はい、もーいっこ。
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梅原デザイン事務所 梅原 真 様
いつも有り難うございます。
先月初めに京都に出張がありました。紅葉の季節ということもあり、かつまた関西方面の出張は滅多にないことから、ついでにこれまで余り行ったことのない中国地方の日本海側を紅葉狩りがてらぶらぶらしてくることにしました。
京都での仕事も大した内容ではなかったので本当は行きたくなかったのですが、たまたま半年前に高校の同級生が4人ほど京都に居ることが判明したので同窓会を主目的に決行することにしました。
実に28年ぶりに会った彼らの外見がそれほど変わってなかったことに驚きました。ここのメンバーはみんな頭もツルッとしておらず髪の色も黒々としていて変わらないね、なんて言ったら実はほとんどが白髪染めをしているとのこと。現代人は外見の経年変化を嫌うようです。
それは取りも直さず内的変化と対称性を保とうとしているのかも知れません。こんなことをたった二時間だけ話をした28年ぶりの同級生らに当てはめる訳ではないですが、これまで見てきた大人たちを見渡す限りで言えば、20歳くらいからの心の成熟度において多くの現代人はほとんど成長していないように見えるのです。
その心の成熟とは何かといえば、発達心理学によると大きく二つ、感情のコントロールと非依存性ということになります。はじめの感情のコントロールができない大人がどんなに多いことか。むしろきちんとコントロールできている大人に私は会ったことがないと言えるほどです。
次の非依存性というのはもっと難儀なテーマで、家族や会社、仕事や友達、或いは資本主義や経済、などある集団に所属している安心感を求めるということ。
この二点だけでも現代人にとって極めて困難な精神的課題で、こういう精神面の成長について己を振り返る経験すらほとんどない状況が一般的だと思います。
更にステップアップするとエゴの克服ということになるのですが、いかに利他主義的な表面を装ってたとしても真の意味でのエゴの克服は現代人にはとても望めるようなレベルではありません。
と、まぁ我を顧みず話しましたが、私はといえば18歳の時点で自己の内面的な成長をテーマに持っており、故に己を知るために生物を学び遺伝子を学び、心理学を学び、挙句は心と宇宙は切り離して考えるべきではないのでは、と考え宇宙物理にまで手を延ばし、更に心理学の基本は家庭にあり、ということで家族心理学をツールに己や身近な人たちを観察しつつここに至っているという次第です。
21世紀は心の時代になると、かつでどこかで聞いた覚えがありますが、物質的、経済的な時代が煮詰まりつつある現在、そしてAIの時代がやってくる近未来こそ人間が人間として己の心に今一度注目するに違いありません。
約30年ぶりに会った高校の同級生ら、彼らはかつて優等生と呼ばれた存在でしたが、だからこそなんとなく生き方に閉塞感を持っているように思えたのです。