最近の新型コロナウィルスの蔓延で各国が人の出入りの制限をしてきているのは皆さんもご存じの通りだ。
香港は明日3月19日午前0時からすべての入国者を強制的に14日間の隔離に踏み切る。
台湾は同じように19日から日本からの入国者に強制的に14日間の隔離をする。
マレーシアは本日18日からすべての外国人観光客および訪問客の入国を禁止した。
少し前に発表されたアメリカでも欧州からの人の受け入れを禁止することで急遽移動しようとこのように空港が大混雑をしているらしい。
中国では現在、ヨーロッパやアメリカで急速に新型コロナウィルスが蔓延してきているため、すでに現地に移民として住んでいた中国人たちが「中国の方が安全だ」と判断してこれらの国々から戻ってきている。
そのため、中国政府は外国からの感染者に非常に神経をとがらせていて、北京では国外から来るすべての者を集中観察所に移送し,14日間の隔離観察を行う事を発表した。特定の国からの渡航者ではなく、「すべての国」からの渡航者が対象となっているのが衝撃的だ。
中国では外国からの航空便は北京、上海、広州に主に到着するので北京がこのようになると上海、広州も同じような対策をするのは時間の問題だ。
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さて、このように各国、各都市が制度上のバリケードを設けてきていても、世界にはどうしても移動しなくてはいけない人たちがいる。
エアラインが相次いで航空便を削減し各国・各都市で制限を設けてきているため、移動そのものができなくなってきているのだ。
そこで登場するのが「プライベートジェット」ということになる。
プライベートジェットなら、不特定多数の人たちとの接触を最小限にできることと、国際線エアラインが現在飛んでいない都市(大都市以外の世界中の都市が今はそのような状態だ)にも直行でいくことができる。空港でもほとんど人と会うことなしに入国し、専用車で自宅なりホテルなりに向かうことができる。まさにウィルスから身を守りながら移動するにはうってつけな乗り物なのだ。
もちろん、プライベートジェットは一般の人たちが利用するようなものではない。ただ、お金をいくら出してもいいと思っている人たちにはかなり魅力的に映るようだ。
わが社にもチャーターで使いたいという問い合わせがひっきりなしで来ているとのことで、私も昨日、チャーターされた乗務をしてきたところだ。
プライベートジェット業界にはちょっとしたミニバブルが発生している。
↓CNNの記事(日本語)
しかし、これはすぐにはじけるようなバブルだと私は考えている。
「プライベートジェットで入国なら感染検査などされずに入国できるのでは?」と安易に考える人たちが一定数いるようだが、はっきり言ってそれは違う。プライベートジェットに乗ってきても当局で定められた検査をされるのに例外はない。そもそも公衆衛生に関わることなので、そんなことで例外を設けていたら安全が脅かされてしまう。
少し前まではヨーロッパから直行でプライベートジェットで中国に帰ってきたいという要望が多かったのであるが、最初のころは対応できたものの、現在ではヨーロッパから戻ってきたクルーは強制的に14日間隔離となってしまうため、断らざるを得ない状態だ。クルー全員が14日間乗務できなくなるというのは会社としても大きな損失で、その全クルー14日分のコストを追加で負担してまでもチャーターしようという客はまずいない。それができるのは飛行機を所有し、オペレーションコストすべてを負担しているジェットオーナーのみ、なのだ(だからジェットオーナーはすごいのだ!)。
わが社の他の機材でのチャーターで、つい最近、チャーター客の中から陽性判定者が出てしまい、現在、それに乗務したクルー全員が検査および14日間の隔離に入ってしまった。
私が昨日乗務したチャーター客も中国入国時には一連の検査を受けて陰性だったという報告を受けてはいる。しかし新型コロナウィルスの厄介な点は14日後に検査して陽性が判明するケースが結構あるということで、そのため、中国で隔離を受けると隔離前に検査、そして隔離明けにもう一度検査を受けることになっている。私もこれから14日間は落ち着かない日々が続くことになる。
イタリアはすでに「ヨーロッパの武漢」になってしまっているし、イタリア周辺の国々は浙江省や北京、上海、広東省のようになってきている。
中国では2か月前にそのような状況になってすぐに強制的に湖北省を封鎖した。そして有無を言わせることなく強制的に人の動きを禁じたり、マスクをさせるようにしたり、いたるところでの検査・隔離を徹底させたりしてきた。市民も不便を甘受してきたがストレスも溜まってきている。それだけやっても(コントロールされてきているとはいえ)、まだまだ患者がいなくなって収束に向かっているわけではないのだ。ならばそこまで徹底してできない国や地域では結果がどうなるかはおのずとわかるだろっ?っていうことなのだ。
航空業界にはまだまだ(たぶん2-3年は)苦悩の日々がつづくことになりそうだ................
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