中国語での打ち合わせ・商談は主導権(イニシアチブ)を取れる通訳・コーディネーターと組もう!

打ち合わせ・商談などで交渉を行う場合、自分たちに有利な方向に議論を持っていこうとするのであれば、主導権を取ることが必要になってきます。中国語での交渉もまたしかり。その際重要になってくるのは良い通訳・コーディネーターを確保できるかです。

日本語・中国語が両方理解できる通訳が主導権を握る

打ち合わせ・会議など、日本語・中国語が飛び交う会話や交渉の場では、日本語・中国語が両方理解できる通訳が主導権を取ることが多いです。全ての会話は通訳を通じないと成立しないわけですから当然のことです。

通訳は相手任せにせず、自分で連れていく

そういった主導権を取りやすい立場にいる通訳が交渉相手に有利に話を進めたらどうでしょうか?そう考えると例え交渉相手が通訳を用意していても、自分の通訳を連れていくべきです。言葉が通じない以上、 交渉相手が実際に会話をするのは通訳者の話になります。事実上、通訳者は話し手の分身なのです。 会話や交渉を優位に進めるためには、通訳者は自分の側においておくべきだと思います。

通訳の理解力&表現力、両方とも重要

まず意味も分からないまま右から左に翻訳はほぼ不可能と考えるべきです。もし通訳が自分の言いたい内容を理解していなければ、相手に伝わる内容はほぼゼロ、場合によっては誤訳でマイナスになると考えた方が良いと思います。

また通訳が内容を理解しても、中国語表現力がなければ、内容が相手に効果的に伝わりません。特に自社製品やサービスを売り込む側などの場合、通訳の表現力不足でその良さが伝わらないケースが多々見られます。非常に惜しいと思います。

通訳者の交渉力で大きく変わる交渉の行方

さらに通訳者の交渉力で交渉の流れは大きく変わります。交渉の駆け引きは、どんな内容をどう切り出すか、相手の提示にどう切り返すか、タイミングが重要です。この辺は通訳に任せるしかないのです。よく自分の交渉力に自信があり、通訳は右から左に訳せば良いと考える方がおられますが、それは大きな間違いです。

交渉を予測して、事前に準備

少しでも有利に事を運びたいなら、「こう言われたらこう話をしよう」と相手の言うことを予測し、 その対応をイメージし、必要に応じて資料も準備しておくことです。 こうすることで交渉時に余裕をもった対応が可能となるのです。

よって通訳の語学力チェックも兼ねて、事前に趣旨を説明し、交渉の進め方について議論する「作戦会議」を開いた方が良いと思います。

もちろん予測が外れ、考えてもいないことを切り出される場合もあります。そんなばあいでも心の余裕もありますし、ある程度予測・準備をしていれば、多少問題が変わっても応用が利きます。 何も考えていなかった場合と比べると良い対応ができるはずです。

何も準備していない状態で交渉に臨んでも、臨機応変な対応はできず、多かれ少なかれ混乱します。そういった姿を交渉相手に見せることは大きなハンデです。相手によっては、そこを集中的に責めてくるでしょう。

日本側の状況認識が甘いパターン

あと、よくあるのが日本側の状況認識が甘いパターンです。例えばこんな感じです。

  1. 相手側のリップサービスもあって、良い雰囲気になっていた。
  2. 結果、油断した。または良い雰囲気を壊さないことを優先するようになった。
  3. そのため、ビジネスに不可欠かつ厳しい交渉が必要な部分を忘れていた。または後回しにしていた。
  4. その結果「大枠の合意」を得た・・・と勝手に日本側で思っていた。
  5. あとは面談で細かい条件を詰めるのみ・・・と思い、それを理由にちゃんとした通訳を雇わなかった。
  6. さらに交渉の事前準備を怠った。
  7. 楽観的な認識で交渉に臨んだら、実は最初の「大枠の合意」すらなかった事実が発覚。
  8. 交渉は大混乱。何も成果なく終了。

どれだけ日本・台湾の関係が良かったとしても、ビジネスは利を争うもの。日本側の状況認識が、都合が良ければ良いほど、楽観的であればあるほど、私の場合は「怪しい」と考えるようにしています。

着地点を意識できる「コーディネーター」

さらに言えば、交渉事は「通訳」ではなく、交渉成立に向けて動く「コーディネーター」を挟むべきだと思います。単純に言葉を通訳することと、 交渉成立を意識して動くのとでは大きな差があります。

例えば作者自身も、日本・台湾の中小企業との間にことが多いコーディネーターとして、今までの経験から、交渉をまとめるために以下のようなことを心がけています。

着地点の設定
交渉のやり取りだけでなく、その着地点も複数パターン想定して交渉に臨むようにしています。案件に事前に関われるのであれば、着地点の一つに「交渉打ち切り」も含められるように心がけています。
条件のすり合わせ
事前の打ち合わせで我々側で受け入れ可能な範囲を理解するとともに、相手側の受け入れ可能な範囲を推測して、双方で受け入れられる条件のすり合わせを心がけています。
双方の期待値の調整
先ほどの「状況認識が甘いパターン」も含みますが、お互い相手の譲歩に期待しすぎると、双方で受け入れられる条件や着地点を見出すのは困難になります。国情や文化の違いなどで実現困難な期待もあり得ます。その辺は双方に説明してあくまでも合理的な交渉を維持することを心がけています。
結論と今後のアクションを明確化
打ち合わせ終了時は必ず口頭でまとめを行っています。今回の会議で決めた事、会議終了後に行わなければならない宿題、そしてその期限を明確にします。

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