昨日に続いてお金の話、

今日のお題は:

クレジットカードは怖い。

 

夫(英国人)と話していた時に

「この間ラジオでやっていた

『家計相談』みたいな番組でな、

相談者がクレジットカードを

5枚持っているそうで、

来月のその支払いを

どうしようって泣いていてな」

 

「非常によくある悩みですね」

 

「限度額をいくらに

設定しているかにもよるけど

1枚のカードの限度額が

月千ポンドとして、それを

5枚持っていたら5千ポンド、

日本円で70万円くらいか。

確かにそれだけの額を一気に

返済するのは大変だよな。

しかし何故カードを5枚も作るかね」

 

「・・・妻ちゃん、君はその

相談者の問題の本質を

聞き逃している気がしますよ。

その人、『ミニマム・ペイメント

(Minimum Payment)』って言葉を

口にしてはいませんでしたか」

 

確かにそういう単語を

相談者と回答者は

使っていた気もしますが・・・

 

さて、ではここで問題です。

 

英国の銀行が発行している

クレジットカードにおける

『ミニマム・ペイメント』とは何か。

 

「・・・クレジットカード

使用手数料のこと?」

 

「違います。君、自分の

カードの利用明細を

ちゃんと見ていないんですか」

 

「見ているけど見ているのは

支払い内容だけで・・・え?

明細にそんな単語、載っていた?」

 

確認したら載っていました。

 

『ミニマム・ペイメント:5ポンド』

 

5ポンドというと

日本円に換算して700円くらい。

 

でも私はその額を

支払っているわけではない様子。

 

「・・・何だこれ。来月カードの

利用がない場合は

これだけ維持費を

いただきます、みたいな?

・・・わかった、不正解だな、

その金融弱者を

見る目つきは止めろ」

 

「いや、君はそもそも

いつもニコニコ現金払い主義者で

カードの利用は最低限に、が

生活身上の人だったなあ、と。

自分のその時の支払い能力以上に

カードを使わない人には

これは必要ない項目なんです」

 

というわけで

『ミニマム・ペイメント』、

これは文字通り

『最低支払金額』のことで

たとえばその月、つい

カードを限度額ギリギリ

(たとえば千ポンド)まで

使ってしまったとします。

 

同時に現金でも色々

散財をしてしまっていて、結果、

クレジットカードの

支払用口座には

5ポンドしか入っていない。

 

迂闊にも私はこれまで

そういう時は一気に

クレジットカードが

『使用不可能』状態になるものと

ばかり思い込んでいたのですが、

これがそうではないらしい。

 

この時、支払い用口座に

『ミニマム・ペイメント』額、

すなわち5ポンドが入っていたら

その月の支払いは

「それでヨシ!」ということになり、

カードは翌月も問題なく

使えてしまうのだそうです。

 

「え?まるまる限度額千ポンドを

再びカードで使えてしまうのか?」

 

「そうです。あ、もしかしたら

多少限度額は下げられる

かもしれません。あと、

その月の『ミニマム・ペイメント』の

設定額は上がります。

だから翌月も支払いが

不可能となった場合、

利用者は前の月よりも

多めに『ミニマム・ペイメント』を

準備しなくてはなりません」

 

「で、何か、2か月連続で

カードの支払いが

不可能な状態でも

『ミニマム・ペイメント』を

支払っておけばそのカードは

使い続けられちゃうのか?」

 

「そうです」

 

「もしかしてその翌月もか?」

 

「そうです」

 

「それ、危険じゃないか?」

 

「危険です」

 

「・・・カード会社は

倫理的にどうなんだ、それ。

だって利用者はどんどん

負債を積み上げちゃうだろ?

理論的にはそれで

問題ないかもしれないし

『お客様の便宜を第一に考えた

サービスです』と強弁することも

可能かもしれないけれども、

でもそこは支払いが

2回くらい滞ったら

カードを停止してやるのが

長期的に見たら正しい

『優しさ』なんじゃないか?」

 

「妻ちゃん、君はどうして

銀行の建物があんなに立派で

内装も豪華だと思うんですか?

あの調度品を購入するお金が

どこから出ていると思うんです?」

 

「・・・!」

 

「自身の支払い能力を超えた

カードの使い方をしてしまう利用者、

毎月『ミニマム・ペイメント』しか

支払えない利用者というのは

銀行にとっては長期的には

金のたまごを産むガチョウです。

彼らは放っておいても

律義に毎月負債を積み上げ、

その負債には利子がかかり、

最終的には莫大な額を銀行は

彼らに請求することが出来ます。

それもすべて合法的に、です」

 

「・・・ひどい話だ!」

 

「確かにそうかもしれません。

ですが非は銀行側にだけ

あるのではありません。

この基本の仕組みの危険性は

カード利用者すべてが

知っていないと

いけないことなんです」

 

・・・え、じゃあ私はそれでいくと

『カードを使っちゃ

いけない人』組じゃないですか!

 

しかしそんなわけで、冒頭の

「クレジットカードを

5枚持っている」人の

窮状というのはどうやら

「今月はカード5枚をそれぞれ

限度額まで使っちゃった、

自分ったら散財屋さん!」

どころの話ではないらしいのです。

 

続く。

 

 

私も夫もクレジットカードは

その月に絶対

払える額しか使わない、

勿論支払いは

一括です!派なのですが

(理由:手数料とか金利を

余計に払いたくないから)

(どうですか、この

神々しいばかりの吝嗇さ)

「全体的に見ればクレジットカードを

こういう使い方しかしていない人は

少数派だと思いますよ」

 

・・・皆さん、どんな使い方を

していらっしゃるというの?

 

想像するだけで怖くて

膝が笑ってしまいますけど!

 

 

Norizoさんの恐怖がわかるアナタも

Norizoさんって案外ビビりですね、

と鼻で笑いたくなったあなたも

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