吉本興業ホールディングス株式会社 代表取締役社長 岡本昭彦 記者会見 その5 | 星が語る『Star』~Astrology Cafe~

吉本興業ホールディングス株式会社 代表取締役社長 岡本昭彦 記者会見 その5

──信頼を取り戻すことができるか?

岡本:それをやらなければならないし、やり切るということです。

──吉本興業を辞めたいというタレントはいるのか。

岡本:現時点では、そういったことを聞いていません。

──加藤浩次さんの「(吉本興業を)辞める」という発言については、どう思うか。

岡本:僕らとしては、今の時点で何がどう、誰がどうということではありませんので、まずは話をしていかないといけないと思います。まずは本人と話してということだと思います。

──大崎会長は朝日新聞のインタビューでは会見するつもりはないとのことでしたが。

笠井広報担当:当初、該当する芸人たちがお詫びをしたいという気持ちはありあました。ただ、被害者がいるなか、そうした準備ができていなかったなかで、御社の取材がありました。

──取材の時には出版社が反社会的勢力とつながっている可能性も指摘していましたが?

笠井広報担当:そういった可能性があります。警察当局含め、接触があるのではないかということはあります。それだけではなく、該当芸人が(金銭授受の)事実を否定していることが、記事に載っているということは名誉毀損にあたると思います。

──宮迫さんとはどういう話をするのか?

岡本:彼らが「わかりました」ということがあってはじめてテーブルにつける話ですので。(処分を)撤回して、まずテーブルにつける環境を彼らが「わかった」と言ってもらえるのであれば、準備をするということです。

──体制を一新しない理由は? 岡本さんが社長を続けなければならない理由は?

岡本:今一度寄り添って全力で頑張る。一番頑張らなければならないので、今の状況を変えるために(社長を)やるということです。

──岡本社長にしかできないこととは?

岡本:みんなに後で聞いておきます。

──共同確認書の中身は。法的拘束力があるのか。反社を退けることができるのか?

小林:共同確認書の中身は、コンプライアンスの一環で反社会的勢力の一切の排除についてです。直営業については、今後は会社に報告するということも入れています。タレント、社員の共同宣言ということでもあります。
 

──法的な拘束力は。

小林:あります。共同確認書を読み上げます。

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 共同確認書

 吉本興業ホールディングス株式会社と所属タレントは常に法令およびコンプライアンス重視の精神に従い、以下の事項を共同して誓約・宣言します。タレントは世間から長く愛されるタレントとして活躍するため、常にみずからの演芸の機能向上に努め、吉本はタレントの芸能活動に支障が生じるような紛争の防止およびその解決に努めマネジメントにあたります。

1)タレントは反社会的勢力(暴力団、暴力団関係企業、団体およびこれらの構成員等を指します)、また社会的に非難される者と関係を有することとならないよう、私生活上の事柄を含め注意して行動します。また常にコンプライアンスの意識をもって活動し、特に薬物、性犯罪、賭博といった犯罪行為や、知人関係を含め、みだりに金銭を受領したり拝借する関係をもたないことを誓約します。万が一、反社会的勢力との接触が生じたり、トラブルが生じた場合は即時吉本に報告し、吉本はタレントと連携してその解決にあたることとします。

2)タレントは芸能活動にあたり、吉本や他事務所の名誉、信用、営業情報、個人情報などのその他一切の秘密情報の取り扱いについては十分に注意します。

3)タレントは自身のメディアでの発言に強い影響力があることを自覚し、他人を傷つけるような発言や差別的な発言にならないよう、表現には細心の注意を払います。特に、SNS、ツイッター、フェイスブック、グーグルプラス等のソーシャルメディア、ブログ、掲示板などの利用にあたっては、その公開性、永久性、匿名性などに十分注意し、利用することとします。

 吉本はタレントのSNS利用等について適切な教育や啓発活動を継続的に行います。タレントは、自らの活動を行っていくにあたり、他人の著作権をはじめとした知的財産権、肖像権、パブリシティ権を尊重します。

 タレントの芸能活動の成果については、期間、地域の制限なく、放送、ビデオ化、インターネット送信、その他将来開発されるメディアに利用されることとし、吉本は、これらの成果物やタレントの肖像、パブリシティを利用することによって収益が最大化されるよう、適切に成果物やタレントの権利を管理・保護いたします。

 タレントは、テレビ、雑誌などのメディア、あるいはイベント、または興業主催者などから吉本を通じず芸能活動の依頼を受けた場合、その旨を吉本に報告し、対応を一任いたします。

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──芸人・タレントファーストと言っていましたが、会社としてサポートする仕組みはあるのか?

