親子関係が8割かもしれない | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 最近、下記の本を読みました。きっかけは、ホリエモンとして有名な堀江貴文さんなど、時代の先端を行く人の数人が読んでいると知ったことがきっかけですが、これがまた、大きな読書体験となりました。

 

 

112、嫌われる勇気 岸見一郎・古賀史健

 

 

 

 これはおススメ図書ではありますが、むしろ、親側が読むべき本だと思います。僕が長年、このブログを通じて伝えたかったことのほとんどのエッセンスが含まれています。

 

 いわゆる「アドラー心理学」が基本になった本なのですが、元々この心理学は教育関係(アドラー自体が医師・教育者。政治家として児相を創ったりしている)の知見から生じたもののようで、教育とは深い関係を持ちます。これとモンテッソーリ教育の二つが、僕が指導経験で感じる実感・人間学と合致する、「そうだよな」と納得できることが最も多い知見です。目から鱗だらけの方もいることでしょう。

 

 今後は、僕のコンサルや指導を受ける親御さん、お子さんに、まずこれと、モンテッソーリ教育のどの本かを必読にしようかな、と思うくらいです(実際にはしませんが、笑)

 

 受験、とくに中学受験は親子関係のウエイトが大きいです。まあ100%と言ってもいいのですが、ここは本人の努力分(その努力も親が導きうるかもしれない)やなんとも言えない不可思議な縁のモノ(才能、困った性質なども含む)もあるので、7から8割としておきます。

 高校・大学受験では、本人の責任が増し、5割といったところでしょうか。

 

 親子関係のせいで、子の成績が上下する、と指導経験を通じても思います。

 

 ただ、そのような見解自体が「考える必要のないこと」であることを鋭く指摘するのがアドラー心理学のようです。同時代のフロイトやユングなども一通り読んだのですが、現代に最もマッチするのはアドラーであると確信します。なぜ今まで読まなかったのか、やはり食わず嫌いはいけませんね。

 

 僕は以前のブログでも「馬を水飲み場につれていくことはできるが、飲ませることはできない」という中国の故事を例に、教育を論じています。親にできることは、最大限の「環境」づくりまでであり、それを実際に利用するのは子供自身の選択によるものであるので、親にできることはたかが知れている、と。

 

 ただ、そのたかが知れている中で最大のことをしてあげるのが親心であり、真理に通じると思います。「なんでこんなにしてあげてるのに○○じゃないの!」といった、親側の悲壮感の解決への糸口も、アドラー心理学にはあると思います。

 

 この本にも上記の例は出てくるのですが、さらに踏み込んで、「親が勉強をしなさい」というのは無用の干渉であり、それを続けると、子から「自信」を奪う。自信を失くした人間はもろい、病む。という僕が多くの家庭を通じて見てきた事が、まさに書かれていました。

 

 また、フロイト的な「原因論」の無力さも論じられています。

 たとえば、現在、塾での成績が悪いとします。すると、原因を過去の何かに求めてしまうのが人間である、と思います。幼少期にうまくやれなかったから、母親の自分が働いてばかりだったから、極端なところでは遺伝のせいだ、などなど。無意識、有意識のうちに、原因を探してしまいます。

 

 このようなフロイト的原因論の影響を、僕らは知らず知らずのうちに受けていて、過去と未来にばかり右往左往して、今を無駄にしていく構図が実にうまく書かれています。

 今が悪かろうと、改善したいのであれば、「できる努力」を考え、淡々としていくだけで良いはずです。そこで、誰それと比べたり、親の無為な希望を入れ込むので、関係がこじれ、幸福感が薄れてくるのです。

 

 これは、最近の仏教や神道などの本を読み漁った僕の見解とも合致してきまして、ガツンと来ました。

 

 どんな人間も、今の成績はどうあれ、、「最大の努力をしているか、できているか」に注目して、目の前のことを全力ですべきであるのに、未来や過去をあれこれ考えすぎることで、そのことができなくなっているパターンがあると思います。

 

