◇あらすじ◇

かのアルセーヌ・ルパンが唯一盗むことに失敗したことに失敗した秘宝プレッソン・ダイアリー。

その謎を解き明かしたものは、莫大な財宝を手にすると言われている。

そんな伝説のターゲットを狙うルパンは考古学を愛する少女レティシアと出会い、2人で協力して謎を解くことに。しかし、プレッソン・ダイアリーを狙う秘密組織の研究者ランペールと、組織を操る謎の男ゲラルトが2人の前に立ちはだかる。

 

◇感想◇

原作のモンキー・パンチ先生が待望していたフルCGのルパン三世をやっと観ることが出来ました。

観終わった感想としては、

2Dのルパンと遜色なくキャラクターの再現はよく出来ているものの、ストーリーが旧来の作品から抜け出していない印象でした。

 

ルパンのコミカルなアクションにしても結局は旧作の再現であり、アルセーヌ・ルパンの話も初めてではなく、新しいヒロインのレティシアにしても、新たな魅力があるかと言えば、そうでもない。

 

カーチェイスや後半の目的地やお宝となるもののの造形はCGならではといえるものの、驚くほどではなかった。

 

パンフレットを読むと、2015年から始まったプロジェクトの苦労が垣間見えるのですが、洗練されたピクサーなどのCGアニメからすると、まだまだのように思えるし、旧来のルパンシリーズからしても、魅力不足なのは否めない。

 

近年のルパンといえば、

今年新作が公開された、「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」のシリーズは第1シリーズに戻ったようなハードボイルドな世界観の再構築を行っており、私個人的には最も大好きな作品群になっています。

 

もう少し遡ると、ルパン三世PART4シリーズでは、ルパンの結婚相手レベッカ・ロッセリーニの存在はその財力をを使って物語を左右するような強く印象に残るものになりました。

 

ルパン三世PART5シリーズでは、アミ・エナンというハッキングを得意とした少女が物語のキーとなり、ルパンたちの手助けをする場面が幾度となくあり、ルパン自身もデジタルツールを使いこなすキャラクターへと進化していました。

 

このような新たな魅せ方に取り組んでいる2Dのルパンと比べると、まだ頑張りが足らないということを感じました。

 

それでも、細かいところを観てみると、ルパンの赤ジャケットの素材が革っぽく見えるとか、次元の髭の生え方は苦労の跡が見られるものの、ちょっと違うとか、レティシアはアップになるとそばかすまで細かく描きこんでる色々と見つけるのは、面白い体験ではありました。

 

現在YouTubeGYAOとかで、旧作が期間限定で観られたりするので、これを機会に振り返ってみてから、映画を観たりしても良いかも知れません。

 

厳しい感想になりましたが、チャレンジとしては素晴らしいプロジェクトだと思いますし、2Dのルパンと遜色ない完成度になっていると思いました。今後も続いてくれたら、また観てみたいと思いました。

 

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