ビクターマークの原画は、1889年にイギリスの画家フランシス・バラウドに
よって画かれました。フランシスの兄マーク・H・バラウドは「ニッパー」と
呼ぶ非常に賢いフォックス・テリアをかわいがっていましたが、彼が世を
去ったため、彼の息子とともにニッパーをひきとりフランシスが育てました。
たまたま家にあった蓄音器で、かつて吹き込まれていた兄の声を聞かせ
たところ、ニッパーはラッパの前でけげんそうに耳を傾けて、なつかしい
主人の声に聞き入っているようでした。そのニッパーの姿に心を打たれた
フランシスは早速筆をとって一枚の絵を描き上げました。その時の蓄音器
は録音・再生ができるシリンダー式でしたが、その後円盤式に画き変えら
れました。そして、「His Master's Voice」とタイトルをつけたのです。
亡き主人の声を懐かしそうに聞いているニッパーの可憐な姿は、円盤式
蓄音器の発明者ベルリナーを感動させ、彼はこの名画をそのまま商標と
して1900年に登録しました。
それ以来この由緒あるマークはビクター商品に美しく記され、最高の技術
と品質の象徴としてみなさまから深く信頼され、愛されています。
イギリス版の【忠犬ハチ公】がこの
ニッパーではありませんか!
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