岡本:制度というよりは、彼らが仕事ができる環境をどれだけ整えて作っていけるかということです。

──調査中の段階で会見をするつもりはないという決定は、大崎会長の意向か?

岡本:会長の意向とか、そういうことではありません。会社として、法務のスタッフや調査関係者も含めて決めて言っているということです。

──大崎会長は、謹慎中の芸人ついては経済的に支援すると言っているが。

藤原:謹慎しているメンバーと細かくミーティングをしています。奥さんや子どももいるタレントもいますので、いま、生活に必要な金額を聞いて、足りない分を補填して、謹慎が明けたところで返していくということも考えています。今月末から実行することになっています。また、社内だけではなく外でできる活動、被害者へ支援する活動も考えています。

──入江さんは、(闇営業先を)反社会的勢力と認識していなかったと説明していますが。

岡本:我々としてはそう考えています。

──知っていたか、いないかに関係なく、仲介したことを重大だと考えているのか?

岡本:そうです。

──共同確認書に違反した場合、処分を受ける可能性があるのか?

岡本:そういうことが起こった場合にどう対処するかは、社員も等しくサインをしていきますので、そういうことを遵守していくことだと思います。

──ギャラの記述は入れないのか?

岡本:今後、タレントさんがそれぞれどうやっていくのがいいかということは、話を聞きながら考えていきます。

──一番最初の調査体制は十分なものだったのか?

岡本:入江くんの件については妥当だったと思っています。あとは本人たちのヒアリングが大切ですので。(調査はギャラを)もらっていないと言ったことから始まってますので、疑っていませんでした。入江くんを疑うことはなかったです。

 

──どういう態勢で調査が行われたのか?

岡本:現場のマネジャーではなく、藤原も含めてヒアリングをしているということです。

──やむをえなかったということでしょうか?

岡本:「もらってない」ということで始めてますから、それを信じたということです。

──吉本興業のガバナンスの問題点は?

岡本:コンプライアンスについては後手に回っているというよりは、より強化することだと思います。10年前から続けていることですので。今回のことは真摯に反省し、完璧を目指して強化していくということで、後手に回ったことではないと思います。

──岡本社長の考える問題点は?

岡本:芸人さんとの日常のコミュニケーションが足りていないことが問題だと思います。

──入江さんの処分については?

岡本:入江くんの場合は、直接の仲介をしてたということもありますし、そういうことです。知っていたか、知らなかったということではないです。

──「会見をしたいなら、引退か契約解除する」という吉本興業から宮迫さん、亮さんに渡された文書は、誰が作成したのか?

岡本:文面は小林が考えました。

──岡本社長の意図も入っているのか?

岡本:僕も確認して、送ったということです。

──金塊窃盗の被告との写真については、宮迫さんはギャラの受け取りを否定しているが。

岡本:それは宮迫君ときちんと話をしていきます。ミーティングのテーブルについていただけるかということもありますから。その時はそのことも含めて。その前にテーブルについていただけるか、ということもあります。

──宮迫さんの話では(店の店長という)証人がいるということですが。

岡本:弁護士同士の話では、そういうことになっています。

──弁護士は聞いているのか?

小林:具体的に店長がという話は聞いていません。

──聞き取り調査を実施したのは?

小林:18日です。

──宮迫さんから説明を受けるつもりはあるか。

岡本:ウチらが直接聞き取りをしたことは実際にできてませんので。直接聞いたら、「そうだよね」となると思います。

 

──どういった形でヒアリングが進められたのか?

岡本:写真誌から問い合わせがあった場合に、直接ヒアリングをして、状況などを確認することになっています。

──会見が5時間近くになってますが、芸人さんたちが岡本社長の話で納得していると思いますか?

