海賊亡霊あらわる episode.5(1988)
4からの続きです。
1988年3.4 長崎国際体育館における、
海賊男ビリー・ガスパーとの初対決は、
不完全燃焼の末、アントニオ猪木の反則勝ちに終わりました。
その後もガスパーズはますます勢いに乗り、
同じく猪木の首を狙う者がいれば、
邪魔者とばかり無差別殺戮の構えを見せます。
3.11 愛知県体育館では、
ポスト猪木の最右翼、長州力とタッグで初対決。
ガリー・ガスパーがサソリ固めで捕えられてしまいますが、
ビリーは慌てることもなく、
約1ヵ月ぶりの白い粉を撒きました。
さらに返す刀でマサ斎藤の額を割り、
大流血に追い込む残虐ぶり。
この暴挙には長州もキレずにはいられません。
長身のガリーを組み伏せると、
力の限りにマスクを引き裂きにかかります。
これにはガリーも大慌て!!
ほぼ顔が露出してしまっています!!
例えこんな目に遭わされたとしても、
海賊男はそれを逆手に取っていきます。
1988年3.4 長崎国際体育館における、
海賊男ビリー・ガスパーとの初対決は、
不完全燃焼の末、アントニオ猪木の反則勝ちに終わりました。
その後もガスパーズはますます勢いに乗り、
同じく猪木の首を狙う者がいれば、
邪魔者とばかり無差別殺戮の構えを見せます。
3.11 愛知県体育館では、
ポスト猪木の最右翼、長州力とタッグで初対決。
ガリー・ガスパーがサソリ固めで捕えられてしまいますが、
ビリーは慌てることもなく、
約1ヵ月ぶりの白い粉を撒きました。
さらに返す刀でマサ斎藤の額を割り、
大流血に追い込む残虐ぶり。
この暴挙には長州もキレずにはいられません。
長身のガリーを組み伏せると、
力の限りにマスクを引き裂きにかかります。
これにはガリーも大慌て!!
ほぼ顔が露出してしまっています!!
例えこんな目に遭わされたとしても、
海賊男はそれを逆手に取っていきます。
それはマスクのリニューアルでした。
しかも全く海賊のイメージとかけ離れたデザインから、
アイスホッケーマスクをアレンジした正調型へのチェンジです。
3.14 磐田市体育館での、
アントニオ猪木、ディック・マードックvs海賊ガスパーズにおいては、
長州に続き猪木もガリーのマスク剥ぎを狙いますが、
ビリーはイス攻撃でそれを阻止。
さらにイスの上でのパイルドライバーで、
猪木に大きなダメージを負わせました。
一年間にわたる海賊男との因縁に決着をつけるべく、
猪木はシリーズ最終戦においてのシングル再戦を決意しました。
それは長い歴史のレギュラー放送における、
プロレス中継のゴールデンタイム“最終回”という重要な舞台。
尚且つ古舘伊知郎アナからバトンタッチして、
実況を務めてきた保坂正紀アナ最後の実況というシチュエーション。
あぁ、思えば古舘アナも最後の実況は海賊男の乱入(参照:2)でした…。
とにかく1987年3.19 後楽園ホール
アントニオ猪木vsビリー・ガスパーを振り返りましょう。
先に入場した猪木は、
リング下で徘徊するガリーに対し、
下がる様に一喝します。
同時にホール内から帰れコールが自然発生すると、
ビリーは思わずコーナーポストで戸惑いのジェスチャー。
試合が始まればビリーはまず、
猪木の左腕を極めにいきます。
さらには左足を取っての足殺しから、
ステップオーバーして逆片エビ固め。
立ち上がりのじっくりとした攻めは、
ビリーの正体が本格派であることの表われでしょう。
続けて足首を捻りに来たところで、
猪木は下から蹴りを放って脱出!
一気に駆け寄るとアリキックの連射で、
弱点と言われる下半身への集中攻撃。
しかしダメージが蓄積される前に、
ビリーは顔面かきむしりから、
エルボースタンプで局面を変えます。
このビリー・ガスパーというレスラー、
本当に肘の使い方が絶妙なんですよね。
さらには長身を生かして、
女子プロ風のブレーンバスターで猪木をマットに叩きつけます。
ここは解説の山本小鉄さん曰く、
小鉄
「ボディスラムと合いの子ですね」。
なおも仰向けに倒れた猪木の喉元めがけ、
得意の鋭角的なエルボーを投下します。
今度は肩口まで抱え上げると、
真上にホイップしてトップロープに喉元を打ちつけます。
ラフ、パワー、テクニック…ビリーのポテンシャルは凄いですね。
一旦、猪木は場外へエスケープしますが、
ガリーの存在に気付いてすぐにリングへ戻ります。
待ち構えていたビリーは、
ロープに振ってのショルダースルー。
これを猪木は蹴り上げて回避し、
起死回生のドロップキックをヒット!
