布団に入って枕の位置を整えて

さあ寝よう、となった時に

突然隣にいた夫(英国人)が

「・・・3つ、質問を

していいですか?」

 

「いや、駄目です」

 

 

「第一問」

 

「だからダメだって。

もう寝るんだから嫌です。

何だよいきなり質問3つって」

 

「クイズのようなものです。

それでは第一問」

 

「イヤだって言ってんだろ」

 

「あなたの銀行の口座に

100ポンド入っています。

利率は2パーセントです。

さて、5年後にその口座には

いくらお金が

入っているでしょうか?」

 

「・・・5年間お金を出したり

入れたりしないでってこと?」

 

「そうです。答えを

次から選んでください!

1:102ポンドよりもっと。

2:ちょうど102ポンド。

3:102ポンド以下。

さあ、君の答えは?」

 

「これ、引っかけ問題?」

 

「いえ、引っかけ要素はないです」

 

「じゃあ100ポンドあって

金利が年に2パーセントなら

1年経ったらそこで

すでに102ポンドだろ?

そこからさらに1年経って

2年目になったら102ポンド

足すことの2ポンドちょっとだから

104ポンド以上になる、

だから答えは『1』の

『102ポンドよりもっと』」

 

「さて、では第二問!」

 

「待て待て待て!第一問の

私の答えは

あれでよかったのか!」

 

「それは後で教えます。第二問。

あなたの預金口座の

利率が年1パーセントです。

インフレ率は年2パーセント。

今、口座に入っているお金で

1年後にどれだけのものが

買えるでしょうか!

1:今よりもっと。

2:今と同じ。

3:今より少ない。

さあ、君の答えは?」

 

「・・・口座に100ポンド

入っているとして、そして

ここに贈答用チョコレート

税込み100ポンドの品が

あるとする。高級品だ。

今なら口座の100ポンドで買える。

で、口座にお金を入れておくと

1年後には金利1パーセントで

それが101ポンドになる。

その一方で贈答用チョコレート

100ポンドの品は1年後には

インフレで102ポンドになっている。

だから口座のお金でそれは買えない。

というわけで答えは『3』で」

 

「最後の第3問!」

 

「私の答えが正解か

不正解かをまず教えろ!

これあれだろう、3問目が

引っかけ問題なんだろう!」

 

「だからそれは後で教えますってば。

さて第三問。株式投資をする場合、

株式投資信託などを利用して

複数の株を保有するのと

対象を1社に絞って

その1社だけの

株を保有するのと

どちらが安全でしょうか!」

 

「引っかけ問題でないとすれば

安全なのは複数株保有だろ」

 

「・・・世間にはね、この3問に

正答できない人が

かなり存在するんですよ」

 

「で、私はどっちだったんだ?

正答していたの、

していなかったの?」

 

「あ、君は全問正解です。

よかったです、安心しました。

でもね、この3問の正答率、

米国では3割、イタリアでは

さらに低く2.5割なんですって」

 

「まあ世の中、私もそうだけど

お金の話が

不得意な人は多いからな」

 

「でもこの3問の答えが

わからない人が社会の7割って

それはちょっと怖いですよ!」

 

で、何故夫が突然

こんな話を布団の中で

始めたのかと申しますと、

こうした事態を重く見て、

英国経済紙

フィナンシャルタイムス

金融リテラシーの

向上を目指し、今後運動を

展開していく予定なのだそうで。

 

「まあそれは・・・

悪いことじゃないよな」

 

「とてもいいこと、ですよ。

あの3問の答えがわからない、

というのはすなわち

自分の資産を守る方法を

知らない、ということです。

悪徳金融業者に

目をつけられたらカモもカモ、

一発で食い物にされます。

いやそれにしても

正答率の低さには驚きました」

 

ちなみにドイツの正答率は

53パーセントだそうで

・・・え、ドイツでやっと5割?

 

でも私が正答できたのも

まぐれ当たりに

近いものがあったしな・・・

 

皆様は『お金の話』、

お得意ですか?

 

 

フィナンシャルタイムスの

記事の元になっている

実験結果を確認してみたら

・・・日本の正答率は3割に

届いておりませんでした・・・!

 

米国以下か・・・!

 

・・・だって日本じゃ

『お金の話』を学校で

教えてくれないものなあ・・・!

 

あっでもスウェーデンの

正答率は日本より低い!

 

意外!

 

ところで皆様

『フィナンシャルタイムス(FT)』って

現在『日本経済新聞』傘下なの

御存知でした?

 

「FTが運動を進めるということは

すなわち日経が

その音頭をとるということです。

近いうちに日本の人々は

日経の薫陶を受け

総じて金融通になるでしょう。

君もお金の話を

嫌がっていては駄目ですよ!」

 

夫の言うことがわかるアナタも

わかるんだけれども

素直に首肯できない

私の気持ちも

わかっちゃうアナタも

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