皆さんこんにちは。
無事にワイマールへ到着しましたー!!
今日のブログはまだワイマールに到着する前の話でございます…もしよろしければお付き合いください。
さて。電車移動が大好きだと散々前回のブログでお伝えしましたが…
反対側の電車に乗ってしまう
なんていうことは日常茶飯事でして (山手線や京王線は事件がよく起こる)
好きだから得意、では決してなく
好きだけど不得意、な乗り物でございます。
ですから初めて行く場所は入念に調べあげて挑みます。
でも、もう良い歳をした大人であります。
ハプニングには柔軟です。
もうなんだって来いや!と思っております。
今回は乗り換えでミスを犯さぬよう
音楽祭の事務局のかたが取って下さるという申し出を丁重に断り
乗り換え回数が少ない電車を調べあげ
ついにたった1回の乗り換えルートを発見し
いそいそとチケットを購入していました。
いざ8月1日。
余裕で10分前にはチューリッヒ発の電車に乗りこむ。
ホームの変更はあったが(ドキドキドキドキ)
定刻通り出発。さすがスイス。
購入済みの自分の席の隣が奇跡的に空いており、得意げにチェロ様を座らせる。
(飛行機はチェロ席購入必須ですが、電車は空いていたら隣に座らせて良いのです)
スーツケースも無事に目の届くところに納めた。
長旅に備えて買い込んだパンやチョコレートや水を口にしながら事務的なメールをし、「せーんろーはつーづくーよーー」のブログを一気に書いてしまった。
バッハのゴールドベルグ変奏曲を聴きながら
もう読み終わった「老子・荘子」の本を手に取り、気に入っている項目を読み返す。
順調だ。
しかし
待てど暮らせど乗り換えの駅
ごってぃんげん
に辿り着きません。
ごってぃんげん…
Göttingen
おーまいぐぉぁってぃんげん!!
なるほどこれは雲行きが大変怪しい
DB(Deutsche Bahnhof ドイツ鉄道)はしょっちゅう遅れることは知っていても、ごってぃんげんの駅にはまだ降り立ったことがないので途端に不安になる
16時8分。Googlemapさまによると私はまだカッセルという街の近辺に居るらしいが、ごってぃんげんから乗るはずのワイマール行きの列車は発車した。
それから45分後、ようやくごってぃんげんに着いた。
もちろんワイマール行きの列車は居ない。
駅員さんも居ない。
チェロとスーツケースを持ってごってぃんげんを彷徨い、ようやく駅員さんをつかまえた。
そうしたら「あ、2時間後に一本あります〜」と
よっしゃあああああああああああ
に、2時間後…?
と思いながらも丁寧にダンケを伝えた。
ホームへ戻りしばしボーっとしていたが、「ごってぃんげん」と書かれた駅名プレートを眺めていてもしょうがない、そうだ京都行こうのノリでそうだバーガーキング行こうとなり(実は駅員さんを探して走り回りながらも目の端にバーガーキングを捉え恋をしたかのように頭から離れなくなっいた)、スイスでは高すぎで買わないバーガーキングへ1人ワクワクと入った。
私より身体が3倍ほど大きなマダム(スイカ柄のTシャツがインパクト大)に列に横入りされて出鼻を挫かれる思いで少々悲しくなったが、無事にキングセット(チリチーズバーガー2個、フライドポテト、チキンナゲット、コーラ)をなんと5€以下でゲットした。
…もうね
最高に美味しかったです。
大満足です。
…昔倉敷で先輩方と弦楽四重奏のお仕事をご一緒させて頂いた際に、私があまりにもよく食べることから「キング」というあだ名を頂戴していたことを思い出しました。
名付け親のお兄さまがたは現在N○K交響楽団でご活躍中、キングが遠いドイツのごってぃんげんのバーガーキングでキングセットを食しているとはご想像もされていないんだろうなぁと、2個目のチーズバーガーを頬張りながらあの頃お世話になったことを懐かしく想い出しておりました。
それにしても、DBの遅延に対してBKにて充実した時間を過ごせて、完全KO勝ちである。
ふっ
と飲み干したコーラのストローの先に、カウボーイのように息をふきかけてしまった。
それでも約10分でキングセットを完食していたので、まだまだ時間があった。
そうだ、トイレ行こう。
BKの次はWCである。
チェロを持っての1人旅のトイレはなかなか大変なのです。
なぜなら、チェロも一緒に個室へ入るので、個室のサイズによってはかなり苦労して一緒に入らなくてはなりません。
時間がある今が、チャンスだ。
次にどんなトラブルが起きるか分からない。
1€をトイレの入り口の機械に入れる
ウィーン
扉が開いたので入ると
ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!
ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!
ぎょぎょぎょ、凄まじいサイレン…
チェロがもう1人の人間だと認識されてしまったらしい
さっき探していたときにはどこにも見当たらなかった駅員さんたちがゾロゾロとトイレに集合。
なんだこんなに勢揃いでいらっしゃるのではないですかと思いながらも、チェロ担いで入っただけですと丁寧に説明する。
頭の先から足の先までジロジロ観察されたが、こちらがドイツ語がしっかり話せたのでわりとすぐに信じて理解してくれた。
ふーー
でも本当の試練はここからなのです。
やはり個室が小さい。
車椅子用の広い個室を拝借しても良いのだけれど
祖母が車椅子に乗っていて、車椅子用が空いてないと本当に困ることを知っているため
なんとしてでも普通の個室に入るのだ。と祖母や母を想いながら意気込んだ。
しかしどう頑張ってもチェロとスーツケースと私、全ては個室に収まらない。
誰も居ないので、開けっ放し説も浮上したが
一応レディとしての自分が許さず、
スーツケースを断念した。
でも、私とチェロが入っている個室の前に
「ここの住人の持ち物です」感満載で置いて個室に入った
(しかしあれですね、あまりトイレに行ってなかったせいもありますが、こういうときに限って水分は大変謙虚に少しずつ外に出ていかれるのですよね)
ウィーン と外で音がした
誰かが入ってきた
嫌な予感がする
私の個室の前で足音が止まった
心臓が破裂しそうだったが
「もう出ますから!ダンケ!」
と叫びドアノブをひねった
その瞬間足音がビクっとなって、サササ〜っと去っていった。
慌てて外に出ると(といってもチェロがあると出るのも大変なのでわりとゆっくり)、スーツケースは若干出口に向かう体制になっていたが無事にそこに居てくれた。
あれだけ私とチェロに激しく吠えたサイレンは静寂を守り
お集まり頂いた駅員さんがたももちろん誰一人いらっしゃらず
スーツケースだけがぽつんと居てくれた。
なんというか、
私はまだ1人も子供を授かっていないが、
下の子ためにトイレにこもり、上の子は外で待たせちゃってたような気分だった。
無事に居てくれてありがとう。
よかった。。
充実のごってぃんげん滞在後、私は無事にワイマールへ到着した。
ワイマール中央駅では事務局の方々が手厚く歓迎してくださり、ホテルに連れて行って下さった。
今回講師として音楽祭に呼んで頂いているのですが、ワークショップはどれも生徒に混ざって見学して良いので明日は自身のリハの合間にダンスコースと歌のコースを訪れようと思います。
ごってぃんげん珍道中ブログ、終わり。