不意に食らったビリーは、
勢い余って後方のコーナーポストに顔面痛打。
ダブルで顔面を強打し、
ビリーの動きが一気に止まると、
猪木は一度カバーに入りますがカウントは2。
マスクを掴んで大見得を切ってから、
ヘッドバットを2発、
さらに正面から顔面へのストンピング!
これにはビリーもたまらず場外転落。
心配で駆け付けたガリーに対し、
ビリーは猛然とファイティングポーズ。
頭部への打撃によるダメージから、
判断能力が低下している模様です。
リングに戻ったビリーはボクシングスタイルでの挑発から、
ロープ際で猪木を倒してニースタンプの連打。
さらにチキンウィングフェイスロックまで見せますが、
これはすぐに切り返した猪木!
このシーンも珍しいですねぇ。
猪木の羽根折り顔面締め…山田邦子さんに仕掛けて以来か?
これは互いに決定打とはならず、
今度は手四つの攻防に入ります。
ここは当然、ビリーが押し込みますが、
猪木も左手を切ると瞬時に一本背負い。
何度も書いてきましたが、
猪木の柔道技、実にきれいなんですよね。
さらにビリーのシャツ、
片襟を掴むとエルボーバットからナックルアロー!
ビリーも体を入れ替えて殴り返しにいくと、
猪木はその勢いを利してショルダースルー。
するとビリーはレフェリーをも巻き込んで場外転落です。
「また不透明決着か…」と嫌な予感がする中で、
何とセコンドのガリーが猪木の背後から乱入!
ところが猪木は冷静にバックエルボーで反応。
ロープに振ってショルダースルーで投げ落としてから、
“紫電一閃”延髄斬り!! ちょっと当たりは浅いか??
そしてカバーに入ると、
丁度いいタイミングで戻ってきたレフェリーもカウント3つ!
『え? え?? えぇぇ???』と、なぜの嵐が渦巻く中で、
今度こそ猪木はマスク剥ぎに乗り出しますが、
ゴングを手にリングへ戻ってきたビリーが、
それを阻止すべく一撃!
二人がかりのストンピングで猪木を痛めつける背後から、
この夜もディック・マードックがリングイン。
猪木を救出すべく海賊二人にイスを叩きつけると、
疾風の如くビリーとガリーは退散。
怒りの収まらない猪木が、
通路を駆け抜けて追っていくと、
ガスパーズは何と置いてあった消火器を噴射!!
たちまちバックステージは白い煙に包まれて、
視界ゼロのホワイトアウト!!
悔しそうにリングへ戻ってきた猪木でしたが、
そこに待っていたのはマードックただ一人。
恐らく日本勢は海賊男に絡みたくなかったんでしょうね。
ほとんどが疫病神ぐらいにしか見ていなかったと思います。
いずれにせよ、この試合を以って夜8時の『ワールドプロレスリング』は終焉。
でも…これで決着とするには納得がいかない。
もう既に猪木と海賊男との、
完全決着を求める私がいました。
…ということで、6へ続きます。
しかも全く海賊のイメージとかけ離れたデザインから、
アイスホッケーマスクをアレンジした正調型へのチェンジです。
3.14 磐田市体育館での、
アントニオ猪木、ディック・マードックvs海賊ガスパーズにおいては、
長州に続き猪木もガリーのマスク剥ぎを狙いますが、
ビリーはイス攻撃でそれを阻止。
さらにイスの上でのパイルドライバーで、
猪木に大きなダメージを負わせました。
一年間にわたる海賊男との因縁に決着をつけるべく、
猪木はシリーズ最終戦においてのシングル再戦を決意しました。
それは長い歴史のレギュラー放送における、
プロレス中継のゴールデンタイム“最終回”という重要な舞台。
尚且つ古舘伊知郎アナからバトンタッチして、
実況を務めてきた保坂正紀アナ最後の実況というシチュエーション。
あぁ、思えば古舘アナも最後の実況は海賊男の乱入(参照:2)でした…。
とにかく1987年3.19 後楽園ホール
アントニオ猪木vsビリー・ガスパーを振り返りましょう。
先に入場した猪木は、
リング下で徘徊するガリーに対し、
下がる様に一喝します。
同時にホール内から帰れコールが自然発生すると、
ビリーは思わずコーナーポストで戸惑いのジェスチャー。
試合が始まればビリーはまず、
猪木の左腕を極めにいきます。
さらには左足を取っての足殺しから、
ステップオーバーして逆片エビ固め。
立ち上がりのじっくりとした攻めは、
ビリーの正体が本格派であることの表われでしょう。
続けて足首を捻りに来たところで、
猪木は下から蹴りを放って脱出!
