どうやって覚えればいいのか(記憶法アプデ2019版) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 記憶力とはなんでしょうか。最近の入試では思考力の方がよく言われるようになってしまったので、あまり記憶力について言われることが少なくなってきたような気がします。

 

 ただ、記憶もうまくしないと効率の悪い方法をえんえん繰り返す、エビデンスのない古典的なやり方を根性に任せてやって時間を無駄にしていることが多いです。親御さんたちも、今は科学的な見解がかなり新しくなっていて、自分たちの時代のものはあまり通用しない、もっといいものがある、と思っておいてほしいです。

 

 時折テレビなどで円周率やカレンダーなどの「記憶力の天才」などがもてはやされたりもしますが、そのような先天的な記憶力とは違う意味の「使える」記憶力が要るのが受験です。

 

 使える記憶、とは「思い出せる」記憶です。覚える行為をすれば、大体頭には入るものだそうです。脳は一度見たものはどんなささいなものでも、一応は脳にしまっていると言われており、その中で、場面によって使える知識を取り出す、つまり「整理された」記憶をすることが大事です。

 

 整理されて、適度な時に適度な記憶が取り出せる状態、とは、やはり読解やイメージと関わると言えそうです。また、「場所」と関連させて覚える記憶法が効果が確認されています。

 

 将棋の棋士の方で膨大な手や盤面を覚えている驚異的な記憶力をお持ちの方がいますが、あれはストーリーで覚えていて、ランダムな並びにすると、普通の人と記憶力は変わらないそうです。

 

 また、生物学的には寝るタイミングなどが重要だそうです。そのあたりを以下にまとめてみます。

 

 

・ラインマーカー、線引き、音読、写経では、おぼえる効果は薄い

 ……これは、メンタリストDaigoさんの「学習法」の本にもエビデンスを持って書かれていますが、僕も「覚える」ことは、アクティブ(自分から前向きに)に覚えようとしないと残らないものだと思っています。

 

 例に挙げた勉強法は、漫然とした「作業」になりやすく、覚える、という脳に叩き込む作業にはなりにくいです。書かずとも、読まずとも、目で見て集中力をそちらにもっていけば覚えることは可能です。

 

 ただ、もちろん、範囲全部は必ず一度以上は見ないと覚えることは叶いません。すべてのページを端から端までみるのはまず基本です。

 

・そのうえで、身体全部を使う。イメージを作る

 ……瞑想法は僕は基本おススメしないのですが、「歩行瞑想」という作業や歩くという「行為」に意識を向けるものは、危険性が少なく良いかなと思えます。僕は集中力向上のためにやるなら、「動の瞑想」をおススメします。

 

 覚える際には、ブツブツいったり、歩きながら覚えることは効果があることが確認されています。また、意識を覚える対象にしっかりむけることが大事なので、能動的な意味あいがあるのであれば、線を引くのも効果はあると思います。いずれにせよ、能動的な「覚えよう」という意識が最も重要になります。

 

 写経になってはいけないのですが、漢字や英単語などは書いて覚えざるを得ません。バチバチに集中した状態で3度前後書いて覚えるのが良い、とこれまでの多くの子を見た経験では言えます。

 

 これが10回かかされると、途中から作業になってしまい、無駄な時間と労力を使うことになります。自分で10回書いて覚える、などを決めつけてしまっても縛りになってしまい、ストレスになって集中は途切れやすいです。トップ層を目指すのであれば、漢字や英単語は3回で覚えられるようにしましょう。3回書いてみて、数分後の確認の一回(都合4回か)でさくっと覚えられるようにしましょう。

 

 それ以外の物事は基本的に「読んで頭に入れていく」のが基本です。図やイメージを作りながら、「なぜなに」を問いつつ、立体的に学んでいきます。

 教科書のような文章になっているものを因果関係に注意し、イメージを作りながら読んでいけば良いのです。(そして、その後、が大事。後述)

 

・完璧を目指さないが、憶えれたなと思えるまでやる

 ……受験もこの人生も多分に自己満足の側面があります。自分が納得するまでやっているか、が非常に大事なのです。

 

 書くなら「3回」など、自分で能力に合わせてやるだけやってみて、ひとまずその場で思い返してみて、「覚えた」となんとなく自分で思えるまでやりましょう。なんとなく、で良いのですが、覚えられていない違和感のある感覚のままではいけません。

 このさじ加減を各自適度なところを身体で覚えなければいけません。

 

 これは、暗記がわりと得意な僕でも何度も経験があるのですが、完璧に覚えた、という状態にはなりにくいです。どこまで行っても不安は残るものです。そもそも完璧だ不安だ、というのは自分の中での感覚でしかなく、統計をとって他と比較できたものでありません。

 自分のことは一番自分がわかっていない現実もあります。

 

 従って、完璧だと思えてもだめなこともあるし、不安なままでも意外と覚えていたということもあります。(後者のほうが真面目な方ほど多いはず)

 ですから、どちらかというと納得できるまでできたか、という自己満足の具合に注目した方がうまく行きますし、精神的な安心も呼びます。安心は、本番で大きな力になってくれます。

 

・覚えた→問題演習で確認

 ……この作業をやっていない方が多いです。漢字などは問題演習がセットになっているので、一通り書けば良いのですが、記憶を強固にするのは「思い出す」作業の内だそうです。

 

 覚えた内容を「使って」問題を解く練習もあわせてするのです。それはその範囲の問題を問題集で解けば良いです。そこでわからなければ、「なんだっけなー」と悩むでしょうし、そこで思い出したり、確認したりすると、さらに記憶が定着するのです。

 

