病院へ到着すると
病室に直行・・・「あれ?」
病室が変わってる。
木曜日に義弟のよしおさんたちを引き合わせた時とは
違う病室に移されていたのだ。
としお氏に聞くと
前日他の親戚に見舞いに来てもらった時には
既に部屋が変わっていたという。
8日に入院してからまだ20日。
その間それまでも1回部屋を変わっているから
合計で3回『引っ越し』をしていることになる。
最初の頃はまだ自力で動けていたから
↑この頃ね
ナースステーションと目と鼻の先
すぐ目につく部屋に入っていたけど
動けなくなると次第に遠く離れた場所に
移されていった格好だ。
今度の部屋は
一番突き当たりの部屋。
一番廊下側のベッドで
じいちゃんは寝ていた。
暗いベッド周りでバイタルを計測するモニターだけが
明るく浮かび上がっており
見ると
看護師さんから電話で伝えられていた通り
血圧の表示は『-/-』と既に表示不能。
心拍数は30~40辺りを行ったり来たりしている状態。
ギリギリ間に合ったか。
声を掛けるが
反応はなかった。
こういう場合どうしたらいいんだろう?
いざとなると人間分からなくなるもんだ。
いや、
もっと分かんなくなってる人がここにもう一人。
以前
こういう場合
ベテランの看護師さんは
あえて患者さんの手を握るようにする
という話を読んだことがある。
臨終の場面に慣れていない家族は
「え?握っちゃっていいんだ」と
そこでやっとハタと我に帰るらしい。
残念ながらその場には看護師さんが居なかったので
全然近づこうとしないとしお氏に代わって
ワタシがじいちゃんの手を握ることに。
とかなんとか。
何をどう声かけしたらいいかも分からんけど
色々話しかけてみた。
到着してから30分も経たなかったと思う。
モニターの心拍数はみるみる下がっていき
波の形はツーっと一直線になった。
前にも書いたが→■
不思議だったのは
心臓が完全に止まった後
『すう』と確かな音を立てて
じいちゃんが大きく息を吸ったこと。
そのままその息は吐かれることはなかったけど
最後にじいちゃん何か言いたかったのかね。
かな?
いや、それとも
かな?
生理的な現象だとは思うけどさ。
残された者は勝手に想像する。
としお氏も
手を握ってあげれば良かったのに。
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