『伊藤真の法学入門[補訂版]』
著者:伊藤 真
発行所:日本評論社
発行:2017年2月25日第1版補訂版
⇒伊藤真の法学入門[補訂版]|日本評論社
>2010年刊行以降、初学者、資格試験受験者から確実に法学の核心が理解できると高い支持を得ている入門書が法改正などに対応して補訂。
皆さんご存知、伊藤真の入門シリーズ。行政書士の勉強をしていて、資格用のテキストでは法学の基本が身に着かず、以前に『伊藤真の民法入門』を愛読していたのと、Amazonの「法学」ジャンルで売れ筋ランキング上位だったので早速購入。
pi:>法学の学習というと、条文を覚えることをイメージしがちですが
法律の勉強をしているとこの類の文言をよく見掛けて謎なんだけれど、学校の勉強の延長で「暗記科目」に対する嫌悪イメージがあるのかな。法律って生ものなので「なんでこの法律ができたんだろう」って考えたらおのずとその法律が活きてくる場面が浮かんでくるし、条文の細かいところはその都度六法で確認すればいい気がするけれど(医療で実際にその病気の患者さんを担当した時にガイドラインを読むようなもの)、試験だと「暗記」せざるを得ないってことかな。専門医試験もテキスト持ち込みできないしね。法律の勉強は楽しい!!社会に生きているという実感!!世の中の解像度がぐんぐん上がる!!
pii:そう、市民への法教育。義務教育でもっと踏み込んで欲しい。憲法の暗唱はしたけれど、法律を実際に活かすための
piv:個人の尊重はとても大事、主体性も大事。但し、それが公衆衛生に関わることだったり科学分野だったりすると、基礎知識や考える力によって間違った方向へいってしまいがち。専門的な分野というのは圧倒的な勉強量と経験に裏付けられるので、素人さんの思い付きは往々にして現実と乖離する。コロナ禍でそれを如実に感じる。自信満々に根拠として出してきた論文やデータの読み方が間違っていることも多々目にする。その点法律は比較的入り口が広く、専門家でなくても学習を進めやすい気がする。そのためにはとにかく基礎!法律の考え方を身に着けること。資格書だけではそこが得られにくい。よってこの本を買いました。
pv:何の前触れもなく「フラー教授」とやらが出てきたので調べてみる。
⇒ロン・フラー - Wikipedia ここに載ってる文献も一通り読んでみたい。
⇒法律・社会科学・人文を中心に書籍を出版-京都の法律文化社- 上記に出てきた文献の出版社、見慣れないところだったので一通りチェックしてみる。
⇒ロン・フラーの法理論 - 東京大学社会科学研究所 検索で見つけた。東京大学社会科学研究所の刊行物『社会科学研究』の一部かな?きちんと引用・参考文献が示されている。これだよこれ!!!文章も平易でとても読みやすい。素晴らしい。
⇒東京大学社会科学研究所:刊行物一覧:『社会科学研究』 第64巻からはオンラインでの刊行に移行しているので、無料で全文が読める。凄い!!ありがとうございます!!面白いテーマが盛りだくさんなのでじっくり読んでみる。全部が読む価値あり。これだからネットサーフィンはやめられない。
⇒社会科学研究所図書室 | 東京大学 東京大学本郷キャンパス内の東京大学社会科学研究所3階にある。本郷三丁目駅から徒歩8分。
⇒利用案内(学外の方へ) | 社会科学研究所図書室 | 東京大学 学外者も利用可!!!閉架式なので事前に書誌事項、所蔵状況、貸出状況を東京大学OPACで確認する必要あり。
遵法精神の低い人というのは、反社会的な性格のみならず、このページで述べられているような法律の成り立ちや意味を理解していないのではないかな。投票率の低さもそう。コロナ禍での反自粛や反マスクの一部も「なんだかよく分からないが、上から嫌なことを押し付けられた」という反発感が含まれている気がする。「なぜそれが必要なのか?」を突き詰めて考えた上で主体的に判断し行動を決定するのでなく、それより遥か前の地点で脊髄反射的に反応しているような。自らが社会の中でどこに位置し社会にどう影響を与えているのか、日頃から考えて行動しないタイプの人は一定数いる。コロナ禍でそういう層が思っていたよりずっと多いことに気付かされてしまった。意識高い系とかじゃなくて、社会の中でどう生きていくかを考えることは全ての人に必須など思っているのだけれど、そういった価値観を家庭や義務教育の中で得る機会がないのかもしれない。
随所に著者の思想が入り込んでいるけれど、一説として読んだり思索のきっかけになるので面白い。
pvi:「コンプライアンス」は医療現場でも出てくることはあるけれど、「CSR」はあまり身近ではない。ある意味社会のインフラとして常に考え続けるものであるので一般企業とは意味合いが違ってくるのかもしれない。
⇒第1章 企業のコンプライアンスと社会的責任(CSR) CSRの概要が掴みやすい。参考文献あり。
⇒調査研究成果|労働政策研究・研修機構(JILPT) 労働政策研究報告書、調査シリーズ、資料シリーズ、労働政策レポート、ディスカッションペーパーなど各種研究成果・レポートあり。検索もできる。
⇒CSR検定:サステナビリティとSDGs CSR検定なんていうのがあるんだ、初めて知った。
>――それは企業・組織や一人ひとりの社会人を「強く」するためです。
>日本社会やビジネスは国際化・グローバル化の波に洗われています。激動する国際社会の中で多くの企業や組織が持続可能(サステナブル)になるために、「CSR検定」は、次のことを目指しています。
本編に入る前に「はじめに」だけでだいぶ費やしてしまった。派生して知りたいことがどんどん増えていく。
⇒伊藤真の民法入門[第7版]|日本評論社
こちらも持っているのは古い版で、最新版は2020年4月施行の新民法の解説と新情報を織り込んで改訂しているので再購入予定。