前から行きたいと思っていた秩父と長瀞の神社や寺院めぐりの続きです。

これまでに秩父は三峯神社だけ行ってました。白い氣守りで人気だったので行ってきたのですが、4月だというのに雪が降りまして、往復するだけで疲れ切ってしまったのです。

他の神社に行く時間も気力もなかったです。

その後、朔日参りの時だけいただけた白い氣守りも、中止になったとか、聞きました。

交通の大渋滞を招いて問題になったようです。

私としては、今度は三峯神社の奥宮に行ってみようかなと思っていたのですが、それよりはまだまだ行っていない神社があったので、今回行ってみることにしました。

秩父には、今宮神社、今回の秩父神社、長瀞になるのでしょうが、宝登山神社、聖神社などあります。

なかなか興味深い神社が多いのです。

上の写真は、秩父神社の表参道にある社碑です。社碑の隣には、薗田稲太郎頌徳碑があるのですが、見ていなかったのが残念です。

「国幣小社」と書いてありますから、国から幣帛を渡されている神社ですね。官幣社に次ぐ格ですから、秩父では重要な神社といえるでしょう。

関東でも屈指の古社なのです。

 

秩父神社へのアクセスは秩父鉄道の秩父駅でも西武線の西武秩父駅でも

私は、先に今宮神社に立ち寄ったので、方面としては西武秩父駅のほうから歩いて行きました。

秩父鉄道の秩父駅のほうが近いのですが、西武線でも歩いて行ける範囲です。

先に秩父神社の西門のほうに到着しました。まだまだ初詣に来る人は多く駐車場にも車が並んでいました。

 

秩父神社は、秩父夜祭りでも有名ですが、秩父神社御鎮座弐阡壱百年です。それが平成26年のことです。

2100年ですよ。その時から5年以上経っています。

正面に見えるのが平成殿、左に見えるのが神楽殿です。

こちらの西門から入らずに、まずは正面の大鳥居のほうへ行きました。

 

手水舎の水は、武甲山の伏流水と書かれていました。

秩父にある神社は、どこの神社もそうですが、水もすごいパワーがありそうです。

こちらが神門です。

神門に向かって右には、平成殿がありまして、平成9年にできた建物なので、建物としてはきれいです。社務所があって、私は行かなかったのですが、喫茶店もあるのだとか。

まずは参拝が先と、神門へと向かいました。

ちょうど人が途切れたときに写真をすかさず。私の隣の人も同じ考えだったか。

今のうちよ、と言って仲間と一緒に門の写真を撮っていました。

それほど、人出が多かったのです。

神門を通ると、すぐに本殿が見えてきます。こちらも人がある程度、減ったときに写真を撮りました。

 

知知夫国の総鎮守の神様が秩父神社です。

御祭神は、八意思兼命、知知夫彦命、天之御中主神、秩父宮雍仁親王の御四柱です。

秩父神社は、秩父宮様、昭和天皇の弟宮様である秩父宮雍仁親王もお祀りしているのです(秩父宮ラグビー場で宮様の名前を覚えている人も多い)。

それを知った時は、秩父神社だけあるのだなと思いました。秩父の他の神社とは別格です。

秩父の山々から秩父宮と決まったそうですが、ここの地で合祀されているのですね。

 

秩父神社の案内図に子育ての虎、つなぎの龍、お元気三猿、北辰の梟の説明

実は、秩父神社は見どころがいっぱいあるのです。しかし、ざっと見てしまうと見どころを抜かしてしまうことがあります。

 

私も神門前にあった、この案内図を頭にいれて、先にじっくり読んでから行ったほうがよかったなと反省です。

本殿の東西南北にある彫刻、つなぎの龍、子育ての虎、北辰の梟、お元気三猿だけが見るべき場所ではないのです。

彫刻も大事ですけどね。

拝殿に向かっていきますと、まずは虎の彫刻が目に入ります。拝殿入口を中心に左右に虎の彫刻です。

拝殿向かって右側には子育ての虎とは別の虎がいます。

 

宮司が書いた「革」の字が飾られてた拝殿

お正月だからなのか、宮司の「革」の文字が見えます。

そちらの上に見える虎の模様は、普通の虎の模様ですね。

 

秩父神社の拝殿前の鈴は、いくつかありまして、紐に鈴がいくつかぶら下がっている方法でした。紅白の紐で、めでたいです。

 

有名な彫刻は、本殿の東西南北にあるのですが、子育ての虎は、社殿南側になります。拝殿入口を挟んで左右に虎の彫刻があるので、左右とも見ておきましょう。

 

拝殿向かって左にある左甚五郎作と伝わる「子宝、子育ての虎」は、母虎はヒョウ柄になっているそうで、言われてみれば、模様が丸い感じになっています。

 

