本日２回目の更新です。
今日は映画『ひとよ』を見てきました。
私は佐藤健くんが大好き。
そして鈴木亮平さんも大好き。
その二人が共演しているのだから、見るしかないと思いまして。
物語は土砂降りのシーンから始まります。
ある地方都市でタクシー会社を経営する一家。
両親と子ども三人の五人家族だが、子どもたちの体には傷跡があった。
父親が毎日のように子どもたちに殴る蹴るの暴行を加えていたからだ。
父が暴力を振るうきっかけは ほんの些細なことで、
暴力が始まるとなかなか収拾がつかない。
ある土砂降りの雨の日、ついに母親は夫（父親）を殺してしまう。
警察に出頭する前に母は子どもたちに語る。
もう誰もお前たちを殴らないし、これからは自由に生きていける、と。
そして罪を償ったら、必ず戻ってくる、と。
それから15年。
殺人者の子どもという烙印を押され、
決して楽ではない人生を送ってきた子どもたちのもとに、
約束どおり母が戻ってきた……。
（映画『ひとよ』の冒頭を私なりに紹介しました）
主なキャストは
夫を殺してしまう妻（母） 稲村こはる：田中裕子
長男 稲村大樹：鈴木亮平
次男 稲村雄二：佐藤健
長女 稲村園子：松岡茉優
です。
まずは、非常に重たいテーマであるにも関わらず、
ところどころクスッと笑える部分があることが、
非常に印象的でした。
その「なんだか笑える」原因の多くを担っていたのが、
園子役の松岡茉優さんだと思います。
どこが、と言われると説明が難しいのですが。
大変失礼ながら、私はこれまで松岡茉優さんを
「可も不可もない」女優さんだと侮っていました。
でも『万引き家族』とこの作品で、やっぱり女優さんってすごいな、
松岡さんはプロだな、と思いましたよ。
松岡さん以外にも、浅利陽介さん、音尾琢真さん、
筒井真理子さんらが演じる「生活」の中に笑いがありました。
小さな日常の悲喜こもごもが、積み重なって人生ができているんだと
しみじみ感じさせてもらえました。
タイトル「ひとよ」には「一夜」という字が当てられています。
夫を殺したのは子どもを守るためだったはずなのに、
そのことが 子どもの人生をより生きずらいものにしていたこと。
暴力を振るう父親がいなくなれば、なりたい者になれるはずだったのが、
当初の目標とは全く違う職業についてしまっていること。
そしてそれが原因で母親を恨んでしまっていること。
あらゆることがねじれてしまっています。
予告編で佐藤健さんが叫んでいるセリフ
「どっからやり直したら良いのか教えろよ！」
の答えは「あの一夜」なのかもしれません。
しかし、もし「あの一夜」に、母が暴力夫を殺していなければ、
別の悲劇が起こっていた可能性も大きいわけで、
その場合もやはり、十五年後に雄二（佐藤健）が
「どっからやり直したら良いのか教えろよ！」
と叫んでいるのかもしれません。
映画の中だけではなく、
人生のあらゆるところに「一夜」があるのだと思います。
ことの重大さの大小はあるものの、誰にだって
「ああ、こんなことになってしまって。
やり直せるならやり直したい。
どこからやり直せば良いのだろう」
と思ったことがあるのではないでしょうか？
少なくとも私にはあります。
「ああ、時間を巻き戻すことができるなら。
あの時に戻って、人生をやり直したい」と
泣きながら後悔したことがあります。
まぁ、当然そんなことができるわけはなく、
転んだところから起き上がって歩くしかないわけですが。
そういう意味ではタイトル「ひとよ」は
「人よ」と読むこともできます。
映画の中に登場する一人一人の人生が、
私やあなたの人生にオーバーラップしてくるんです。
みんなの人生に喜びや悲しみがあるのだけど、
似ているようで、それは一人一人違う、
人生って唯一無二のものなんだなぁ。
それを最も体現していたのは、佐々木蔵之介さんが演じた
堂下道生役かも。
佐々木蔵之介さんが出てきた時点で、
「あれ？この役は只者ではないな」と思わせてくれましたが、
案の定、ものすごいキーパーソンでした。
この人こそ「どっからやり直せば良いんだ！！」と
心から思っているのじゃないかしら。
最初に、深刻なテーマのはずなのにクスッと笑えると書きましたが、
この映画、最後はハラハラドキドキな展開になります。
映画でも小説でも、ストーリーには山場が必要なのだと思うけど、
「これはやりすぎでしょ！」と思うほどドキドキしました。
そして「今」の場面が「15年前」の場面にオーバーラップする。
いやー、楽しい！
これが映像作品の面白さだわ。
重苦しいテーマなのに、エンターテインメント要素満載。
最後のドキドキハラハラは劇場に行き、
大スクリーンで観るべきです。
最後に。
大好きな佐藤健さんについて。
思いがけず、濡れ場がありましてね、
オバちゃま（私）ドキドキしたんです。
ところが「ことが終わった」後のシーンで、がーん！！
佐藤健くんのお腹周りがユルい。
もちろん普通の人に比べたらスリムなのだろうけど、
お腹にうっすらと脂肪がついている……
オバちゃま、ショックでした。
ずっと「佐藤健クン」と呼んでいたけれど、
もう30歳なのね。
佐藤健さんって呼ばないといけないわね。
いやいやいや。
不規則な生活をしているフリーライターという役どころのために
あえてお腹に脂肪をつけたのだと思いたいワ。
きっとそうよ、そうに違いない。
脂肪をたっぷり蓄えた自分のお腹は棚に上げ、
健くんのお腹に衝撃を受けたヘンタイでございます。
