【若紫136-3】古文単語「山おろし」☆
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、漢字を想定して掌握できる古語☆
【今回の源氏物語】
暁方になりにければ、法華三昧行ふ堂の懺法の声、山おろしにつきて聞こえくる、いと尊く、滝の音に響きあひたり。
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今回出てきた古文単語
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■【暁方(あかつきがた)】…夜明け方
■【に】…時を表す格助詞
■【なり】…ラ行四段動詞「なる」連用形
■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形
■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【法華三昧(ほけざんまい)】…法華経を通して真理に悟入する方法
■【行(おこな)ふ】…勤行する。仏道修行する
■【堂(だう)】…お堂
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【懺法(せんぼう)】…諸経典の諸説によって罪を懺悔する儀式の法則
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【声(こゑ)】…(読経の)声
■【山おろし】…山から吹き下ろす風
■【に】…対象の格助詞
■【つき】…付く。ぴったり合う
■【て】…単純接続の接続助詞
■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形
※【聞こゆ】…聞こえる
■【くる】…~て来る
■【いと】…とても
■【尊(たふと)く】…ク活用形容詞「尊し」連用形
※【尊し】…けだかい。高貴である
■【滝の音】…滝壺に水が流れ込む音
■【に】…対象の格助詞
■【響きあひ】…ハ行四段動詞「響きあふ」連用形
■【たり】…存続の助動詞「たり」終止形
◇ 今回は「なり」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「山おろし」☆
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暁方になりにければ、法華三昧行ふ堂の懺法の声、山おろしにつきて聞こえくる、いと尊く、滝の音に響きあひたり。
問)傍線部の意味として最も適当なものを1つ選べ。
1.山にこだまする滝の音が響いてくる
2.山奥の寺にまつわる話を聞いたことがある
3.山から吹き下ろす風にのって読経の声が聞こえてくる
4.山の神様にちなんで懺法という名がつけられている
5.山から降る雨音が、大きく聞こえて来る
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
「山おろし」の「おろし」って
「下」かんむりに「風」って書くのね!
【答え】…3
暁方になりにければ、法華三昧行ふ堂の懺法の声、山おろしにつきて聞こえくる、いと尊く、滝の音に響きあひたり。
● 過去記事リンク
■きこゆ
■いと
■響き
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