一気に駆け寄るとアリキックの連射で、
弱点と言われる下半身への集中攻撃。
しかしダメージが蓄積される前に、
ビリーは顔面かきむしりから、
エルボースタンプで局面を変えます。
このビリー・ガスパーというレスラー、
本当に肘の使い方が絶妙なんですよね。
さらには長身を生かして、
女子プロ風のブレーンバスターで猪木をマットに叩きつけます。
ここは解説の山本小鉄さん曰く、
小鉄
「ボディスラムと合いの子ですね」。
なおも仰向けに倒れた猪木の喉元めがけ、
得意の鋭角的なエルボーを投下します。
今度は肩口まで抱え上げると、
真上にホイップしてトップロープに喉元を打ちつけます。
ラフ、パワー、テクニック…ビリーのポテンシャルは凄いですね。
一旦、猪木は場外へエスケープしますが、
ガリーの存在に気付いてすぐにリングへ戻ります。
待ち構えていたビリーは、
ロープに振ってのショルダースルー。
これを猪木は蹴り上げて回避し、
起死回生のドロップキックをヒット!
不意に食らったビリーは、
勢い余って後方のコーナーポストに顔面痛打。
ダブルで顔面を強打し、
ビリーの動きが一気に止まると、
猪木は一度カバーに入りますがカウントは2。
マスクを掴んで大見得を切ってから、
ヘッドバットを2発、
さらに正面から顔面へのストンピング!
これにはビリーもたまらず場外転落。
心配で駆け付けたガリーに対し、
ビリーは猛然とファイティングポーズ。
頭部への打撃によるダメージから、
判断能力が低下している模様です。
リングに戻ったビリーはボクシングスタイルでの挑発から、
ロープ際で猪木を倒してニースタンプの連打。
さらにチキンウィングフェイスロックまで見せますが、
これはすぐに切り返した猪木!
このシーンも珍しいですねぇ。
猪木の羽根折り顔面締め…山田邦子さんに仕掛けて以来か?
これは互いに決定打とはならず、
今度は手四つの攻防に入ります。
ここは当然、ビリーが押し込みますが、
猪木も左手を切ると瞬時に一本背負い。
何度も書いてきましたが、
猪木の柔道技、実にきれいなんですよね。
さらにビリーのシャツ、
片襟を掴むとエルボーバットからナックルアロー!
ビリーも体を入れ替えて殴り返しにいくと、
猪木はその勢いを利してショルダースルー。
するとビリーはレフェリーをも巻き込んで場外転落です。
「また不透明決着か…」と嫌な予感がする中で、
何とセコンドのガリーが猪木の背後から乱入!
ところが猪木は冷静にバックエルボーで反応。
ロープに振ってショルダースルーで投げ落としてから、
“紫電一閃”延髄斬り!! ちょっと当たりは浅いか??
そしてカバーに入ると、
丁度いいタイミングで戻ってきたレフェリーもカウント3つ!
『え? え?? えぇぇ???』と、なぜの嵐が渦巻く中で、
今度こそ猪木はマスク剥ぎに乗り出しますが、
ゴングを手にリングへ戻ってきたビリーが、
それを阻止すべく一撃!
二人がかりのストンピングで猪木を痛めつける背後から、
この夜もディック・マードックがリングイン。
猪木を救出すべく海賊二人にイスを叩きつけると、
疾風の如くビリーとガリーは退散。
怒りの収まらない猪木が、
通路を駆け抜けて追っていくと、
ガスパーズは何と置いてあった消火器を噴射!!
たちまちバックステージは白い煙に包まれて、
視界ゼロのホワイトアウト!!
悔しそうにリングへ戻ってきた猪木でしたが、
そこに待っていたのはマードックただ一人。
恐らく日本勢は海賊男に絡みたくなかったんでしょうね。
ほとんどが疫病神ぐらいにしか見ていなかったと思います。
いずれにせよ、この試合を以って夜8時の『ワールドプロレスリング』は終焉。
でも…これで決着とするには納得がいかない。
もう既に猪木と海賊男との、
完全決着を求める私がいました。
…ということで、6へ続きます。
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コメント心よりお待ちしてます!
No title
いつの間にか、このシリーズの虜になっております。。
次回楽しみです!
次回楽しみです!
>平田さん
いつの間にか、このシリーズの虜<ありがたいです! まだまだ続きますよ~。
ただ海賊ゆえに不定期で神出鬼没なのをお許し下さい(笑)。
ただ海賊ゆえに不定期で神出鬼没なのをお許し下さい(笑)。