葬儀の前に執り行われる儀礼的なものの作法は
それぞれの式場でずいぶん違うんだと思う。
もっとも葬儀は参列側になることは何度かあっても
喪主側になったのは今まで実家の父の時しかない。
だからその時→■との違いしか分からんのだが。
亡くなった翌日の
昼過ぎから始まった納棺の準備。
20畳以上ある控室に安置されたじいちゃんの周りに
白黒の大きなパーテーションが立てられて
おそらく湯かんを行っているのだろう。
ワタシたちには何も見えない。
しばらく待っていると
パーテーションが外されて
「もしよろしければ頭を洗って差し上げて下さい」と
納棺師さん。
実家の父の時のように
逆手でお湯を掛けるような
儀式的なことはなかったけれど
気持ちよさそうに
まるでデイサービスの入浴介助を受けてるかのような
じいちゃんの頭を
としお氏、一郎、ワタシと順番に洗わせてもらった。
じいちゃんの頭を洗うこともこれが最後なのだ。
これはこれでアリかも知れない。
病院を出て式場に運ばれた時
じいちゃんの口は開いたままで
それがとても気になっていた。
しかしその時には真一文字にキリっと閉められ
髭もきれいにそられていて
元気でおしゃれさんだったじいちゃんを
彷彿とさせるお顔になっているではないか。
打ち合わせで聞かれたことは
こういったところに反映されるんだな。
身支度を整えるまで約1時間。
最期は納棺師さんの先導のもと
みんなで布団ごとお棺にじいちゃんを納める。
シートを身体の上に敷いて
胸、お腹、足の付け根辺りにレンガ大のドライアイスを載せ
納棺師さんが鮮やかな手つきで掛け布団を掛けると
納棺の儀は終了。
その時にお棺に入れたいものがあったら
入れることが出来る。
(ただし、入れられるものには
燃えるものなど制約があります。)
おそらくじいちゃんが持っていきたいだろう
スズキの魚拓(じいちゃんが釣った)と
勤続45年の表彰状。
としお氏が準備して胸元に収めたよ。
棺のふたをして
小窓は開けておきます。
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