隔離病棟を出て
カシマ病院に戻ったお陰で
何とか面会は自由に出来るようになった。
ばあちゃんの姪(つまりとしお氏のいとこ)→■
あっちゃんかっちゃん(あっちゃん姉)にも
引き合わせることが出来るようになったのだ。
じいちゃんの葬儀や四十九日の時にも
何かとお世話になったあっちゃん。
じいちゃんの親族は全て遠隔地に居るから
葬儀以外は
ほとんどばあちゃん側の親族とのやり取りだった。
じいちゃんの今わの際に引き合わせることが出来たのも
義弟のよしおさん夫婦以外
実はばあちゃんの親族のみだった。
じいちゃんの兄弟はほとんど鬼籍に入り
一人残った弟さんも
すぐに駆けつけるというわけにはいかない身。
じいちゃん自身の甥姪も
皆さん遠方に住んでいるため簡単に「来てくれ」とは
言えなかったのだ。
幸いばあちゃんは地場の人だから
親族は割と近いところにいる。
しかし
懐かしい人が見舞ってくれたとしても
それが誰だか分かったかどうなのか?
あっちゃんは家が近かったこともあって
ばあちゃんも特別頼りにしていた存在だったけど・・・。
ほぼ無反応になっちゃったばあちゃんから
会えた喜びをうかがい知ることは難しい。
意識はやや混濁しながらも
何とか受け答えが出来ていたじいちゃんは
会わせてあげられて良かったと思えた。
日々の面会においても
やるせないと思うのはこちらの勝手か。
時間のない空間を
ばあちゃんは今もさまよっている。
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