2019年08月13日

使い勝手と優れたデザイン

日本には料理をするときに便利な「菜箸」というのがありますね。
普通に食事で使う箸よりずっと長めなのが特徴といえば特徴でしょうか。
熱い鍋の中のものをつまんだり、揚げ物を扱うときなどとても便利です。
デザインという面では、工夫も何も箸そのもので変えようがないからか、
プロの料理人が使うものはとてもシンプルだったと記憶しています。
家庭用は上のほうに色味を足したり多少色気を付けたものもありますが、それがせいぜい。

で、この箸文化のない西洋、まあ私が話題にするのはフランスですが、
当然「菜箸」などという便利、とは日本育ちだからですが、なものがありません。
野菜を湯がいたり、スパゲティーの茹で具合いを確かめるのに一本つまんだり。
とは故フランス人の家庭料理はおおざっぱなので、菜箸がなくても困りません。
一度火にかけたらその後細かく気を使う必要はほとんどないし、
野菜の煮崩れを防ぐには切るときに面取りをしたり、時間差で野菜を入れて煮込みます。
オーブン料理もしかり。
一度オーブンに入れたら、煮汁を焼いているものに定期的にかけることはあっても、
小まめに中のものをつまんで動かす必要はないからです。

ただ肉をソテーするときは、その肉をひっくり返す道具が必要になります。
これは菜箸だと大きくて重過ぎてうまくいきません。
そこで、すでに日本語になっている「トングtongs」という道具が活躍します。
例えばアイストングとか、ものを挟む道具です。
フランス語にはこの道具を一口で表す言葉がありません。
「はさむ道具」という単語パンスpince、この語はペンチ、ピンセット、くぎ抜き、
さらに海老やカニのハサミをもさします、にア・キュイジヌa cuisineと続けて、
ようやくこの料理用のトングになるようです。
日常的にはキッチンでただパンスと言えば、トングのことだとみな理解します。
これは夏のBBQ、ステーキやソーセージをフライパンで焼くときには必携の道具です。

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ところが我が家にあったのは、両親の家のお古かオリヴィエの一番上の兄さんからもらったか、
残念なことに大きくて無骨なものだったので、私は使っていませんでした。
先にも書きましたが、牛のステーキや豚肉のコートレット、ソーセージを焼くとき、
日本の菜箸でひっくり返すのは少々無理があり、フォークを使ったりしていました。

それが3年前ぐらいになるでしょうか。
渋谷のBunkamura内、1Fにある小さな雑貨店、いろいろ変わった面白いものを置いていて、
何気なく覗いたときに見つけたのが、この日本製のトング。
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大き過ぎず、小さすぎず、汁があるものをつかんでもそれがちゃんと切れる工夫がされ、
デザイン的にもスマートなうえに丈夫。材質はステンレスでした。
「EAトCO Hasam(トング)」という商標で、箱には日本語、英語、フランス語の説明付き。
輸出もされているのでしょう、フランスでもどこかで見つけられたのかもしれませんが、
とにかくこれが気に入り即購入し、今は便利に使っています。

使い勝手が良いうえに、スマートなデザインで、とても気に入っています。
今まで菜箸を上手に使うことに優越感があり、ただ「挟む」だけには抵抗があった?
そう、あまりに簡単でいいのかという気分だったかもしれません。
でもこれを手に入れてからは、そんな馬鹿なこだわりは全く消え去り、
スマートで使い勝手の良いものに魅了されています。

ちなみに製造元は(株)ヨシカワ 〒959−0308 新潟県西蒲原郡弥彦村大戸635−3
                電話 (0256)91−2222
ホームページは記載されていませんでした。   


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yachiyo_s at 13:00│Comments(0)clip!フランスの食と食材 

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