第344話)今、この子をたたきたい気分なの | 幸せのDNA …… 学校では教えてくれない大切なこと

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心理相談員/生きがい・子育て講演講師の みやた あきら です

人はひとつでも居場所があると、生きていけるといわれています
居場所とは、ありのままの自分を受け入れてくれる場所、
「今のままでいいんだよ」と言ってもらえる場所です
あなたの居場所はどこですか?

我が子に、つい手を上げてしまうことがあります。

そうした親たちの多くは、冷静になったときに、罪悪感や自責の念を感じます。

ところが一部には、「それが私流の子育てだ」と、居直る親もいます。

「子どもをぶちたい気分だったから、ぶったの。こんな風に気分次第なのも、自分に素直ってこと。自分のやりたいことを我慢して感情を抑えるのって、自分らしくないでしょ。自分らしい生き方を貫いた方が、子どもに、自分らしい生き方を教えられるじゃない」
(参考文献:石川結貴 著「モンスターマザー」) 


そういった親は、2つの点で勘違いをしていると、私は思うのです。

1)ひとつ目の勘違いは、「感情のままに行動することが、素直で、自分らしい生き方」と思っていることです。

「自分に素直」とは、自分の感情を受け入れ、認めることです。感情のままに行動することではありません。

たとえば、誰かに侮辱されて、「あんなやつ、殺したい!」と思うことがあるかもしれません。だからといって、行動に移してはいけませんよね。

感情は自然に湧いてくるものですが、行動は、その人の選択です。
「たたく」という暴力行為を選択することは、「悪」です。
感情には善悪はないけれど、行動には善悪があります。

「あんなやつ、殺したい!」という感情が湧いた時、「ああ、自分はそれほどあいつを憎んでいるんだな、つらいな」と、自分の感情を受け入れることが、「自分に素直」ということになります。


そして、自分に素直であることが、「自分らしい」ことだと思うのです。

2)ふたつ目の勘違いは、「子どもをたたきたい」という気持ちが、「本当の感情」だと思っていることです。言いかえると、その奥にある「本当の感情」に気づいていないということです。

「本当の感情」には、いろいろなケースがあります。

自分の言うことをきかない子が、自分をバカにしているように見えて、傷ついた。
おどおどした子どもの目が、小さい頃の自分に見えた。自分を許せていなので、子どもを許せないと思ってしまう……など。

「子どもをたたきたい」という気持ちの奥には、「傷ついた心」や、「さびしさ」「不安」があるのです。


また、「子どもをたたくことでストレスを発散している」という親がいたとしたら、その人は、「子どもは自分の所有物」という、3つ目の勘違いをしていることになります。

子どもは、愛され、守られるべき、一つの命です。親とは別の、一人の人間です。親の所有物でも、親の道具でもありません。

 


<ママ、おばあちゃん、手をつなご  by Akira Miyata>


◆つい、子どもをたたいてしまうことがあります。大丈夫です。冷静になったら、お子さんに謝ってください。そして、こんどたたきそうになったらどうしたらいいか、いろいろ試してみてください。

 

第282話)我が子にカッとなったら

 

◆親だってストレスがたまります。ストレスを発散する方法は、たくさんあります。子どもに当たる以外の方法を、いろいろ試してみてください。

 

◆「体罰」は、”薬”に例えるなら、「重篤(じゅうとく)な副作用のある危険な薬」です。そのため、法律で使用が禁止されました。もし、「しつけのためだ」という考えが頭に浮かんだら、「体罰は、禁止された危険な薬」ということを思い出し、安全で効果の高い他の方法を、いろいろ試してみてください。

第342話)お願い、体罰はやめて!
第343話)体罰に効果がないわけじゃない



そのようにして、たたくことが常習化したり、エスカレートすることを防いでください。

 

それでもたたいてしまう、たたくことがやめられない、という方もおられると思います。ストレスやプレッシャー、不安や自己嫌悪などで、押しつぶされそうになっていて、自分だけの力ではそこから抜け出せない状態だと考えられます。

 

ですから、そういう親は、「悪い親」ではなく、「助けが必要な親」ということになります。

もしあなたが苦しいなら、自分を責めずに、勇気を出して助けを求めてください。もし、まわりに苦しんでいる人がいたら、手を差しのべてあげてください。


親が笑顔で子育てができ、子どもたちのまわりから、暴力がなくなることを願っています。(完)

 

 

 

 

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