陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作には、うっかり子や孫ができることがある

2020-01-24 | 二次創作論・オタクの位相

他人の二次創作の設定、もしくはそこに出てきたオリキャラなどを活かして、第三者がさらに派生作品を生むことを、三次創作、四次創作と呼ぶそうです。私の好きなジャンルではあまり見かけなかったのですが、原作物と二次創作の縦の構造に、さらに下請けがあるというか、むしろ二次創作者どうしの懇親会の産物という感じですね。

ある二次創作小説サイトの運営者が、自作に登場するロボットのデザイン画をアマチュア絵師に任せて、その絵を小説の挿絵とさせたケースを見かけたことがあります。同人誌でも、小説書きと作画担当がペアで組んで一冊刊行している場合もあるかしれませんね。この場合は、共同作業を楽しんでいるわけです。

字書きのなかには、自作の二次創作小説の挿絵を描いていただけたらいい、と思うひともいるでしょう。たとえばネット上で見かけた既製の絵師さんの絵が欲しいとか。

しかし、他人の作品を気軽に自サイトへ持ってくることは、管理に注意しなければいけません。だって、労作を預かっているだけですから、かってに消去も移動もできない。先述したロボット画のある二次小説は閉鎖されてしまいその後どうなったのか分からないのですが。読者から見て、その小説にその絵はそぐわない、と思ってしまうこともあります。あくまでも、創作者の交友関係の問題ですから。しかしながら、ツイッターやピクシブでは、いいねやリツイートなどで他者の作品を自分の根城に囲いこむことは可能なので、かつてのサイトやブログほど、気を遣う必要はなくなったのかもしれません。

あなたの二次小説のイラストを描きました、と連絡があって、サイトに飾っている創作者もいます。たぶん、同人活動していて、絵の好みをあまりとやかく言わなくて、かなり人間関係に寛容な方ではないでしょうか。

二次創作の小説に対してのイラストはあるが、では、その逆は?
たとえば、ある絵師さんが描いた一枚をヒントにして、そこから物語をつくる。クリエイティヴィティとは創作による創作力のことだから、ありえない話ではないですね。そもそも、自分で絵も文章も書けるならいいのですけどね。

なお、私は原作画をよく加工してブログ内の記事に添付しておりますが、これは著作権上かなりグレーです。引用の範囲として、レビューに載せるならともかく。
ただ原作物のキャラ絵を載せないと、二次創作のキャラクターがそのものに思われにくいという理由だけです。その原作の絵柄を頭に置いて描写しないと、二次小説がまるきり書けないからです。しかし、書いた物語はその原作の持ち味からかなり離れてしまい、とてもがっかりします。

いまのは絵と小説の話ですが。
小説の場合、誰かの二次小説を下敷きに、三次、さらには四次小説がつくられることもあります。たとえば、二次の設定がかなりオリジナルに近いとか、二次のオリキャラを主人公にして別作をつくるとか。昔で言えば、連歌みたいな共同作業なのだけど、縛りはない感じですね。〇〇さんの二次創作をもとにつくりました、と触れこんでおけば、双方の二次創作、ひいては原作物じたいの宣伝効果もあるので、よいのかもしれません。かってに名前を出されたり、設定やオリキャラを流用されたりするのが苦手な(というか恥ずかしい)二次創作者もいるのかもしれませんが…。

ともあれ。
他人の絵が小説に、あるいはその逆に、ともに与えあう相乗効果は、二次創作界隈でもありうるのかもしれませんね。


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。




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