|
カテゴリ:本・雑誌
新型コロナ騒動で、室内滞在時間が増加の昨今です。なので英語本を適時、読み直している。 その中で、鳥飼 玖美子 『本物の英語力』 (講談社現代新書) 発行 2016/2/17、価格800円は良い本。 この本は、5年ほど前にジュンク堂大阪本店でブラブラ歩きしたときに購入したが、日常煩雑で忘れていた。数ヶ月前の本棚整理のおかげで再発見した(苦笑)。 鳥飼 玖美子氏は、日本の同時通訳者の草分けとして知られており、新聞の文化欄記事やらテレビ番組の内容から「まともな人物」とみなしていた。分かり易いところだと、TOEICについて「日本人と韓国人向けの検定試験の1つに過ぎない」とまともな批判をしてきた人です。 TOEICは大書店に行けば分かるように、下位ないし底辺私学や専門学校の講師を中心に「テキトーな対策本」が多く販売されているが、アカデミック上位大学だと、よほど高得点でないと評価が良くないのが実態です。私の印象だと販売営業マン向けに見える。英語学習用には他の教材や検定の方が良い。 「英語を何のために勉強するのか?の視点が弱いのが、TOEICの基本問題」ですね。 今回の新書でも鳥飼 玖美子氏は、TOEICを直接批判していないが、褒めてもいないんです(笑) 英語の発音は日本人には難しい構造的な問題が昔から指摘されていますね。この新書でも扱っている。 有名な例だと、LとRの発音区分や聞き取り区分です。たとえばRightとLightの区別は困難です。 英語圏育ち以外の、ほとんどの日本人は、LとRだけ異なる単語の識別は無理でしょう。 会話の前後や現場の文脈情報あれば区別できることもある・・・内容から判断するしかないですな。 【この新書の目次】 はじめに 第一部 英語は基礎力──発音、語彙、コンテクスト、文法 第1講 「なんで英語やるの?」 第2講 「発音」は基本をおさえる──「国際共通語」はハチャメチャ英語ではない 第3講 先立つものは「語彙」 第4講 「コンテクスト」がすべてを決める 第5講 話すためにこそ文法 第二部 英語の学習法──訳す、スキル、試験、デジタル、そして映画 第6講 訳すことの効用 第7講 英語はスキルか内容か 第8講 英語力試験にめげない、振り回されない 第9講 デジタルと英語教育 第10講 映画で英語 第11講 長崎通詞の英会話習得法 第三部 英語の実践──語学研修、留学、仕事 第12講 英語を書く 第13講 語学研修と留学 第14講 仕事に使える英語 第15講 英語学習は未知との格闘 あとがき 学習教材や実務英語の参考として利用するのが好適な新書です。 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 【個人的な補足】 ちなみに、私の出身中学高校は、いわゆる底辺校だったので、授業は半分崩壊していた。高校にひとり灘高校で教育経験ある講師が1人いて、効率的な学習方法を展開していたのが記憶に残るぐらい。 私は基本的に、美誠社の慶応大・高梨健吉『基礎からの英語』中心の独習暦です。なので英語耳はたいしたことないが、読解・文法・基本作文はまずまず。 美誠社の案内 私の専門領域(計画工学、データ解析、応用統計、リスク評価、マーケティング)の英語文書が読めて英語文書作成が基本できれば、実用的に問題ないスタンスです。専門領域固有の用語や語彙や内容表現・英語理解は一般の英語検定では扱えない。発音とリスニングは、用語を限定して強化学習すればよいでしょうな。 なお社会人の大学受験経験者の再学習向け教材としては、 個人的には『ALL IN ONE』(発行:Linkage Club)が安くてよい印象です。 大手書店やアマゾン、楽天などで販売中
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年04月17日 14時48分21秒
コメント(0) | コメントを書く
[本・雑誌] カテゴリの最新記事
|