 今回の中学受験の四谷の合不合でも、かなり凝った問題が多く、知識を「使う」能力が問われていました。知識を複数使って、解く問題が今は難関校、国立大学ほど主流であり、その練習を普段の演習でやっておかねばなりません。

 

 理社は特に、覚えた知識を演習で固めておきましょう。使い方もセットでやるのです。ただ、いきなり問題演習に行くと、ほとんど解けないので、ある程度しっかり覚えたつもりになるまでやって、それから問題演習の順が良いでしょう。

 

 サピや四谷の毎週の理社では、まず軽く教科書やノートを読み返してから、問題演習に入るのが結局は早いし、コツになります。

 

 

・睡眠のタイミングを有効に使う

 ……記憶の定着には睡眠が密接にかかわっています。睡眠時間が短い方は、健康に問題はなくても、人の名前が覚えにくくなったりする現象があるそうです。

 

 睡眠によって、起床時に受けた刺激や記憶が整理され、学習となります。これは、記憶が整理されることにもなるので、短期記憶が長期記憶にもなりやすく、記憶が長く残りやすい状態を作ることができます。

 

 おススメは、夜寝る前に記憶系の勉強をする→寝る→起きて軽く復習です。こうした方が、長く記憶が残りやすいそうです。90分以上の睡眠を挟むことがコツだというデータもあります。

(参照 https://www.youtube.com/watch?v=1ZmSvTRgOik

 

 さらに、昼間でも、覚える→6分以上の仮眠で記憶力が上がったデータもあるそうです。ここでいう仮眠とは「刺激のない状態」を指し、眠っている必要はありません。

 

 受験生は特にずーっと詰め込む勉強ばかりの神経になりやすいのですが、実は勉強を身に着けるには、「休憩」が非常に大事です。間を置いたり、仮眠をとったりして、刺激の少ない状態にして頭を整理してやる時間を与えてやることが大事なのです。頭がいい方は、この休憩のタイミングがうまく、自分流ができている方が多いです。

 

 実は、暗記系を最後寝る前にやって、寝て、朝5時くらいに起きて確認、というのは定期テストで中2くらいから僕はやっていて、偶然にも正しい勉強法だったようです。(まあ当時も、睡眠で記憶を整理するという知識はもっていたので、なんとなく使っていたとも言えますが)

 僕は今でも、中3の時に丸暗記させられた百人一首が何個かは言えます(笑)

 

 ということで、丸暗記系は一日の最後にもってくるのが良いでしょう。ただ、いろんな教科を短時間ずつするやり方も有効性が認められているので、そこらへんのスケジューリングはうまくいろいろトライ&エラーをしてみて、最適解を自分なりに見つけましょう。(この時間が真剣にやっても数か月かかります。受験生は急ぎましょう)

 

 

 覚えられない、と嘆く子は多のですが、やはり工夫をしていないだけ、子が多いです。人間は必ず一度見たものは覚えています。覚えるのが苦手なのではなく、思い出すのが下手なのです。(教科書を読んでいない、問題集を演習していないは論外。まずは全範囲を見る・読むところから)

 

 思い出すには、トリガーとなるような物事をセットで覚える方が楽なことがあるし、関連記憶をどんどん作っていって覚えるのが将棋の棋士を見ていても有効なことはわかります。

 

 また、語呂合わせは有効なやり方ではないことを付け加えておきます。語呂合わせばかりの子に、やはり上位生は少ないと感じます。(覚えやすいいくつかのものがあれば十分。何十もあると学習のかえって邪魔)

 

 また、記憶力が良い子ほど、脱力がうまいです。覚えるときにリラックスをして力が抜けています。覚えようと力んでいると、身体も疲れやすいし、病気にもなりやすいです。

 

 上位層と言われる人間は、努力や工夫を重ねるうちに、驚くほど同じような結論に達していることが多いです。Daigoさんの勉強法も、違和感なくきける方が東大生には多いことでしょう。だからこそ、その域にまで一度はいった人間に習うことが大事にはなると思います。

 

 僕もその一人になれていた、と感じることは最近いろんな方の見解を聞き及ぶことで確信に至れたりはしました。ただ、これは縁と親の努力によるところが大きく、やはり感謝しなければいけないな、とも思いました。

 

 たしかに、遺伝的に記憶力の高い人間はいます。空海さんの「求聞持法」のような視覚記憶に優れた子も稀にいます。が、サピに入塾できる程度の実力があるなら、その辺のハンディは後天的努力によって覆すことができます。

 

 いつぞやの記事、ワーキングメモリーの記事(https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12454930534.html)もあわせて参考にしていただきながら、頑張っていきましょう。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。 

 

スーパーコンサル2019、今年も受け付けております。究極の受験セカンドオピニオンを体験してみませんか。もちろん、2度目3度目の方も歓迎です。ご希望の方は、下記記事を参照の上、(読んでない方が多いです。一度はぜひお読みください)メールをください。

 

 

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12446458308.html

メールアドレス、hasetomo2009☆yahoo.co.jp(☆を@に変えてください)

 

また、小6から定期指導(月2または月4)をご希望の方は、早めにその旨お伝えください。できれば、新学年前に一度コンサルなどで課題点や学習計画などを相談したほうがうまくいきやすいです。家庭教師の方は下記をご参照ください。(2019年現在、毎週の指導は厳しい状況です)

https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12514934840.html

 

お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

また、現在、かつてないほどの多忙につき、やや返信が遅れ気味になっております。同時に複数のメールをやり取りしている場合もありますので、返信が滞っている場合は、かまいませんので催促してください。

 

5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。(九州や群馬、栃木、茨城、大阪、奈良、兵庫、京都などもありました)

 

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