 「今」に注目をしていけば、いろんなことが改善すると思いますし、力みがとれたりなんやかんやで希望の実現力が増すと思います。僕の人生でも、そのような発想の転換に20代後半に到達しておりまして、そこからは不思議と人生の希望がぽつぽつと叶い始めています。(まあ東大合格もかなってはいますが、10代のころは『縁』の力で「今」に注目できていましたが、偶然に近い感謝すべき幸運だと思っています)

 

 

 アドラー心理学では、他人との関係が人生のすべてだと論じます。親子関係もその一つです。

 

 指導において、親子関係に僕から口出しをすることは、100%ありません。それは家庭教師の領分を超えた思い上がった行為であると思うからです。(もちろん、請われればいたします。また、子側への働きかけはよくします。が、それも領分は踏み越えませんし、親側を批判することすらありません)

 

 若いころは何度か苦言を呈したりしたこともあったのですが、やはり非常に嫌がられるし、親側のプライドを傷つけてしまいます。また、親御さんから「自信」を奪ってしまいます。これがよくありません。アドラー的にもアウトのようです。(だから、最近の僕はあっていたと言えますw)

 

 この本を読むと分かりますが、いわゆる「干渉」は本来、他人がすべきことではありません。僕がすべきなのは改善策を淡々と提示する、その1点において「最善手」を尽くすべきなのです。それを受け入れるかどうか、は向こう次第なのです。

 

 これが、実は仕事だけでなく、いろんな人間関係においても同じである、というのがアドラー心理学です。すべての人間の人生の問題を「人間関係」から読み解いていくのがこの心理学の論理的にも素晴らしいところです。

 

 心の持ちようと、他人への人間関係の仕方、捉え方を変えるだけで、「今すぐに」幸せになれる、のがアドラー心理学です。宗教めいていますが、理解をすればしっかりと論理的です。屁理屈ではない、深みがあります。(そこまで読み取れるか~、笑)

 

 ただ、この本は、対話形式の非常にわかりやすい書き口の本ではありますが、たとえ高学歴の親御さんであっても、どれだけ理解できるかが心配な部分ではあります。理解が浅いと、ただ反発して終わる可能性もあります。苦労の少ない人生では、理解しきれないで曲解で終わってしまうかもしれません。ま、それもまた、縁と言うものでしょうか。

 

 子供たち、特に進学校の生徒に読んでもらって、どう感じるかを聞きたいものです。

 

 親子共々、「解釈力」が問われることでしょう。読み取れなくても構いません。ぜひとも、ご一読ください。僕とて、まだ不十分なのは感じており、あと数冊、アドラー心理学を掘り下げてみたいと思います。

 

 

 読めば、親が子に対する「褒め方」なども変わることでしょう。噓くさい褒め方(おべんちゃら的な)を僕は嫌うのですが、その違和感のわけもここに書かれていました。無作為に褒めると、やはり子供がだめになるパターンも厳然としてありました。

 

 褒めることは「上から目線」になりやすいです。「すごいね」と褒めることは、親が上から「認めてやっている」感覚をもたらすのです。ここに、他人を操作する意図があるとアドラー心理学は看破します。

 

 これは、褒められるために簡単なことばかりをする子を増やしたり、成果ばかりを気にするといった、不健康な成果をもたらすようです。改善は、当人の変わりたいという「勇気」によってのみなされます。その勇気が持てるよう、励ましてあげることが大事なのです。

 

 やたら褒めることばかり過度にすすめる最近の教育のあり方に、バランスをとる一石を投じることと思います。

 

 横の関係で「認める」方向に舵をとることが、親子関係でも人間関係でも大事かもしれません。僕も生徒にはできる限り上からにならないよう、気を付けていますが、たまにマウンティングになってしまうこともよくあります。精進あるのみですね。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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http://ameblo.jp/jyukuko/entry-12078350127.html
 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

教え子の医学部留学生がブログをはじめました。医学部にご興味のある方はどうぞご覧になってください。医学部生のきつさや海外生活なんかの赤裸々なところがわかるかもですよ、むふふ。

こちらです。 http://ameblo.jp/harryhawk-bp/entry-11385618245.html (閉鎖中のようです)

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