先週水曜日、わが夫(英国人)が

職場で仕事に励んでいると

仲のいい同僚

(スコットランド人)がやって来て

「ねえねえ、ラグビーW杯の

最新の陰謀論、知ってる?」

 

「僕はあまりラグビーに

興味がないので・・・

で、どんな内容ですか?」

 

「週末に予定されている

日本対スコットランド戦が

台風のせいで中止になるかも

しれないって言われているでしょ。

中止になったら日本の勝ち抜け、

スコットランドの敗退が

決定するでしょ。日本が今大会の

開催国だということから

そこに作為はないのか、と

一部で囁かれているわけです」

 

「・・・でも試合の開催・中止を

決定するのは日本じゃないでしょ。

運営管理団体の権限でしょ」

 

「おお、素晴らしい、君は

よくわかっている。でも今度は

『自然災害被害の予見される

地域でのW杯開催を

強行するとはどういうことだ』

という意見が出てくるわけです」

 

「地球規模の気候変動が

問題になっている昨今、

そこを気にしたらスポーツの

国際大会は世界のどこでも

開催できなくなるのと違いますか」

 

「それなんだよね。あとたぶん

天災被害からの復旧に関して

日本以上に優れている国は

世界のどこにも絶対ないよね」

 

「英国がW杯を開催している時に

戦後最大のハリケーンが

上陸したらどうなるか、ですよね」

 

その話を聞いて翌木曜日、

私はとある

スコットランド人淑女

(ラグビー好きを公言)に

「ところでさ、週末の日本対

スコットランド戦がもしも

中止になったら、やっぱり

君はその・・・感情を害する?」

 

「本音でいいの?絶対害する。

ごめん。台風が大変っていうのは

すごくわかる、でも試合は

開催して。お願いだから」

 

「いや、だから開催を決めるのは

日本じゃないんでございますが。

でも中止になったらやっぱりその後

ついブツブツ言っちゃう感じ?」

 

「言っちゃう。W杯が

終わるまで言っちゃう」

 

「今回のW杯が終わるまで?

それとも次回4年後の

W杯が終わるまで?」

 

「・・・ごめん、たぶん私の

人生が終わるまで

ブツブツ言っちゃう。

日本に非がないのは

わかっていてももうそれは・・・

本当にごめん、心から謝る、

だからお願い、試合を開催して。

無観客試合でもいい、

水中戦でもいい、

とにかく試合を開催して!」

 

ただですね、これはあくまでも

私の個人的な肌感覚なのですが

英国の善男善女が

こういう意見を冗談半分とはいえ

口に出せたのはこの木曜日までで

・・・そのくらいまでは

「とか言って台風は結局

日本からそれていくかも」みたいな

見方も多少あったじゃないですか。

 

金曜日からこちらのニュースは

「台風、本当に洒落に

ならない見通し」という姿勢になり、

でもまあその頃はまだ

「日曜日のW杯試合、日本対

スコットランド戦が

開催されるかは当日朝の

判断を待つことになります」

という結びの言葉が

使われていたんですよ。

 

土曜日、ニュースは朝から

日本の台風ネタがトップ、

W杯日本対スコットランド戦への

言及は完全になくなり、

もう今そんなこと言ったら

不謹慎すぎる、の雰囲気が確立。

 

特にこっちの昼から

夕方にかけて『避難勧告を

受けた世帯数』がどんどん

増えたあたりでは

ニュースの読み手がなんというか

『本当に深刻な事件・事故を

報じる時の声』を出していて、

あれは確か夜10時の

ニュースだったでしょうか、

「日本の台風が海上に

抜けました!」と言った時の

アナウンサーの声が

演技抜きでとても

嬉しそうだったのが印象的でした。

 

それでもまだ被害の

拡大は見込まれます、と

河川や住宅の状況について

述べた後、アナウンサーは

再び声を励ますようにして

「スポーツファンの皆様に

お知らせします、日曜日の

ラグビー日本対スコットランド戦、

そしてF1日本GPは現時点で

開催の見通しとなっています!」

 

ちなみに日本対スコットランド戦は

英国時間で日曜お昼に

開催されたのでございますが、

その日の夕方6時のニュースで

『日本の台風被害の現状』は

ラグビーの試合結果よりも前に

一般ニュースとして

報じられておりました。

 

そんなわけで私が何を

申し上げたいのかと言いますと、

日曜日の試合、開催の

運びになって

本当に良かった、という・・・

 

(被災地の皆様に対し

失礼な言い方に

なっていたらすみません)

 

中止になっていたら絶対に

残さなくていい禍根を

残していた気がするんですよ。

 

ラグビーは試合が終わったら

ノーサイド、皆友達なわけですけど

試合が始まらない事には

その段階を目指せない、みたいな。

 

勝ってすっきり、

負けてすっきり、みたいな。

 

そんなわけでこの日曜日から

次のW杯開催までの4年間、

日本のラグビーファンは

スコットランドの同好の士に対して

優しく接さないとアカンですよ。

 

実るほど首を垂れる稲穂かな、

の精神でございますよ。

 

オホホホホ!

(止められない女王様笑い)

 

勝って兜の緒を締めましょう。

 

 

スコットランド監督の

試合前の言動について

昨日の記事のコメント欄で

言及がありましたが、

終わった試合の、しかも

こちらが勝った試合の後に

相手チームについて

ガチャガチャ言うのは

やはり違うなという思いがあり

 

ただまああの方は

試合中止の可能性に

関してだけでなく

日本のサモア戦終了間際の

トライや、自身のチームの

中三日日程などについても

色々物申していらっしゃって

 

私はあんまり

スピリチュアルな観点で

物事を見るのは

好きじゃないんですが、

でもあちらさまのああいう発言を

耳にするたびに

「この人、運気を落とす言葉を

口にしちゃう人だなあ」と

私はスコットランドの

選手の皆様に

同情に近い感情を

抱いておりました、いや本当

 

運気を落とすとか

そういう話だけじゃなくて

チームを統括する方が

あんなことを言ったら

チームに所属する選手は

「監督にあそこまで言わせないと

駄目なレベルなのか、我々は?」

と心の隅で絶対に思ってしまうと思う

 

「試合中止なら法的措置」ではなく

「日本の、そして世界の

ラグビーファンのため

我々は日程変更でも

無観客試合でも受け入れたい」とか

 

「あんな判定、見たことない」ではなく

「ああいう判定を引き出せる

日本の巧みさは恐ろしい」とか

 

「日本だけ中3日なしって何」ではなく

「日本は前回大会で中3日日程を

堂々とこなした、今度は我々の番だ」とか

 

物は言いようっていうか

言葉が強者を作るというか

 

(前回大会で日本は南ア戦の後

中3日でスコットランドと対戦し敗退、

でも彼らは日程に関して一切文句を

言わなかった、かっこよかった)

 

(スコットランド戦では選手たちの

体が物凄く重そうで辛そうで、

でも彼らは言い訳を一切口に

しなかった、すごくかっこよかった)

 

(・・・先日どこかの報道で選手が

『前回大会では南アに勝った後

ちょっと飲み過ぎちゃって

次の試合にお酒が

残っちゃってました、てへっ』

とか言っているのを見たんですけど

オイちょっと待てそれは違うだろう)

 

ともあれ私もあらためて

自分の言動には

気をつけようと思いました

 

ふざけたことばかり

書いておりますが

台風の被害状況の

ニュースを見るたびに

胸を痛めております

 

皆様どうかお気を付けください

 

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