皆様覚えておいででしょうか、

自他ともに認める

買い物嫌いのわたくしが

実はこっそり

心の『お気に入り』リストに

登録している

とある中華食材店のことを。

 

お気に入りの理由:

 

1.お店が納豆を売っている

 

2.店主がアレ

 

 

 

3.しかしわが夫(英国人)いわく

  客である私も相当にアレ

 

 

(夫の発言内容はこちら

 

書いていて

自分でもよくわかりませんが

ともかくですね、そのお店

・・・この冬、お店に出ている

人の顔ぶれが変わってですね・・・

 

例のおっかない店主さんも

その店主さんを

支えていた好青年も

いなくなっちゃったんです。

 

代わりに少し若い女性が

店先で采配を振るうようになり、

同時に品揃えもちょっと変わって、

結果としてお店の雰囲気も

以前とは異なって、

「もしかしてお店を居抜きで

他の人に売っちゃったのかな。

あの雑然とした、殺伐とした

店内の空気が好きだったのに」

 

ふと漏らした私に夫が

「・・・やっぱり変なお客が

怖かったんでしょうね」

 

・・・それはどういう意味ですか?

 

でもまあお店は冬以降も

ちゃんと納豆を

売り続けてくれていて、

で、今回、久々に

街に出たついでに

そのお店にも足を向けまして。

 

お店のドアに大きな張り紙があり

『店内、マスク必着』

 

・・・わたくし、

当地スコットランドにて

『マスク必着』を

謳っているお店を

目にしたのは

これが初めてでございます!

 

いやまあ普段

出かけていないってのも

あるんですけど。

 

その張り紙の下には

さらに追加の張り紙があって

『マスクのないお客様は

ドアから内側に入らないで』

 

・・・おお!

 

『マスクのないお客様へ:

ご購入希望の品があれば

ドア付近にて口頭で

店員にお申し付けください

(特別サービス料として

追加で1ポンドがかかります)』

 

・・・おおお!

 

嫌いじゃない、こういう姿勢

 

英文もいい感じに

ぶっきらぼうなところが

逆に好ましい感じさえする!

 

ドアのガラスを通して店内を覗くと

そこには床掃除に余念のない

『ルンバ』の姿が!

 

 

わたくし、稼働しているルンバを

英国で目にしたのも

これが初めてかもしれない!

 

そしてルンバが

稼働できるということ、

それはすなわち店内の整頓が

行き届いているということ!

 

・・・以前は暗く

雑然としていた店内が

今はすっきりさっぱり明るくて

雰囲気はほとんど

日本のコンビニ。

 

いやあ、お店、

頑張っているねえ、と

入店しつつ

レジのところにいる

店員さんに目礼をしたら

・・・例の店主さん

返り咲いているでは

ありませんか!

 

思わずマスク越しに

笑顔を輝かせてしまった私に

向こうも気づいたらしく

・・・ただ彼女はなぜあそこで

少し『怯んだ』気配を見せたのか。

 

いやそれにしても

店内はきれいだし

納豆の在庫もあったし

店主さんが

元気なことを確認できたし

(病気で引退とかだったら

悲しいなと思っていたのです)、

スキップせんばかりの勢いで

会計・支払いを済ませた私に

店主さんは相変わらず

かなり不機嫌そうな声

「・・・レジ袋、使います?」

 

「大丈夫大丈夫。

マイバッグ持参。

あ、品物を詰めるのも

こっちでするから安心してね」

 

「・・・ふんっ」

 

そして彼女はレジ台から

一歩下がると、納豆を

買い物袋に詰める

私を眺めながら

手に消毒剤をスプレーし

挑戦的に顎を上げつつ

これ見よがしに

手のひらを清めたのです。

 

・・・その意気やよし!

 

何故そこでそこまでお客を

睨む必要があるのかは

こちらには理解できませんが

でもこまめな手指消毒は

このご時世、絶対に正しい!

 

買い物袋を詰め終えた私は

こちらもレジ台から一歩下がると

「その消毒液を使っている

あなたの態度なんですが」

 

「・・・品物を触るたびに

こうしているだけなんだけど」

 

えらい。本当に偉い。

コロナ対策でしょう?

店主さんのそういう行動が

お客である我々を

安心させてくれるわけですよ」

 

「・・・私がやりたくて

やっているだけだから」

 

「あのルンバもそうです。

このお店の明るさ、清潔感、

店員さんの徹底した手指消毒、

あの張り紙もそうです、

このお店は安全、と

我々お客が確信できる、

このコロナ禍によくここまで

正しい経営姿勢を

打ち出してくれました。

心から感謝しています。

ところでレシートいただけますか」

 

店主さんは黙ってレシートを

投げてよこしてくれました。

 

うんうん、直接手渡しは

気持ち的にアレだものね!

 

わかるわかる!

 

お店は相変わらず

私の『お気に入り』リスト

上位に鎮座しております。

 

 

英国では6月15日から

公共交通機関を

利用する際のマスク着用が

義務化されたんですが

お店とか銀行とかではなお

「各自の判断に任せます」

という指針であるらしく

 

そういう環境の中でばしっと

『うちの店、マスクを

着けていない人に

売る品はねえから!』という

姿勢を鮮明にしたのは

勇気ある行動であったと思います

 

あ、なお例の店主さんの

『美しさ』なんですが

・・・何だろう、今回彼女は

『普通』になっていました

 

女性の美の原因というか

秘訣というかは神秘ですね

 

でもレシートを投げつけ

られるのは嫌、というアナタも

いつかこのお店で買い物をして

粗雑に扱われてみたいアナタも

お帰りの前に1クリックを


ヨーロッパランキング