秩父神社と縁が深い徳川家康公は本殿再建に関わった人物だそうで、戦国時代の末期に兵火によって社殿が焼失したのを徳川家康公が大旦那となって、代官である成瀬吉右衛門に命じて再建させたのが現在の社殿なのです。

 

それで虎が正面(南側)なのですが、徳川家康公は、「寅年、寅の日、寅の刻」生まれとされているから虎なのです。虎に縁があるのです。

 

社殿は、本殿、幣殿、拝殿の三棟からなる権現造りです。秩父や長瀞にある他の歴史ある神社(三峯神社、宝登山神社)と同じようにきれいな色の彫刻が見事です。埼玉県の重要文化財にもなっています。

 

子育ての虎の向こう側に見える神額には知知夫神社と書いてあるのが見えます。秩父神社のリーフレットには、「知知夫国の総鎮守」と書いてあります。昔は、知知夫と書いたのでしょうね。

当時の狩野派の流れをくんで、母虎があえてヒョウ柄になったと言われています。子育ての大切さを物語る彫刻です。

それにしても母虎の一匹だけがヒョウ柄なのは、なぜなのでしょう。子どもの虎に遺伝しないのか(笑)。

 

秩父神社の本殿には東西南北に有名な彫刻があるのですが、メインとなるのはこの虎と龍でしょうね。

 

お正月限定の特別御朱印帳(2,000円)にも青龍と虎が使われて


次は青い龍である「つなぎの龍」をみようと、本殿の右側から回ってみました。

その前に、お正月期間授与となっている御朱印帳についてです。

 

お正月に参拝したので、正月限定の特別御朱印帳がありました。2,000円ですが、御朱印込みの値段です。

新しい御朱印帳を買うときは、御朱印込みかどうかを先に確認したほうがいいですね。

御朱印をいただいてから、御朱印帳がほしくなることって、よくあるのですよ。

そのときに、すでに御朱印が押されている御朱印帳ですと、ダブってしまいますからね。

(私はそのような経験ありまして、それはそれで、記念になるからいいのですけど、できれば別の日付けでほしいですもの)

 

表は、つなぎの龍ですが、裏は黄色の虎でしたよ。子育ての虎をモチーフにしているのでしょうね。

表が龍なので、龍が好きな人にはいいなと思いました。ただ、龍と虎なので、両方ともパワーがありそうで、男性が持つといいように感じました。

ちょっと大きめサイズの特別御朱印帳でした。

普通の御朱印帳は、夏祭りのデザインでした。これも薄紫色で上品です。

 

つなぎの龍は現在、修復工事中

現在秩父神社を参拝する予定の人には残念なお知らせがあります。

社殿の丑寅の方角には、青い龍の「つなぎの龍」があるのです。ですが残念なのことに、現在工事中でした。

左甚五郎作と言われる龍の実物が見られなかったのはあまりにも残念です。

この龍はなぜつながれているのか(つなぎの龍)。

夜な夜な近くの天ヶ池(あまが池)に行き、社殿から抜け出しては暴れたために鎖で繋がれたという伝説があるからです。

社殿西側にも龍がいるのですが、東側の龍だけつながれているのだそうです。

ただし、つなぎの龍の写真は、ありました。

工事現場のついたてのところに貼ってあります。工事が終わるまではこれを見るしかありません。

 

 

修復工事なので、このように幕が貼られています。説明書きはありますので、それを読むのは可能です。

もしくは、社務所で売っている「つなぎの龍」の手ぬぐいのデザインを見るとか。

現在は、修復工事中なので、手ぬぐいをみて本物の龍の彫刻の形を想像したり。。。

仕方がないですね。またの機会にします。

 

 

お元気三猿は見ざる聞かざる言わざるの逆バージョン

こちらは、社殿西側になります。龍が目立っているのですが、その下のほうに、小さめな猿がいます。

これがお元気三猿です。しっかり見ないとわからないかもしれませんね。

 

珍しい庚申信仰の逆説を表す、「見る、聞く、話す」の姿です(見ざる、聞かざる、言わざるの逆バージョン、叡智を表していた)。

これは珍しいですよね。日光東照宮でも三猿見ましたが、「見ざる聞かざる言わざる」でした。

猿は、魔が去る(まさる)として災い除け、病除けの信仰がありました。

 

 

