吉本興業ホールディングス株式会社 代表取締役社長 岡本昭彦 記者会見 その4
――(宮迫・亮)の処分を解くとなると、そのほかの芸人との整合性がとれないのでは?
岡本:それも含めて、まずテーブルについて話をするということを会社としてはまず考えなければならないということです。こちらの考え方を今日、まずお伝えしたと言う事で、それを彼らが要望するかも含めてこれからのことと考えています。
――芸人との信頼関係を築けてない、内部統制も取れていないのではないか?
岡本:僕の不徳の致すところです、申し訳ございません。我々もコンプライアンスを遵守してまいりましたが、このようなことが起こって再発防止も関係各所と相談して進めておりますので、ご理解いただきながらできることをやっていければと思います。
――「クビにするぞ」と社長が言うような会社はあり得ないと思う。ご自身がこの会社の社長にふさわしいと考えているか?
岡本:僕的にはタレントやいろいろな人から怒られたりしながらも、ひとつだけ思っているのは、笑いを愛して、笑いを作られる方、笑いを表現される方を愛しているというところにおいては、人一倍思っていることだと思います。ただそれをどう伝えていくかにおいて、未熟でありダメで情けないということで、その思いをきちんと伝えられるところから始めなければと思っています。
――この件について、大崎会長はどのように関わっていたのか?
岡本:大崎とは密にコミュニケーションをとっていますが、現場を率いていたのは私です。(意思決定については)当然、相談や確認をし、ともに決定するケースもあります。
――闇営業については、事務所はどの程度把握しているのか?
岡:今回の件を受けて、「直接」の営業の場合も会社にきちんと相談、報告を、反社のチェック体制も含めて、行っていけたらというふうに思っております。(これまでについては)甘かったというよりは、より徹底をということだと思っています。手口が本当に巧妙で、普通には分からないということは今回私たちも学んだりしましたので、徹底しなければいけないと考えています。
司会者:小林より修正があります。
小林弁護士:さきほど(宮迫氏の)引退について説明がありましたが、もとより、7月6日から引退意向を何度も言われていましたので、「もともとの意向」というのは6日の時点と言うことです。
──宮迫さんと亮さんには処分撤回の話をしている?
岡本:言っていません。
──お二人はこの会見で結果を知ることになる?
岡本:そうです。
──吉本サイドに亮さんと宮迫さんに、放送を受けてミーティングをしようという話はしていないのか?
岡本:それはまったくありません。
──松本人志さん、大崎会長を含めて話をしましたか?
岡本:話しました。それ以外のタレントさんも含めて話をしました。
──松本人志さんはどのようなことを言っていましたか?
岡本:僕のダメなところはありますから、きちんとやるように。がんばれとか。東野さんとか他のタレントさんからもありました。
──大崎会長からは?
岡本:しゃべりすぎて忘れました。他のスタッフも含めてこの件についてミーティングをしていますので、その時々で話をしています。
──時間的には?
岡本:けっこうやってます。5時間ぐらいはやってます。
──在京・在阪テレビの株主ということで、テレビ関係者と協議したことはあるのか?
岡本:いえ、ありません。ただ、現場は各局編成さんとかは、リリースも含めて報告させていただいてます。
──明石家さんまさんなり、松本人志さんなりを交えるなど、ミーティングの具体的な形は?
岡本:具体的なものはありません。
──若手の芸人も吉本興業について発言しているが。
岡本:いずれにしましても、若手からベテランまで、今一度きちんと話をしていくということでと思っていますので、声を等しくきちんと聞いていければいいと思います。
──松本人志さんが吉本の傘下に「松本興業」のようなものを作るという話を昨日の番組でしていたが。
岡本:名前は別にして、プロジェクトとしては松本さんが若い芸人が活躍できる場所、さんまさんが宮迫くんや亮君のことも含めて、今回のことをサポートするということはあります。2人以外のことも含めて、きちんと話をしながら進めていければと思います。
──今後、新たな反社会的勢力との関係で問題が出てくる可能性は?
岡本:全員のヒアリングがすんでいるわけではありませんので、(問題があれば)みなさまに報告していきたいと思います。
──どのような形で報告するのか?
岡本:きちんとホームページに発表させていただきますので、速やかにあげていけるようにします。
──どれくらい前からさかのぼって調査しているのか?
岡本:今回のが2015年ぐらいだと思うんですけど、とにかく思い出すまで思い出してもらう。気になることとか、こんなこともあったということをみんなに聞いて、ミーティングしている状況です。
──週刊誌で後から記事が出るのをおそれたのでしょうか?
岡本:そのことを恐れるというよりは、本当に思い出してもらって。会社が何かを隠すとか、そういうことはまったくないです。
──まったくないというのは事実なんですね。
岡本:はい。
──宮迫さんの契約解除の理由にある「重大な支障」とは?
