先日こちらのラジオで流れた
「クレジットカードを５枚
使用しているんですが、
今月の支払いをどうしようかと」
というお金系人生相談。
カード１枚の限度額が
千ポンドとして
５枚で５千ポンド（約７０万円）。
なるほど、それだけの額を
一括払いするのは大変だろうと
理解しておりましたら
後から夫（英国人）が
『ミニマム・ペイメント
（最低支払金額）』という
恐怖の仕組みについて
私に教えてくれまして。
ひと月にカードの限度額
千ポンドを使ったなら
支払日には支払い用口座に
千ポンドのお金を
用意しておくのが筋。
しかし世の中
一寸先はなんとか、
不意の支出で口座が
空っぽ寸前になっている
ことだってあるのです。
そんな時の味方がこの
『ミニマム・ペイメント』！
たとえ使用額が千ポンドでも
支払日に『ミニマム・
ペイメント（５ポンド）』が口座から
引き落とせるようになっていたら、
つまり口座に５ポンドだけ
入れておけば、お手持ちのカードは
翌月も問題なく使えます！
なーるほど、これは便利！
でも滅茶苦茶危険ですよね？
だってその元の千ポンドは
『カード会社に対する借金』
として残りますし、そして
カードがなお使えるってことは
そこにさらに借金を
積めちゃうってことですし！
で、この『ミニマム・ペイメント』は
使えば使うだけ設定金額が上がり、
そしてあるところまで上がり切ると
『これ以上このカードを
使いたいならまず大元の
借金を返してくださいね』となる。
たぶんその時のカードの
未払い使用額（合計）は
かなり凄いことになっている。
で、最初の「カードを５枚
持っているんですが」の相談者。
私はこの人の問題を
「カード５枚の限度額を
使っちゃって、今月の支払いの
めどが立たないんです。
５千ポンド（７０万円）なんて
一気に支払えませんよ！」
なのかと理解していたのですが。
「それは多分、１枚目のカードが
『ミニマム・ペイメントの
お支払いが続いて
いらっしゃいますが、お客様
そろそろ借金を返してください』
状態になったので
２枚目のカードを作り、
その２枚目のカードがまた
『そろそろご利用額の合計を
返済してください』になったので
３枚目のカードを作り、で
きっと現在５枚目なんです。
５枚のカードのミニマム・
ペイメント設定額もかなり
高めになっているでしょう。
１枚のカードを毎回
限度額いっぱい半年、
そして次のカードに、と
考えても利用金額合計は
千ポンド×６か月の５倍、
３０万ポンド（４千万円）。
相談者は今月その額を
どうにかしないと信用に
瑕がつく、つまり今後
クレジットを利用できない人に
なってしまうのです」
・・・あの、それ、私は
洒落にならない
苦境だと思うんですけど！
というか・・・
何、その『ミニマム・
ペイメント』方式って・・・！
怖い、怖すぎる、
古今亭志ん生風に言うなら
「座りしょんべんして
気ィ失っちゃう」レベルに怖い・・・！
何が一番怖いって
金融機関側のその体裁が
『欲張りなお客様のための
特別サービスでございます💛』
みたいな感じであることですよ。
そして督促らしい督促をしない。
少なくともしばらくは。
物わかりのいい笑顔とともに
「今月も限度額いっぱいの
ご利用ありがとうございます！
返済はご都合のよろしい時に、
ええ、それまではミニマム・
ペイメントだけいただければ
当行は大丈夫でございますから！」
同じ千ポンドのお金を借りるなら
まだ怪しい雑居ビルの片隅で
超強面のおじさんに鋭く
「エエか、借金は借金や。
期日にはばしっと利子をつけて
全額返してもらうけんのう」
と凄まれたほうがマシ・・・！
だってそう言われれば
少なくともそこで
「あ、これ、返済しないと
本気でまずいやつ」って
自覚できるでしょ？
必死に返済計画を立て
それを実行するでしょう？
・・・私はコロナの影響で
これまで長年貫いてきた
『買い物は基本現金払い』の
方針を改め、普段の買い物に
カードを積極的に利用するように
なっていたのですが
こんな話を聞くとやはりまた
現金利用第一主義に
回帰したくなるのです・・・！
私は『お金の話』が苦手で
そういう勉強を避けてきた
自覚はあるんですけれども、
それでも根底の部分に
「お金は怖い、
特に借金は怖い」という
固い信念というか
固定観念がございます。
だから何事も可能な限り
払える額なら一括払いで。
払えない額のものは
分不相応と諦める勢いで。
だって金融知識弱者は
弱者なりのやり方で
身を守るしかないじゃない！
皆様もカードのご利用には
お気を付けくださいませ。
で、すでにお気づきの方も
いらっしゃるとは思いますが、
この『ミニマム・ペイメント』は
『リボ払い』における
『残高スライド方式』と
ほぼ同じみたいなんです
リボ払いの恐怖については
日を改めてまた明日に！
あれは・・・！
怖いものだ・・・！
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