北辰の梟も小さめなので気をつけて探しましょう

願いごとを叶えてくれる梟、北辰の梟です。

お元気三猿よりも小さくて見にくいのですが、社殿北側の中央に梟の彫刻があります。

この梟は、身体は正面の南側を向いているのに、顔は180度回転して、こちらを見ています。

これは北極星(妙見さま)を見ているのだとか。

学問の神様である八意思兼命の御神徳と梟の頭が回転していることから、智恵のシンボルとして、学問成就、合格の神様としての信仰を集めているそうです。

「願い事を叶えてくださる北辰の梟」と札に書かれています。

そういえば、埼玉県の中学では北辰テストというのがありました。智慧のシンボルだったのですね。

 

そのほかにも彫刻はたくさんあります。

「瓢箪から駒」の話がありました。私が彫刻をみる限りは、馬は空を飛んでいるように見えます。

 

毎年12月3日の秩父の夜祭の時はには、本物の馬二頭が奉納されて御神幸にお供をしているそうです。

それにちなんで、秩父神社では、妙見御神馬守り(勝守り)を授与しているそうです。

意外なところから意外な派遣や出合いがあるかもしれないということで、これが開運招福を意味するのだとか。

ひとつひとつの彫刻にも物語があるのです。

後でも書きますが、秩父神社には、いろんな御守がありまして、見ていて飽きません。

 

お守りで思い出しましたが、御守になる根付が売られていたのですが、東西南北の彫刻として有名な、つなぎの龍、子宝・子育ての虎、北辰の梟、お元気三猿、のほかに、「神馬」と「鯉の滝登り」がありました。

その説明に、本殿を飾る彫刻群の中には、鯉の滝登りがあるのだとか。虎や龍だけでなく、鯉の滝登りの彫刻があるそうです。

これは縁起が良さそうですから、探して見るといいですね(私は見ていませんでした)。

黄河の上流に龍門という大変険しい滝があって、これを登りきった鯉はその姿が龍になるということから、登竜門という言葉が生まれました。

難関を突破して立身出世を願う人はぜひ、探しましょう。

秩父神社の「出世守り」にもその鯉のデザインが描かれていました。

 

社殿の両脇に天照大御神と豊受大御神

社殿の東側には、皇大神宮です。

天照大御神、伊勢神宮でいえば、内宮ですね。

ちなみに、社殿西側には、伊勢神宮の外宮。

豊受大御神です。

社殿の北側には、壁のようになっていて、天神地紙社を中心に、様々な神様が祀られていました。

社殿を中心にぐるりと一回りしまして、神門のところに戻ってきました。

 

柞稲荷神社です。お稲荷さんですね。倉稲魂神を祀ります。

 

須佐乃男神を祀る、日御碕宮です。悪霊退散の神様です。7月20日が例祭日です。

 

その隣には諏訪神社です。八坂刀売命と、建御名方神をお祀りしています。

風水守護、旅行安全の神様です。例祭日は、9月27日です。

神門の前、本殿に向かって、左側に以上のような摂社がありました。

本殿向かって右側には、御神木もありました。

御神木の銀杏はすでに葉が落ちていました。

その前には、柞の禊川です。見たら透明できれいな小川でした。

 

水占いは良縁を授かるようにとの、おみくじ

「水占」みくじのお誘いの木札がありました。

占であり、おみくじでもあるのですね。

秩父神社に流れる伏流水に、おみくじを浸してみると、そこに文字が浮きあげるという不思議なおみくじです。

良縁を授かるとして、若い女性に人気です。

やはり、この小川、柞の禊川は、秩父神社の御神山である武甲山を水源とする伏流水だったのです。

武甲山に鎮まる御神徳に浴して良縁成就を、ということです。

そういえば、秩父神社の中は水が巡っていまして、秩父神社神社の裏手の森になっているところには、乾の井戸という場所もあるとのことでした(これまた、私は見逃していました)。

 

青龍、つなぎの龍のところでも出てきた「あまが池」は、境内と平成殿の間にありました。

 

 

鯉が泳いでいるのが見えるほど、透き通った水でした。

 

秩父神社は御守の種類が多い

先ほども「瓢箪から駒」(勝守り)の話や「神馬」「鯉の滝登り」の根付のことを書きましたが、本当に秩父神社は御守が多いです。

秩父には山が多いからか、雷神守りがみえます。

本殿丑寅(艮)の方角に見える雷神の彫刻は、牛または寅の絵が描かれていてパンツを履いている変わった彫刻です。

鬼は、寅のパンツを履いていますが、これは雷様からの連想だとか。

雷神が鬼門を守っている災いと取り除くと言われています。

背中に太鼓を背負っているので、屋台囃子の方々が太鼓の上達を願ってご崇敬を集めているのだそうです。

 

面白いのがお酒の御守があることです。

お酒の御守は、猩々守りです。能楽の猩々から来ているようです。

縁起が良さそうな「黄金守り」というのもあります。

 

 