岡本:SNSにもあったように、十分ではないこともあると思います。

──具体的な対策が見えてこないのですが。

岡本:現場のマネジメントを、人数も含めて強化します。人数を増やすだけではなく、タレントさんと向き合えるスタッフをどれだけ拡充できるか、話を聞いていける人を増やすことだと思います。

──今後は書面での契約書を作っていくのか?

岡本:NSCを卒業した生徒さんには、コンプライアンス重視の内容にサインをしていただいて、ウチの仕事をやっていただくと。基本は契約書なしで、人間関係でということはベースであることは変わらないと思いますけど、話は多岐にわたりますので、いろんな話を聞いていきたいと思います。

──契約書がない場合、損害賠償請求もできないと思いますが。

岡本:過去、タレントさんが事件や事故を起こしてクライアントに損害を与えても、タレントさんに請求したことはありません。

──宮迫さんにメールなどで処分撤回について事前の連絡は。

岡本:まだしてないです。

──亮さん、宮迫さんの会見の中で言われたことで反論できることはありますか。

岡本:反論はないですけど、思いをもう一度伝えることだと思います。

──事実で違うことはないということでしょうか。

岡本:まあ……。違うところはあると思いますけど。

──その部分を教えてください。

岡本:すみません。受け止め方の違いといいますか、それについて話ができればと思っています。

──事実と違うところは。

岡本:認識の違いがありますので、本人たちと話ができればと思っています。

──言ったことに間違いはないけど、認識が違うのか?

岡本:認識の違いはあるということですね。

──宮迫さんと亮さんの言っていることはすべて事実ですか?

岡本:もう一回、何を言っているかということも精査して、そこでもう一回、僕なりに理解できればと思います。
 

──東京進出をしてから岡本社長が変わってしまったことはあるのか?

岡本:僕の中では、若いころに東京に来てからの気持ちというのは忘れてないつもりです。お笑いを愛する人たちをサポートすることが僕の中でやってきたことだと思ってますので。それが今、思いが変わってないつもりですけど、行動がどこまで伴っているかというと、それは見直していかないといけないという思いは非常にあります。行動をあらためるということに尽きるかなと思います。

──これまで気づくタイミングはなかったの?

岡本:その時々、身近な方に注意をしてもらっていたが、今回、これだけの状況を起こしてしまったということについては、非常に反省しなければならないと思っています。

──加藤浩次さんとのミーティングはいつか?

岡本:これからスケジュールを調整すると思います。

──芸人からギャラの比率が5対5というのはおかしいという意見が出ているが。

岡本:全体の平均なので、個別具体的にということではありません。

──今回処分を受けるのは、岡本社長と大崎会長だけか?

岡本:代表2人だけが処分を受けるということです。

──行動を改めるとは、どういうことか?

岡本:タレントさんや現場の人たちと真摯な姿勢で話を聞くということだと思います。

──これまでは真摯に聞けていなかったということか?

岡本:結果としてそういうことがあったと思います。

──社長のできることについて「みんなに聞いてみます」というのは無責任な発言だと思うが。

岡本:所属のタレントがきちんと才能が発揮できて、発揮できる環境を作り、それがアジアや海外に展開できるかということに僕の役割があると思います。

藤原:「みんなに聞いてみます」というのは僕らを信頼してもらっているというのもあります。岡本は厳しいですけど、愛が芸人に伝わっていないというのは、ここは本当にしっかりやっていきたいと思います。

司会:最後に弊社岡本より、ご挨拶をさせていただきまして終了とさせていただきます。

岡本:本日は大変長い時間、本当にありがとうございました。最後に改めまして、今回、反社会的勢力からの被害にあわれた方々に対しお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。

 吉本興業は創業107年の会社になります。今まで唯一変わらないのは、何ものにも代えがたい笑顔を提供してきた会社であり、その笑顔の源をつくる約6000名からなる所属していただいている才能をお持ちの方々、約1000名のスタッフ、それを支えていただいている株主の皆様、関係していただいている方々、そして何よりもその価値を見出していただいているファンの皆様方のおかげで成り立っている会社であります。にもかかわらず今回、ここまで騒ぎが多くなりご迷惑、ご心配をおかけしましたことは、ひとえに私の力のなさによるものであり誠に申し訳ございませんでした。今後、今一度皆様方から信頼を得られるよう、反省して、真摯に受け止めていきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

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