小林:7月上旬から引退表明をしていて、弊社へ虚偽の報告をしていたということも含めてです。リーダーとして止める立場にあるにもかかわらず、口裏合わせを主導したという責任も含めてです。先週のフライデーの記事についても、今後、マネジメントができないと。
──金塊窃盗犯とのつながりはについては?
小林:(宮迫氏は)認識は否定しております。ギャラもなかったと説明を受けております。
──調査が完了しないうちに、判断されたということですか?
小林:一度、契約解消しておりますが、今後、もう一度話をしてもらってということになります。
──反社がスポンサーであることのイベントがあったのは、いつわかったのか?
小林:5月末に直撃を受けて、ヒアリングを受けたのが6月3日で、その時です。入江君のヒアリングは6月にしましたが、うちが主催をしたのではなく、ブッキングをしたということです。そこから調査をしまして、相談をしにいっているということです。
──吉本興業が公表しなかったのは、なぜか?
岡本:今も調査中で、その調査に時間がかかっているということです。
──芸人さんばかり責められているのに、会社も間接的にもらっていたということを公表するという判断はなかったのか?
岡本:主催者までの反社チェックをしてました。それでも(再度の)チェックには時間がかかりますし、関係各所調査中ということです。なので、発表しないということでありませんが、調査中ということです。
──今日、それを公表したのはなぜか?
岡本:調査中ということも含めて公表させていただいたということです。
──宮迫さんは契約解消はやめて謹慎は続いているということですか?
小林:まず、宮迫さんの処分については通知を出していますので、効力が出ていますので、一度お話をさせていただきたいということです。
──契約解消についてですか?
岡本:そうです。
──謹慎処分は続いている?
岡本:はい。
──宮迫さんが契約解除になったのは?
小林:宮迫さんについては20時にリハーサルをしようとしたが連絡が来なかったということで契約解除の通知になりました。
──希望者には書面で契約書を交わすということでよろしいですか?
岡本:タレント一人ひとりと話をしていった場合、希望する子がいれば検討していきたいと思います。
──今後、会社としてやることは?
岡本:僕はまず、いろんな人の声を真摯に聞いて、謙虚にやっていくことだと思います。
──6月24日のヒアリングの時間は?
岡本:ヒアリングは朝の9時からスタートしてたと聞いてます。
──どのような形で「テープ録ってるのか」という話が出たのか?
岡本:4人を部屋から退出してもらって、まあまあ、という感じで「テープ録ってんちゃうん」と言ったところ……。
──どのタイミングで「クビや」と言ったのですか?
岡本:どのタイミングといいますか、それまで(芸人たちは)「僕は発表したい」「僕はもらってない」「そんな自分だけ発表するだけおかしい」「リリースの文言はこう書いてほしい」みたいなことをずっとやりとりをしてたので、「もうええかげんにせい」という発言をしております。
──宮迫さんは「それで(萎縮して)何も言えなくなった」と言っていますが。
岡本:僕はさきほども申し上げましたけれども、彼らとの距離感も含めて、それが身内みたいなつもりで思ってたところが、そういうことではなかったということは、反省しなければならないと思っています。
──謹慎によって吉本興業が受けた損害額は?
小林:現状の損害額は見積もっていません。編集費やイベントのポスターの刷り直しなどは考えていますが、現在でも計算はしていません。
──株主としてテレビ局に圧力をかけることができるのか?
小林:まったくそんな意志は考えていません。物理的に不可能ですし、さっき説明した通りです。
──記者会見で生放送をするにはテレビ局への時間的配慮が必要だったとのことですが、今回はテレビ局と相談したのか?
岡本:そういうことはしていません。
──不祥事に対して謝罪するのに調整が必要なのか?
小林:(日程ではなく)時間帯の調整を言ってますので、可能な限りの調整をするというのは当然だと思います。
──社長辞任は検討したのか?
岡本:そういうことを考えることの手前で、今やらなければならないことがありますので、まず(社長を)やることを専念していました。
──辞任を考えていないということですね。
岡本:はい。
──減俸50%の基準は?
岡本:世の中一般のことはありますけど、我々がどういう形を示していくかということで、決まりました。
──減俸額について被害者団体に寄付することについては?
岡本:減俸額は寄付ではなく、どういう形で寄付やボランティアをやっていくかを考えています。
──説明責任は果たせているか?
岡本:100%果たせているかというと、足りていないということもありますが、とにかく責任を果たし続けなければならないと思います。
──芸人からはいろんな声が上がっているが。
岡本:いろんなタレントさんがいるわけで、(会見だけで)「わかった」ということにならないでしょうし、SNSも含めて一般の方も含めて理解を得られていないということなので、続けていきたいと思います。