2019年12月12日は

英国総選挙の投票日、

その結果が出るのが

13日の金曜日。

 

 

 

日本と英国では

時差がありますので

現在すでに日本は13日でも

英国は12日の夕方、

投票締め切りは

現地時間で午後10時、

勝敗結果が出る前に

今回の選挙戦に関して少しだけ。

 

こちらの選挙に関して

投票権を持たない私は

ただひたすら純粋に

各陣営の動向を楽しんでいた、

もとい、見ていた

だけなのでございますが、

序盤のファラージおじさん

華々しい打ち上げ花火と

その後の失速、

各党がマニフェストを出すたびに

盛り上がるニュース番組、

どこらへんまで信用していいのか

今回も今一つ不明な事前調査

 

個人的に一番印象に

残っているのは

地元で開催された

『ハスティングス(Hustings、

候補者演説会)』でございまして、

ええ、私、のこのこ

覗きに行ったんです。

 

各党の候補者が一ヵ所に集い

集まった聴衆からの質問に

それぞれ答える、という形で、

流石スコットランド、会場の

一番人気は当然のごとくSNP

(スコットランド独立党)、

ついで労働党、その後を

LDP(自民党)や緑の党が追って、

もっとも不人気だったのが

保守党という印象でした。

 

いやもう、各候補が

質問に答えた後の

拍手の大きさが

段違いだったんです。

 

途中で保守党の候補が

「2014年の住民投票

(スコットランド独立の

是非を問うたもの)と

2016年の住民投票(英国の

EU離脱の是非を問うたもの)の

結果に敬意を払っているのは

ここにいる候補の中で私だけだ」

と言った時の会場の

冷えっぷりときたら・・・

 

会場から出た質問の一つに

「英国に住む『外国人、

すなわち英国国籍所有者

以外の人々』について

どう考えるか」というのがあり、

それに対して左派の候補が

EU離脱に真っ向から反対しつつ

「外国人差別など

あってはならない!そのためにも

我々は住民投票を再度実施し

EU離脱を阻止すべきだ!」

 

一部聴衆はほとんど

スタンディング・オベーション。

 

うむ、しかし待ってほしい、

当地に暮らす一外国人として

私は自分の胸に問いたい、

『民主主義にのっとり

物事が決定されていく国』と

『民主主義にのっとり

下された決定でも

成り行き次第ではその決定が

なかったことにされる国』と

自分はどちらに住みたいか。

 

この日会場にいた多くの人は

「だってその『成り行き』は

『良い成り行き』だもん!

我々の行動は『良き目標』の

ためのものだもん!」と

心から信じていた様子なのですが

(善人か悪人かで言えば

彼らは悪い人たちではないと思う)、

しかし彼らは自覚しているのでしょうか、

自分達の行動が実は民主主義の

根幹を覆す要求であることを。

 

私は今、この国の

社会制度・政治体制が

大きく転換していくその瞬間に

居合わせているのかもしれない、と

その時私は思ったのです。

 

自由主義・間接民主主義を

ある意味もっとも成熟させた

この大英帝国で

こんなことが起きるとは・・・!

 

大衆の『善き心』に基づいて

後押しされた政治運動が

悲劇的な結果を迎えた過去を

我々は歴史として知っている、

しかしそこから何を

学んでいるかは人それぞれ。

 

下院議席数は650、

注目はジョンソン首相率いる

保守党が過半数の

326議席を確保できるか。

 

結果は間もなく出るのです。

 

 

ちょっと話はそれるんですけど

この夏、ネット経由でNKHの

ラジオニュースを聞いていたら

話題が日本の

『移民受け入れ問題』になり、

「移民受け入れによって

生じる可能性のある問題」の

1つとしてキャスターが

「地域の治安の悪化」を

挙げたのでございます

 

・・・現代の英国で

政治家・ジャーナリストが

これを公言したらたぶん

間違いなく大問題になります、

「それは差別だ」として

 

皆さんどう思われます、

英国が正しい、先進的だ、

そんなこと指摘するのも

駄目、と思いますか

 

それとも英国は行き過ぎだ、

口にするのに

勇気が必要な問題でも

あえて語り合うべきだ、

日本のあり方のほうが

正しい、と思いますか

 

そんなことも考えつつ

投票結果を受けて

ジョンソン氏が

どんな顔をするのかを

待ってみたいと思います

 

ジョンソン氏の選挙区って

いわゆる『激戦区』なんですよ

 

保守党が勝っても

ジョンソン氏が負ける、

つまり保守党が

議会の過半数を獲っても

肝心のジョンソン氏が落選、という

可能性も割とあるんです

 

あ、あとハスティングスは

とても面白かったです

 

選挙カーで候補者の

名前を連呼されても

政策の中身はわかりませんが

ああいう合同討論会だと

それぞれの候補の考え方を

一気に比較できるという

 

今後も機会があったら

是非覗き見に行きたい私

 

英国政治に興味のあるあなたも

そもそも政治問題が苦手なあなたも

とりあえず選挙は大事だ!

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