第341話)我が子が暴力を振るってきたら ~ 甘え(4) | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

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心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?

第333話 で、親に対する暴言や暴力も「甘え」のひとつの形だとお話ししました。

そういう子は、もう十分自分を責めています。他の人のせいにすることで、かろうじて生きようとしているのです。

親も苦しみます。


苦しむ我が子を見るだけでも辛いのに、その我が子から、「全部おまえのせいだ!」と攻撃されるのですから。


親としの自信をなくし、自分を責め、生きる気力さえ失いそうになります。

子どもが悪いわけではありません。
かといって、親の愛が足りなかったわけでもありません。愛がうまく伝わらなかったということは、あったかも知れませんが……。


親の愛は伝わっていても、その愛を打ち消すような辛い経験が、学校や職場であったのかも知れません。

子どもが、辛い気持ちをぶつけてくるということは、むしろ、親として認めて、すがってきているということです。親であることに自信を持ち、自分を責めずに、根気強く愛を伝え続けてほしいなと思います。

 

<元気に生まれて、幸せになぁれ  by Akira Miyata>


我が子の暴言や暴力への対応は、ひとことで言うと、「我が子を信じてあきらめず、外部に助けを求める」です。

家庭内暴力などは、家庭の恥をさらすようで、なかなか外部に相談できないものです。しかし、こういった問題は、家庭という閉鎖された世界の中で解決するのは、難しいものです。

今は、さまざまな相談機関があります。勇気を出して、外部に助けを求めてください。

相談は、一箇所であきらめないでください。それぞれの家庭の事情は違いますので、その相談機関との相性があります。また、同じ相談機関でも、担当者によって、受ける印象は異なります。


「ここに助けてもらおう」「この人に頼ってみよう」と思える出会いがあるまで、あきらめないでください。


外部に助けを求めるか求めないかにかかわらず、親としての対応の基本は、次の通りです。


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1)我が子の幸せになる力を信じる

赤ちゃんは、お腹がすいたり、寂しかったりすると、「オギャー、オギャー」泣きます。まわりの人を信じているから泣くのです。今、お子さんが苦しんでいるのは、生まれつきのものではありません。

 

すべての人は、幸せに生きる力をもっていることを、信じてください。

2)決して見捨てない

「もう、勝手にしろ!」……そう思うこともあります。でもそれは、心の中で思うだけにして、決して見捨てたり、突き放したりしないでください。

 

お子さんは、親のせいにすることで、かろうじて生きようとしています。親が見捨てることは、かすかに残されていた生きる力を奪いかねません。自暴自棄に追い込むこともあります。

3)「感情には善悪はないが、行動には善悪がある」を繰り返し伝える
感情には、「辛い・心地よい」はありますが、「いい・悪い」はありません。

 

たとえば、「あいつを殺したい」と思っている人がいたら、その人は悪い人ですか? もし私の家族が暴走車にはねられて殺されたら、私はその犯人を「殺したい!」と思います。でも、行動には移しません。行動には善悪があり、責任を伴います。

「死にたい」「殺したい」と感じていることに対しては、「そうか、そんな風に思ってしまうのか、それは辛いね」と気持ちを認めた上で、「でも、絶対に、絶対に、絶対に行動に移してはいけないよ」と、繰り返し伝えてください。

4)理不尽な要求や暴力には、「NO」という
親は自分自身を責める気持ちがあるので、子どもの理不尽な要求や暴力を、甘んじて受けていまう傾向があります。

 

ただそれは、親自身も、子どもも、さらに苦しい状況に追い込むことになります。


理不尽な要求や暴力には、はっきり「NO」と言ってください。その時には、「きらいだからじゃない」「大切なわが子であることに変わりはない」ということも、いっしょに伝えてください。

 

我が子のことをあきらめていないわけですから、見捨てることにはなりません。

時には警察を呼ぶことが有効な場合もあります。「こんど暴力を振るったら、警察を呼ぶ。あなたを犯罪者にしたくないから、警察に止めてもらう」と予告しておきます。そして本当に呼びます。


外部の者が間に入ることで、子どもは冷静になります。また、暴力はいけないということを印象づけることもできます。

 

暴力を振るわれる親(多くの場合母親)が、家を出て一時避難する方法もあります。その場合は、避難した親は定期的に家に電話をし、「心配しているよ」ということと、「暴力を振るわれる間は帰れない」ことを伝えます。

 

警察を呼ぶ場合も、親が避難する場合も、「親に見捨てられた」と誤解させないことが必要です。専門家のアドバイスを得ながら進めるといいでしょう。

5)説教・説得ではなく、情報提供を
たとえ親でも、苦しみの沼から子どもを救い出すことはできません。親にできることは、子どもの力を信じて、応援することだけです。


悩みで視野が狭くなっている子には、「こんな選択肢もあるよ」と情報提供するのがいいでしょう。多くの選択肢の中で、どの道を選ぶかを決めるのは子どもです。

応援しているのは、親や家族だけではないことも伝えてください。

 

子どもや若者の幸せは、社会の願いです。そのために、いろいろな制度があり、多くの人が活動しています。社会の中で、守られ、応援してもらっていることを伝えてください。
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すべての子どもたちが、認められ、大切にされて、幸せに育つことを願っています。 (シリーズ「甘え」 完)

 

 

 

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