新しいものを取り入れるために何かを手放すのか
こちらはもう2018年春から愛用しているFURLAのバッグ、名はフー子
いっつもそのバッグねぇ
そろそろ代わりになる新しいの買ったら？
何かを手放すから新しいものが手に入るのか
それはその都度、違うと思う
ここ最近
古くなった洋服を大量に処分したし
新しくリュックも買ったし
今日は楽器の魂柱も新調した
身体の細胞も
目には見えないが
毎日入れ替わっている
さて、ここ数日わたしはスイスで弾きこもり
Winterthurのスタジオにこもり
レコーディングの日々を過ごしてから
再び日本にやって来たのだが…
物にも
心が宿っている
！！
と思わざるを得ない出来事に直面した
チェロという大きな甲羅を背負いながら移動をするおカメな私は、バッグは出来るだけ小さい派
バッグには基本、携帯とお財布とリップクリームしか入っていない
バッグの蓋のデザインを色々取り替えられるため
「白いバッグに合わせるコーディネートは〜
あぁ〜っと こーでねーとおぉぉ〜〜」
と決めつけずに
「あら今日は私は紫のファーなのね？
あらじゃあ明日は黒のスタッズにする？」
と柔軟に寄り添ってくれる
小柄で器量の良い、本当に可愛い子なのだ。
フー子にベタ惚れである。
しかし…
11月の終わりに母は私に
甘く優しくささやいた
いっつもそのバッグねぇそろそろ代わりになる新しいの買ったら？
私はフー子をギュッと抱きながら答えた
…え？綺麗だし丈夫だし…まだいいよ……
…
…
しかし私はすぐに
自分の欲深さを知ることとなる
母がささやいたあの日から
フー子と街を歩きながらも
バッグ売り場を通り過ぎるたび
横目でチラチラ他の子たちに目がいくようになった…
そう私はなかなかの新し物好きである
そんなある寒い師走の日inチューリッヒ
わたしはこの日もチェロを背負いフー子を肩にかけていた
レコーディングに向けてのリハーサルを終え
Globus(日本でいう伊勢丹的なデパート)を通過しながら家へ向かった
だってGlobusを通ったほうが暖かいから…
そしてバッグ売り場も横目に見ながら歩けるから…
ぶちっ
！！！！！！！！？？？
キレた
フー子の堪忍袋の緒…
ではなく、チェーンが……
ひぇ〜！！
一目散に帰宅し
あらぬ姿のフー子を救おうと引き出しからペンチを取り出しドクターHは緊急オペを試みた
わたし失敗しないので
なーんて言ってみたいぜ大門未知子先生…
失敗だらけのドクターHのオペは虚しく
フー子の華奢な肩(かけチェーン)は
切れたままだった
あぁフー子…
ずっと側に居て私を助けてくれていたのに…
付き合い2年目にして浮ついた私がバカだったよ…
そんな私に愛想を尽かしキレてしまったのだよね…
そろそろ代わりになる新しいの買ったら？……替え時……なのか…
いや…
違う…
私はフー子がいいんだ
フー子じゃなきゃだめなんだ
わたしは気づいたらFURLAショップへ走っていた
修理は叶わなかったが…
チェーンの交換ができた(25フラン)
前のモデルと少し違うチェーンなのか
なんだか前よりもシャラリンシャラリンと鼻歌のような音を鳴らしている
あぁよかった…大切にしよう
シャラリンシャラリン♪
今日もご機嫌に
そばに居てくれるアナタが愛おしい