皆さんこんにちは、

私は本日ちょっと

落ち込んでおります。

 

我が家の盲導犬

候補生アーシー(仮名)の態度が

近頃とみによろしくないことは

すでにお伝え済みかと思いますが

まあその原因の一つと考えられる

『想像妊娠』には現在

医療的対応がなされておりまして

もう一つの要因であるヘッドカラーは

・・・盲導犬協会が『使いましょう』と

言うのならば私は今後も

このカラーを使い続ける所存で、

しかしホルモン治療には時間がかかり

そしてヘッドカラーに犬が慣れるのも

一朝一夕の話ではなく、結果、

アーシー、荒ぶることこの上なし。

 

 

しかし1日45分間の歩行訓練は

パピーウォーカーの義務でして、

家に残してきた子犬

(注:想像上の存在)を心配し

鼻に巻きつくヘッドカラーに

これ以上ない嫌悪を示すアーシーさん、

歩かない、飛び跳ねる、

飛び出す、引っ張るの波状攻撃。

 

 

 

 

そんな犬と必死に

格闘しておりましたら

通りすがりの女性が

「そんな引っ張り癖のある犬、

連れて歩いちゃ

危ないんじゃありません」

 

「ええ、今、

そこらへんの問題を

矯正中なんです」

 

「ヘッドカラーじゃなく、

もっと違うタイプの

訓練具を使えばいいのに」

 

「この子が私の犬だったら

そういうことも出来るんですが、

私は一介のパピーウォーカーで、

つまりこの子は私の子ではなく

盲導犬協会の子でして、

訓練方法は協会が決めるんです」

 

「でもアナタ、協会の言う通りに

躾なんて絶対してらっしゃらないでしょ」

 

・・・えっ。

 

相手の奥様の顔を見ると

彼女は目に軽蔑の念を

いっぱいに湛えていて、

ああ、なるほど、我が家の

アーシーはすくすく育って

現在体重29キロの見事な大犬、

そりゃ普通に躾をしていたら

『引っ張り癖』の問題なんて

もう数か月前に

解消しているべきお年頃。

 

そうかあ、傍から見ると私は

大事な預かり物の盲導犬候補生を

正しく育成せず駄目にした

劣等パピーウォーカーに見えるのかあ!

 

いやでも奥さん、うちのアーシーは

想像妊娠が始まる前、そして

ヘッドカラーを着けだす前の時点では

それなりにちゃんと歩けていてですね!

 

ただそこからより高みを

目指そうとして現在ドツボに

ハマっちゃっているっていうか!

 

・・・それにしても私、ここまで

直接的に誰かから

悪意っていうか敵意・軽蔑を

ぶつけられたの、久しぶり・・・!

 

なお私が言い訳を口に出す前に

こちらの奥様は肩で風を切って

「正しいことを言ってやったわ!」的

満足感に満ちてその場を立ち去られ、

まああちら様がそれで幸せなら

それはそれでいいことなのかも

しれないんですけど、ああ、でもなあ!

 

以上、私の凹み理由でございました。

 

この話を聞いたわが夫(英国人)は

「でもその人は、君と盲導犬協会が

どれだけ本気でアーシーの育成に

取り組んでいるか

知らないわけですから」

 

「まあそれはそうなんだが、

こういうのは結果がすべてな

ところもあるだろ?」

 

何が辛いって、私、あの奥様が

そういう考えに至った理由が

わからないでもないんですよね。

 

駄目な態度の犬を見かけたら

それは飼い主が悪いって

周囲は思って当然というか。

 

その悪い態度が健康上の理由や

訓練課程における一時的な後退である、

みたいなことには第三者は

なかなか思い至れないというか。

 

かくいう私も月に一度の合同訓練で

時々見かける態度のよろしくない

盲導犬候補生のことを

「ああ、あれはパピーウォーカーが

甘やかし過ぎちゃった結果だな」

とか普通に心の中で思っていましたもの。

 

でも今思えばああいう犬たちは

ちょうど今のアーシーと同じくらいの年頃、

いわゆる『犬の思春期』つまり『反抗期』に

直面していたであろう時期であった!

 

つまり本日の経験から私が学ぶべきは

人のふり見てわがふり直せの精神!

 

でもこういうのって対象が犬だけではなく

子供とか他の事でも起こり得る事態ですよね。

 

お子さんが音に対して過敏過ぎて

普通に外出すると音に負けて

動けなくなってしまうので

防音用イヤーマフをつけて外出して

レストランか何かに入ったら

それを音楽鑑賞用のヘッドフォンと

勘違いした善意の人々から

「出先で音楽ばかり聞かせてどうする、

レストランでは会話することを

子供のうちから学ばせないと駄目だ、

出来ないならレストランに

連れてきちゃ駄目だ」と説教された、とか。

 

 

 

 

ショッピングモールの通路で

泣き叫ぶ子供を大人が叱るのではなく

優しくなだめるのを見て周囲は

「そういう時ガツンといかないから

子供がそんな態度を取り続けるんだ」

とかブツブツ言っていたけれど、

実はその子は数か月前に

火災で家と家族を亡くしていて、

その時その喪失感が

フラッシュバックしていた、とか。

 

人は瞬間的には物事の

表層しか見ることが出来ない。

 

気を付けていきたい

ものでございます。

 

まあでもそんなわけで

本日私は割と暗い海の底に

沈みこんでいる気分です。

 

ぶくぶく。

 

 

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いただけますと

私もクラゲのように

水面を目指せるような、ええ

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