っているんですか?」

 

「え、いいの?貝って

勝手に採っていいの?」

 

「いいと思いますよ。だって別に

誰の持ち物というわけでもないでしょう?」

 

「え、そうなの?じゃあちょっと

貝殻を拾って回っていい?」

 

「もちろん構いませんけど、

拾ってその後どうするんです?

持って帰るための袋とかないでしょ?」

 

「大丈夫!犬のフン用のビニール袋を

余計にポケットに入れてあるから!」

 

この日は天気も悪く風も強く

故に水も冷たく、そんな中

手指を濡らして

貝殻を集める私を見て

夫は私に変なもの

憑りついたのではないかと

本気で不安になったそうでございます・・・

 

 

(普段の私は屋外でそんな

体温の下がる真似は絶対にしない)

 

約1時間後、そこには

何かで満杯の犬フン袋を片手に

ニヤニヤと笑う奇妙な東洋人の姿が!

 

しかも時々その犬フン袋の

中身を覗き込んでは

笑いを深めているという恐怖つき!

 

「妻ちゃん、君、楽しそうですね。

君が貝殻集めを

好むとは知りませんでした」

 

「私も知らなかった。むしろ

そんな少女趣味は私の興味の

対極にあるものとばかり」

 

「でも君、すごく楽しそうでしたよ」

 

「楽しかったよ!なんだろう、

最初のうちはどんな貝殻でも欲しくて、

で、次にだんだん『欠けのない』貝殻を

選ぶようになって、でもその段階を

過ぎると『欠けの入っている』貝殻も

それはそれで魅力があるような気が

してきて、で、また色や形で

対象を選ぶようになってきて、と、

これはもう楽しみとしてキリがないね!

指が冷えて動かなくなったから

今日のところは切り上げたけど!」

 

「日本では貝殻拾いを

する人は少ないんですか?」

 

「いや、する人はすると思うけど・・・

でも砂浜に貝がこんなに

埋もれているのを目にしたのは

私は初めてかもしれない。

日本の浜辺は貝殻よりも

ゴミなんかが漂着していたような・・・」

 

「君の今日のその貝への熱狂は

日本在住時に抑圧されていた何か

噴きだした、みたいな

ものだったのかもしれませんね」

 

「何だそれ」

 

「君って一時、焚火にも

熱狂していたでしょう?

あれも東京では

禁止されているんでしょ?

でもね、火を焚く、とか

貝を拾う、とかいうのは

人間の本能に基づいた喜びですよ。

だからそうした行為が

可能な環境に身を置くと

一気にハマってしまうのでは」

 

「・・・私が一時

焚火にハマったのは認めるがな、

貝拾いは今日に限った話、

一度で満足できた行為かもしれないぞ」

 

「明日は別の浜辺に行ってみます?

そこも砂浜だからきっと貝殻がありますよ」

 

「行く行く。貝殻持ち運び用の

パックか何かも持って行こう、

犬フン袋は破れちゃいそうで怖いや」

 

そんなわけで今回グレネルグでも

私は思う存分貝を拾ったのです・・・

 

 

と言いたいところ、

グレネルグの浜には貝はそんなになく。

 

 

いや、小さいのは

ポツポツあったのですが。

 

 

貝殻狙いならサンデイグ

入り江に行くべきですね!

 

良く育って大きくなった

貝殻がたくさんある

素敵なところでした。

 

いやしかし貝殻拾いは楽しいです。

 

これはギャロウェイから

持って帰ってきた貝殻

 

なぜ今までこの楽しさに

気付かなかったのか、

不思議なくらい本当に楽しいです。

 

私が海辺を目指す理由が

このたびこうして

ひとつ増えたのでございます。

 

 

なお何故ギャロウェイに

遊びに行ったのかと申しますと

それも理由の一つが

マクスウェルだったりしまして

 

マクスウェル生誕の地が

ギャロウェイなんです

 

・・・うちの夫、ちょっと

マニアック入っていますかね

 

貝殻集めがお好きなあなたも

その発想はなかったわ、なあなたも

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