エアラインは911で街中は311 | プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

世界を動かす「超」大富豪の投資の世界とはどんな世界か?
大富豪の象徴であるプライベートジェットの機長として日本人で唯一、
世界最速で大富豪を生み出す国・中国でフライトをマネージする
Captain Kayが、日本では決して見ることができない世界へあなたをいざなう。

私は今、所要でパプアニューギニアの首都、ポートモレスビーにいる。

所要というのは、ここに到着するプライベートジェットを引き継ぎ、中国までお客様をお連れするというミッションのためだ。

(ポートモレスビーのことについては後日また記事にしよう)

 

さて、ここポートモレスビーにはニューギニア航空による香港から直行便が週に3便だけあるのでそれを使って一昨日来たのであるが、その直前にWHO(世界保健機関)が今回の新型コロナウィルスについて緊急事態宣言をしたところだった。

その影響でいろいろな国が中国からの渡航する者に対して様々な対応をしているのは皆さんも報道で聞いている通りだ。

 

そんなおり、エアラインで中国国外に出るという試みをしたのであるが、出発当日から、チェックインができるのか?、そもそも出国できるのか?、出国したり、到着国に入国するのにどんな条件があるのか?、などなど、会社や友人を通していろいろな情報が錯綜した。

それ以前はパプアニューギニアでは日本のパスポート保持者に対しては到着時にビザを取得する形で入国可能であった。

それが急に、入国のために「Health Certificate」を取得せよ、という通達を出したのだ。

それを聞いたのが出発前日の夜。飛行機の出発は夜だったので当日の昼間になんとか取得できないだろうか?と会社も画策をしていた。

とはいってもHealth Certificateなんていったいどこで取得するんだい??

何か決まったformatでもあるの?

検査事項は何?

どこの機関のものでもいいの?

と数々の疑問がありながら現場は混乱。

 

当日、香港空港のRaffles Medicalでどうやら検査を受けることができるらしい、という情報を得てそこに行くために早めに家を出ることにした(出発時刻の6時間前)。

 

そして香港空港へ向かっている途中、新たな情報が来た。

そのRaffles Medicalでは、直近14日間に中国にいた人は検査を受け付けないというのだ(そんなの、深センにいた私なんかダメじゃん....)。

 

じゃあ、他のクリニックで受けることができるところは??

といろいろ探していると、空港の外のクリニックで受けることができるらしい、という情報がきた。

私自身も、この情報が間違っていることに備えて、深センにあるかかりつけのクリニックになにか証明書が出せないかと問い合わせていたところだった。

 

出発時刻が迫ってきてしまう。

 

どこに問い合わせても確実な情報がない状況で、香港空港に着いた。

そこで新たな情報が来て、どうやら直近14日間のうちに湖北省(武漢がある省)に行ってなければHealth Certificateは不要だというニューギニア航空の担当者からの情報を得た。これはあてにできそうだ(出発時刻の4時間前)。

会社にそれを伝えると、会社もポートモレスビーの現地ハンドラーに連絡を取っていて、信頼できる情報筋からHealth Certificateがなくても到着時ビザの取得で入国可能であるという情報を得たという。

 

まあ、整合性がとれてきた。では以前のままで大丈夫かと思い、チェックインカウンターに並んでいた。

 

ところが、我々の順番が来たところで、チェックインカウンターの係員が「到着時ビザでは一律入国できないから、チェックインもできない」と言い出したのだ!

おいおい、また情報が違うじゃないか!と思い、係員に「そんなことはない。我々はこのようにauthorizeをもらっているんだよ~」とeメールの記録を見せた。

でもやはりダメ、なんだという。

 

まあ、係員はエアラインの上層部(もしくはパプアニューギニア政府)からそのように言われているのだから、我々が出どころが不明の情報を提示したところで何を言っているのだ?と思うのも無理はない。外交官旅券でも持ってないとダメだってことだ。

 

会社の担当者にそのことを電話で連絡し、直接係員と広東語で話してもらってもダメなものはダメだということだった。

 

我々がやり取りをしている間も他の場所で旅客と係員が言い争いをしている。

 

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じゃあ、なにか他に方法ないの?なんとかならないの?と聞いてみるとE-Visaで登録すればOKなんだという。

おいおい、そんな方法があるならもっと早くから言ってくれよ~~!

 

 

このE-Visaとはインターネットであらかじめ登録しておくビザのことだ。日本のパスポート保持者は受付可能対象になっている(中国はダメ)。

ということでスマホの小さな画面と格闘してその登録をする。

チェックイン終了時刻が迫っている焦りもあり、ネットが切れたり、ページが正常に変わらなかったりなかなか登録がうまくいかなかったりするんだよねえー。そのくせ記入事項がすげー多い。

私と一緒に飛ぶキャプテンなんか3回もやり直しをしていた(苦笑)。

 

そしてなんとか登録と支払いをオンライン上で済ませ、その記録をエアライン側に転送。やっとOKが出た!

その時出発時刻の50分前だった。

かろうじて荷物も預かってもらい、チェックインを済ませた。

 

会社の担当者もかなり焦っていたようで、「なんとかチェックイン成功」と伝えたところグループチャット内で喜んでいたよ(笑)。

 

ということで無事ニューギニア航空に乗ってポートモレスビーまで来ることができたのであるが、思えばこのような状況は19年前の911世界同時テロの直後を思い出す。

あの時もテロ直後のエアラインオペレーションや空港のセキュリティなど、みんながナーバスになり、いろいろな情報が飛び交い、現場が混乱していた。そのためあちらこちらで通常の流れが止まり、思わぬことに時間を割かれるようなことが起きていたのを思い出す。

余計な時間がかかったため、飛行機に乗り遅れることもよくあった。

 

一方、中国の街中は9年前の311東日本大震災直後を彷彿とさせる状況だ。

街からは人がいなくなり、スーパーから品物がなくなった。そしてマスクを買い求める人たちで長蛇の列をなしていたり、危険と思われる場所から逃げ出す人が押し寄せる。

 

 

マンションのエレベーターでは、ボタンを押すのに直接触らず、つまようじを使うようにとの指示が出ている。

 

マンション敷地内では常に消毒作業が行われている。

 

 

そしてあらゆる場所で検温。

 

 

 

新型コロナウィルスによる感染者数と死亡者数はいまだ増加しており止まる気配がない。

深センでは私の住むマンションの近隣でも感染者が確認されているという。

静かに、でも確実に近づいている。

 

311の放射能も怖かったが、今回のウィルスも怖い。

 

中国はこれからいったいどうなってしまうのだろうか...............

 

 

 

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