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『政府、貨幣発行残高で破綻する(笑)(前半)』三橋貴明 AJER2019.8.20
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台風15号は千葉県や島嶼地域に多大な被害をもたらし、現在も18万軒(千葉県)が停電状態が続いています。
東京電力は、完全復旧までの期間を、これまでの一週間程度から、二週間に修正。
「1週間かからないというのは、これまでの台風での経験を基に判断していた。しかし、今回は倒木や土砂などによる、これまでに経験したことがない規模の設備損壊だった」(東京電力)
台風の被災現場は、電柱や樹木が倒れ、土砂で道路が埋もれて現場に入れないなど、各所で難工事に直面しているとのことです。
特に、今回は君津市で二本の鉄塔が倒れたのが、衝撃的でした。
電気が止まってしまったため、東日本大震災などで威力を発揮したSNS等も使えず、情報がなかなか中央に伝わらない。
しかも、今回は千葉県の森田知事による被災地域への職員派遣が遅れました。
断水した地域では、何しろ電気が使えないため、給水車や飲料水配布の情報も伝わらない。携帯電話会社の基地局までもが落ち、スマホも使えない。そもそもスマホの充電も不可能。
被災地の方々の「見捨てられた感」によるストレスは、想像を絶するものがあったでしょう。
「電気」がどれほど大切か。日本人はリアルに考える必要があります。電気がなければ、何もできないのです。
また、今回、クローズアップされた「鉄塔」ですが、こちらも今後、継続的に問題視されることになります。というか、されなければなりません。
倒壊した君津市の鉄塔は、1970年代に建設されたものでした。
日本の送電網に使われている鉄塔(25万基)は、70年代に建てられたものが圧倒的に多いのです。当時は、年に6千から8千基というペースで作っていました。(2000年代は年千基ペース)
恐らく十万基に迫るであろう鉄塔が、老朽化による耐用期限を迎えようとしている。
さあ、どうするのですか。
政府が財政支出をしない限り、我が国は電力サービスすら維持できなくなるでしょう(しかも、このタイミングで発送電分離って・・・)。まさに、発展途上国化です。
※12月上旬、邪馬台国視察ツアー「歴史に魅せられて、マイと辿る邪馬台国への道」開催決定!(三橋貴明、長浜浩明先生、高家望愛さんも同行します)
大規模停電を引き起こした台風15号は生活インフラが抱える災害リスクを浮き彫りにした。なお17万戸が停電し影響はライフラインに広がる。1970年代に整備が進んだ送電施設は更新時期が迫り老いるインフラは道路などにも共通する課題だ。国と地方を合わせた借金が1千兆円と財政が厳しく社会保障費も膨らむなか、巨額投資によりインフラをどこまで維持していくか、重い判断が迫られる。(後略)』
日経が本問題を取り上げた記事を配信していたのですが、予想通り「クニノシャッキン」でどうにもならないという書き出しです。(後半は、割と客観的でいいのですが)
カネ、カネ、カネ。
「重い判断」など必要ありません。単に、国債(政府貨幣)を発行し、社会保障の充実とインフラのメンテナンスを共に推進すればいいだけの話です。
長期金利がマイナスの国において、しかも(明日、取り上げますが)日銀がいよいよ「買う国債がない」状況に追い込まれ、量的緩和の強制終了に向かいつつあるにも関わらず、
「国債を発行し、国民を救い、国土を立て直す」
という、正しい選択「だけ」は採らない。
ありもしない財政破綻に怯え、「国の借金1千兆円」という呪文を撒き散らし、正しい財政出動やデフレ対策を妨害するマスコミ、政治家、官僚、学者、そして国民。
政府の財政赤字は「民間の黒字」であること。
国の借金とやらは、正しくは「政府貨幣発行残高」であること。
この二つだけでも、早期に国民が理解しない限り、我が国の発展途上国化は避けられそうになりません。
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