昨年、岡田沙織さん(若者メンタルサポート協会理事長)の講演を聴く機会がありました。岡田さんは、ご自身が、過酷な子ども時代を過ごされました。著書「あなたは何も悪くない」の中で、このように書いています。
4歳で両親が離婚し、祖父に預けられたところから波瀾の人生がスタートしました。幼稚園中退、祖父の暴力、孤独な子ども時代、小3で初めてのリストカット、いじめ、高校中退、家出、15歳で水商売入り、暴走族、シンナーや覚せい剤など薬物依存、自殺未遂、DV、刺青、暴力団員からのレイプ、中絶、統合失調症、結婚・出産、離婚、うつ病、生活保護……やっぱり、結構壮絶ですかね(笑)。
そこから立ち直った経験者であればこその、貴重なお話でした。
<写真ACより>
その中で、「子どもや若者の問題行動のことを、私は"SOS行動”と呼んでいます」というお話がありました。私は、なるほどと思いました。
リストカット、不登校、家出、家庭内暴力……私たちはそれらを、「問題行動」とか「不適応行動」などと呼んでいます。
親はとまどい、苦悩します。そんな子どもに対していら立ちを覚えたり、そんな子どもに育てた自分を責めたりします。そして、問題行動をやめさせることにやっきになります。
また、その問題行動がくりかえされると、「また、かまってちゃんが始まった」とか「親を、試そうとしている」と感じ、突き放してしまうこともあります。
こういった対応は、問題行動をエスカレートさせたり、子どもを絶望に追い込んだりします。
幸せを感じている子は、問題行動は起こしません。
問題行動を起こす子は、苦しんでいます。
この苦しみを分かってほしい!
誰か、ここから救い出してほしい!
――子どもたちの問題行動は、そんな心の叫びです。
そこで私も、これからは、「問題行動」ではなく、「SOS行動」という言葉を使わせてもらおうと思います。
目の前の我が子を、「問題を起こしている子」ではなく、「SOSを発信している子」と見ることができれば、より適切な対応につなげていくことができると思うからです。(完)
↑岡田沙織さんの本です。さっそく読んでみました。
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