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三橋TV第219回【パンデミックの向こう側 希望ある世界に向けて足掻け!】
 
 本日、発表になるであろう「緊急経済対策」の原案を、昨日、読んだのですが、40頁近い割に、ほぼ数字(対策の金額規模)がないという「壮大」なものでございました。

 しかも、目玉となる「給付」措置は、世帯主の月間収入(20年2月~6月の任意の月)が、
①新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得世帯
②新型コロナウイルス感染症発生前に比べて大幅に減少(半減以上)し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準の2倍以下となる世帯
 と、恐ろしくややこしい条件を満たす世帯に、1世帯当たり30万円の給付を行い、しかも、給付に際して「収入状況を証する書類等をもって、市町村に申請を行う」という、
「お前ら、市区町村の役所を大混乱に陥らせ、クラスター引き起こす気、満々だな」
 という感想しか持ていないほどに、頭がおかしい凄まじいものになっていました。

 そもそも、①や②の複雑な条件を一般の人がすんなりと理解できるとは思えませんし、
「住民税非課税水準を1円でも上回っていたら、給付されないのか!」
「月間収入が49.99%減少しても、給付されないのか!」
「半減以上した収入が、住民税非課税水準の2.0001倍なら、給付されないのか!」
 といった問題が起きる確率100%で、これまた大混乱必至です。

 財務省は、とにかく給付については「小規模」「対象を限定」「手続きを複雑化」(さらに「期限を切る」)することで、総額を圧縮しようとしてきます。安倍政権は、予想通り「政治力」を発揮することなく、財務省路線のまま、緊縮の執念を見せつけてくれました(褒めてません)。

 その後、メディアから「総額108兆円の”事業規模”」が一斉に報じられたのですが、これまた凄いことに、一紙も「財政赤字の金額」について書いていません。(発表されなかったのでしょう)つまりは、国債発行=いわゆる真水=財政赤字の規模が分からない。(絶対に故意です)
 
経済対策、総額108兆円 6兆円を低所得者、中小に給付―7日、閣議決定
 安倍晋三首相は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、総額108兆円規模の緊急経済対策を実施すると発表した。国内総生産(GDP)の2割に相当し、事業規模は過去最大。首相は「経済に与える甚大な影響を踏まえ、過去にない、強大な規模となる対策を実施する」と述べた。7日に対策に必要な経費を盛り込んだ2020年度補正予算案を閣議決定し、大型連休前の成立を目指す。(後略)』
 
 各紙によると、上記の現金給付は総額6兆円超程度とのことで、あとは誤差のような対策のみ。
 金額が大きいのは、税金や社会保険の納付猶予で26兆円規模とのことですが、猶予!!!??? 免除ではなく、猶予!!!???

 上記に、貸付「枠」だの、「地方負担してね!よろしく!」等々を積み重ねて、108兆円の数字をでっち上げ、
「総理、108兆円のみを強調するんです! 財政赤字の金額とかは、どうせ愚民どもは分からないので、スルー、スルー」
「そうです総理。バカ共は、108兆円という総額だけを見て、総理を喝さいし、支持率急上昇です!」
 と、やりたいのが見え見えなのでございます。(さすがに、本日の報道資料では、財政赤字=国債発行=いわゆる「真水」の金額が公表されるとは思いますが)
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 とはいえ、今回ばかりは、「事業規模」を鉛筆舐め舐め、膨らませたところで、始まってしまった地獄からは逃れられませんよ。今後、我が国で確実に起きる大混乱を、以下にご紹介しておきます。ちなみに、予測ではなく、確定事項です。
 
1.現金給付に際した大混乱(誰でも分かりますが)
2.緊急事態宣言を受け、都市部のサービス業を中心に企業の倒産・廃業ラッシュ
3.緊急事態宣言により、企業が従業員の休業補償を支払う必要が無くなり、所得喪失の国民激増
4.公共交通機関が減便された場合は、これまで以上の満員電車による感染拡大(※鉄道会社の良識に期待します)
 
 何しろ、特に都市部のサービス業は働く人々が「所得消滅」の状況になっており、
「ひゃっく、はっちょうえんで~すっっ!!!」
 と、いくら安倍総理が叫んだところで、生命が危険にさらされた国民は、結局、外出自粛「要請」には従わず、しかも都市部で暮らせなくなったノーウェア族が地方に戻ろうとするのは確実であるため、全国への感染拡大リスクが一気に高まることになります。

 加えて、個人的に(鈴木傾城氏の影響で)懸念しているのが、都内のネットカフェ難民(東京都の調査によると4千人以上)の方々です。彼ら、彼女らは住所不定で給付金を受け取れないのはもちろん、ネットカフェが閉鎖されるような事態になると、その日、寝る場所すら失ってしまうことになります。
 
 これは、洒落になりませんよ。

 というわけで、安倍&財務省政権は、「ひゃっく、はっちょうえんで~すっっ!!!」で乗り切りたいのでしょうが、事態は急激に悪化し、国民は疫病恐慌曲線Aの右下に降り、所得喪失により急速に左上に向かって反転することになるでしょう。
 
【疫病恐慌曲線】
 
 極々、短い期間で、安倍&財務省政権は、今回の危機を乗り切るためには、とりもなおさず、
「所得は政府が全額保証する。全員、家にいてくれ!」
 と、やるしかないという「現実」に打ちのめされることになります。

 願わくば、108兆円の半分(54兆円)が財政赤字=国債発行=真水であることを祈っています。とはいえ、現実にはあり得ません。

 というわけで、我々は、
「鉛筆舐め舐めの事業規模の膨らましはどうでもいいので、対GDP比10%以上の財政赤字=国債発行を今すぐ、決断せよ」
 と、叫ばなければならないのです。昨日も書きましたが、これは我々が「生き延びる」ための戦いなのです。

 

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