広島市内のこども園で、子育て通信「えがおがいっぱい」を発信しています。その第8号(2020年11月号)です。
うちの子はちょっとした失敗で落ち込みます。失敗することを怖がって、消極的な子になるのではと心配です。
おとなでも子どもでも、失敗するのはイヤなものです。でも、失敗してやる気をなくしたり、苦手意識を持ったり、失敗を怖がって消極的になってほしくはないものです。
ではなぜ人は失敗を怖がるのでしょうか。実は失敗が怖いのは、「うまくいかないから」ではありません。それによって"誰か"から「責められる」のが怖いのです。
ということは、失敗を叱らなければいいということになります。
お子さんが歩けるようになるまで、何度ころんだでしょうか。ころんだからといって「ダメ!」と叱ったりはしませんでしたよね。
「失敗は成功のもと」「世の中に失敗はない。学びがあるだけ」などのことわざがあります。それなのに失敗を叱ると、「失敗はしてはいけないもの」と誤解します。
失敗が恐くなり、おどおどした子になります。「失敗はダメ」と誤解しているので、ちょっとした失敗で落ち込みます。打たれ弱い子になります。
親が先回りをして、失敗を経験させないようにしていると、これもまた打たれ弱い子になります。
すべての子に、得意・不得意があります。他の子と同じようにできないからといって、焦る必要はありません。
「失敗する自分、失敗する友達はダメな子ではない」ということが分かっていれば、積極的でやさしい子になります。
「失敗を叱らない」「親が先回りをしない」ということは、失敗を温かく見守るということです。
失敗しそうなら「おっ、挑戦しているな」、失敗したら「いい経験をしてるな」という感じです。そして、うまくできた時は「認める声掛け」( 子育通信03 )をしてあげてください。
親が手を出すのは、ケガをするなどの重大な結果を防ぐ時だけでと考えるといいでしょう。
親が見守っていても、友達に失敗したことを言われて傷つくことがあります。その場合でも、親が「失敗してもいいんだよ」という態度を見せることが、子どもの心を元気に保つ助けになります。
子どもが自分で色々試している時は、やり方を教える必要はありません。でも、「どうしたらいい?」と聞いてきたり、困っている様子の時は、「こうしてみたらどう?」と教えてあげてください。
また、園で忘れ物をした場合などは、「どうしたらいいと思う?」と、忘れ物を防ぐ方法を一緒に考えるといいでしょう。
(「子育て通信08」完)
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