ご機嫌いかがかしら?
斜め一歩前の乙女、桜子でございます。
おじさんの名言っていろいろあるんだけど、そのひとつを今宵、お話したいと思う。
「俺のご先祖はタニシだ」
どこをどう突っ込んだらいいのか分からないでしょ?
こんな名言をおじさんが生産したのは、結婚して2年のころだった。
私が若すぎたっていうのもあるだろうけど、嫁をもらうと言うことは言い方を変えれば、タダで使える使用人をゲットしたという古い考え方があるような義父だったんだよね。
嫁たるものは~とか、子供を産めとか、将来は同居とか、言いたくなる気持ちは分からんでもない。
あと初対面でガツンとつぶして、主導権を奪い、絶対に逆らわない上下関係を構築したいという気持ちも分からんでもない。
でもこういう手法を用いるには完全に相手が弱者である場合しか有効じゃないし、嫌われて絶縁ってことになると本当に助けてほしい時に見捨てられると言うリスクがあるから、すべきではない。
現に義弟夫婦たちは義父と絶縁しているらしくて、義祖母の葬式以来見てないw
とはいえ、当時の私は戦う牙も爪もないウサギちゃんみたいな存在だから、狩られる側の弱者。
こんな弱者にできるのは、予防線を何本か張る程度。
ただ普通のウサギちゃんじゃないところは、すごいネガティブだからやられた前提で考えている。
おじさんに取り越し苦労な人だなとよく言われるほど。
だって突然のアクシデントに遭遇した時、賢い人ならば頭を切り替えてその場で判断できるんだろうけど、私はバカだからすぐに頭がまっしろになっちゃうから、ある程度は想定しておきたい。
当時の私はおじさんに不安に思っていることを伝え、嫁いびりされたら?どういう対処した方がいい?とできる限りの予防線を張った。
それでもおじさんの目の前で、嫁=タダで使える使用人みたいなことを言われる。
おじさんは目の前で嫁がそんな目にあっているのに気づかない。
こんな言い方をするとおじさんは嫁を守ろうとしない最低なヤツとなるけど、人って不思議なもので自分に優しい人は誰にでも優しい人だと思い込んでいるんだよね。
「あの人は良い人だよ」と紹介を受けたとして、実際に会ってみると微妙な感じってあるでしょ?
それと一緒。
おじさんの親はおじさんに対して良い人かも知れないけど、嫁に対して良い人かはまた別の話。
でもコレを理解させるのは難しいことだよ。
だって誰だって好きな人の事を全否定されると気分が悪くなるものだから、例え話やNGワードを設定して、相手に考えさせて認識させないとダメだからね。
例えば「嫁の癖にとか言うのはどう思う?良い事悪い事」という風に考えさせて認識させるという形。
まあ話し合っても「お前の事を思って」とかいう男は私の手には負えないから離婚一択だけど。
結論から言えば、おじさんは私側についてくれた。
それには義母の助言もあったことから、今ではそれなりに義父母と付き合っている。
言い方って難しいんだけど、義父が全て悪人かというとそうではなく、交渉して理解を得られるのは義父の方で、交渉しても理解してくれないことが多いのが義母なんだよね。
二者択一じゃないんだな。
問題の「先祖がタニシ」発言は、私のある問いから生まれた。
よく義父が「○○家は~」とか言うんだけど、ご先祖様は何か謂れがあるの?と聞いたところ、
「君のような先の戦争が応仁の乱みたいな家じゃないよ」
と。
「先の戦争が応仁の乱」という京都人の歴史の深さへの自負と皮肉をこめた冗談があるんだよね。
有名な番組で蛤御門の変とかいうものあったな(私は考えたこともないけどw)
理由は京都の市街地が戦火で荒廃したのは、第二次世界大戦ではないから。
それを引き合いに出して、おじさんは京都人の私を笑うんだよな。
まあ旅行に行って「関西の方ですか?」と聞かれたら「京都です」と答えたあたり、私も京都人という一種のプライドがあったのかもしれないな(今はないけどね)
「そして我が家は由緒正しい農民だ。
その上、俺はお爺さんの前、つまり4代前は知らない。
と言うことは、人間だったかも怪しいわけで…ひょっとすると…
あ、田んぼの中にいるタニシだ、タニシだよ!
きっと良いことをしたから人間になったんだよ!
ご先祖はタニシだよ!」
と、おじさんは大発見したようで騒いでいた。
まあ「○○家は~」とか言われても気にするなということだろうね。
おじさんという生き物は非常に面白い生き物である。
ここだけの話、ひとつだけ気になることがある。
人間に転生できるレベルの
タニシの善行って何だろうね?
非常に謎だわ。