陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「チャーリーとチョコレート工場」

2020-02-15 | 映画──ファンタジー・コメディ

バレンタインデーに観たくなる作品ときたら、ラブロマンスがいいのだろうけれど、あえてここはチョコ繋がりで、2005年作の映画「チャーリーとチョコレート工場」をおススメします。
ハリポタシリーズみたいに、子ども向けのファンジーかと侮っていましたが、これがすばらしい! とくにお父さんお母さんにはぜひとも観てほしい逸品ですね。(私が薦めるまでもなく知られているでしょうけれど)
以下、微妙にネタバレあり。

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おすすめ平均
starsロアルド・ダールの有名な小説の映画化だからこれぐらい映像がはじけなきゃ。
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チャーリーはとりたてて才能はないけれど、純粋で家族思いな男の子。
老いた祖父母四人と、両親との七人暮らし。歯磨き工場に勤めている父の稼ぎは少なく、一家は慎ましい暮らしをしていますが、思いやりにあふれたあたたかい家庭です。

ある日、世界的に大人気のお菓子工場の経営者ウィンリー・ウォンカが五人の子どもを工場に招待すると宣言。五人のなかでひとりだけが特別なご褒美をプレゼントしてくれるというお話。世界各地の子どもたちは、先を争ってチョコを買いあさり、招待券の金のチケットを手にしようとします。

かつて工場に雇われていた祖父のジョージの夢を託されたチャーリーは、ウォンカに憧れをいだき、ぜひとも会いたいと願います。しかし、貧しい生活ではチョコレートを余分に買うお金なんてありません。父が誕生日に贈ってくれたチョコも、そして祖父のへそくりで買い求めたチョコもハズレばかり。ひとり、ふたりと幸運な子どもたちが招待券を手にしていく。そして最後のチケット発見の報が届いた頃、思わぬ幸運が彼にも転がり込んできます。

付き添いの祖父とともに工場に招待されたチャーリー。ほか四名の子どもたちは、お金持ちゆえに我がままだったり、天才肌だけど生意気だったり、食い意地がひじょうにはっていたり、勝ちにこだわって傲慢だったりと、それぞれ鼻持ちならない親子連れ。
マジシャンみたいないでたちで登場した謎めいた男ウォンカに案内されて、場内廻りをする一行。ですが、つぎつぎに不幸な災難に見舞われてしまいます。

結果としてはチャーリーが勝つだろうことは予測できますが、ウォンカが与えたご褒美をチャーリーはなんと拒んでしまいます。でもそこで終わらずに、ウォンカ氏が抱えていた長年のわだかまりが融けていく結末には、ほろりとさせられますね。
オープニングの映像がいかにもつくりこんだCGなので、アニメーション映画かと勘違いしてしまうのですが、出演者の演技力によるところ大きい作品。ジョニー・デップはもちろんですが、ガムを噛んでる女の子とその母、そしてゲーム好きの少年のインパクトがかなりありました。しかし、いちばん印象に残ったのは、ウンパ・ルンパを演じたあのおじさん。カラフルなスーツを着てのあのダンス…(笑)

スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」や、アルフレッド・ヒッチコックの「サイコ」のパロディがあったのには、思わずにやりとさせられます。他にも模倣したシーンがあったかも。

最後もよかったのですが、いちばん感動を覚えたシーンは、チケットを手にしたのにためらうチャーリーを励まそうとした、もうひとりの祖父。家族を救うために辞退しようとするチャーリーの優しさと、お金で買えないものの価値を教えた家族の愛情がよくわかるシーンです。
貧困と日本のご家庭はもちろん、仕事ひとすじの企業人パパにも観てほしい作品ですね。アメリカ・日本のみならず、先進国の旗が集まったシーンがありますが、経済が発展しても家族のつながりが希薄になっていく国にむけてのメッセージだったのでしょう。

出演はチャーリー少年に、フレディ・ハイモア。ウォンカ役のジョニー・デップとは「ネバーランド」で共演し、その推薦をうけての主演。「シザーハンズ」「シークレット・ウインドウ」と観ていますが、彼の出演作はたいがい見応えを感じています。

監督は「バットマン」「ビッグ・フィッシュ」「シザーハンズ」のティム・バートン。
原作は児童文学作家ロアルド・ダールのベストセラー小説『チョコレート工場の秘密』。1971年に「夢のチョコレート工場」(メル・スチュワート監督)というタイトルですでに映画化されたようですね。

ところで、チョコレートでできているという工場内の庭園、リアリティを出すために本ものだったそうです(驚愕)が、臭いがすごかったでしょうね。私も美術館でチョコレート製の彫像を鑑賞したことがありますが、古いバターのような臭いがしてあまり近づきたくはなかったですから(「お箸の国のチョコレート─食罪の嵐にきっと勝つために─」参照)。お菓子工場でアルバイトしたことある人の話によれば、ケーキや飴をしばらく口にできなくなったとかなんとか。ともあれ、チョコレートはおやつとしても、保存食としてもすぐれているので、私は大好きです。

(初視聴は2009年12月2日)

チャーリーとチョコレート工場(2005) - goo 映画

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