これらのほかに、身体健康、厄除のお守りとして、紙垂守がありました。紙垂(しで)の形です。

5000円もしたのですが、象牙を使っているからのようです。

私は値段の高さからも、妙見御守護、紙垂守りが印象に残りました。

 

秩父夜祭が有名

秩父といえば、秩父夜祭を知っている人は多いです。私も2回見に行きました。ただし、いつも昼に行ったので夜祭のクライマックスを見ていないのです。あまりにも人が多すぎで夕方には帰っていました。

毎年12月2日、3日という冬の寒い時期に行われる秩父夜祭ですが、ここ秩父神社のお祭りなのです。

京都祇園祭、飛騨高山のお祭りと並ぶほどの日本三大曳山祭のひとつです。

秩父夜祭があまりにも有名なのですが、川瀬祭りが夏に行われます。

毎年7月19日、20日に行われる夏祭りです。20日の午後には、神輿が荒川に入って、悪疫退散を祈願して神輿洗いの神事が行われます。

 

その後に行った時、上野町交差点にも秩父神社の神社標があることを発見しました。

写真からもなんだか暑さが感じられるような。

自分が暑かったからそう見えるのか。

 

この写真を撮った少し前、5月には茅の輪も置かれていた秩父神社です。

近くに用事があったので、あまり時間が無かったのですが、大祓以外に観ることは無かったので撮っておいたものです。

 




疫病除けとなっています。


秩父神社は、6月30日の夏越の大祓でも茅の輪が出ているかと思います。



6月の夏越の大祓よりも、少し早めに出たようです。疫病除けのためでしょう。


子育ての虎を写真に。




暑くなってきているので、扉は全開になっていました。



絵馬のあたりの彫刻です。


こうやって秩父神社に行くたびにいろいろと場所を変えて写真を撮っています。

神饌所の前。




神路石です。

奥に見えるのは、柞の稲荷神社です。

 




神社の敷地裏手にある柞の森には、三峰神社もあります。



 

令和2年の夏は狛犬に手ぬぐいのマスクが

こういう光景もあとになったら、どう感じるのか。

狛犬にも手ぬぐいでマスクをしていたということがあったという記録用です。

 



その頃は、赤が厄除け、魔除けになるとお札が貼ってありました。

素戔嗚尊(スサノオノミコト)ですね。悪疫退散の神さまです。
境内に入って左手にある日御崎宮のお札です。

例祭日は7月20日にあるそうです。秩父神社の川瀬祭に合せて行われるとのこと。

宵宮である7月19日の午後7時より執り行われる特殊神事「天王柱立て」の際には、常闇の中、当社の御祭神である須佐乃男神が平成殿前に設けられた天王柱に奉安され、8台の屋台・笠鉾の奉迎を受けます

 



武甲山の伏流水である手水舎にも、赤いお札が貼ってありました。

 



この日は、神馬に会えず。

秩父夜祭りの時は会えますね。



今まで、気が付かなかった謎の石。

なぜここの柱の土台の上に置いてあるのか。

 



今までは参拝で頭を下にしていたので、気が付かなかった大黒様と、恵比寿様。

それと、天狗かな。

 



お正月の時と違って、夏だとゆったり観ることができた子育ての虎

親の心得が書いてあります。

「赤子には肌を離すな。幼児には手を離すな。子供には眼を離すな。若者には心を離すな」

 

 



知知夫神社とも書く秩父神社の額です。

それにしても彫刻が見事です。さすが知知夫国の一の宮。

 



つなぎの龍は、人気なのか、手ぬぐいにもなっています。


 

丑寅の雷神

丑寅(艮)の方向にある雷の神様。

牛または虎の顔が描かれたパンツを履いているという変わった風貌をしています。

節分の鬼も角をはやして、虎のパンツを履いています。

鬼のイメージはそうですよね。鬼門を守る雷様です。

その説明の上には、秩父神社といえば、妙見様で、妙見守りもありました。


禍津日神を祀る禍津日社です。

災禍を正す神様とのこと。

 



境内出入り口に向かって左手にある池です。暑い日だったので、池の鯉が涼しげにみえます。



赤札と書かずに、朱札だったのですね。

疫病除けの護符です。

川瀬祭の素戔嗚尊のお札です。

玄関や扉に貼っておくということで、私もいただきました。

 



平成殿の中にあった古い柱。梁に使ったのか。



余談ですが、朱札は登録文化財になっている建物の前にも貼ってありました。

 

 



今までの秩父、長瀞の神社についてはこちらにも記事を書いてます

秩父今宮神社は一粒万倍日に金文字の限定御朱印「お姿」バージョンに

三峯神社に土日に「白い気」お守りをいただきに行く場合は覚悟が必要(現在は泊まった人のみ)

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