参考:グアテマラ:2021年度予算に反対する抗議行動(11月23日) |
11月25日夜、グアテマラ議会は問題になっていた2021年予算案を無効とした。この予算案を承認したことによって抗議行動が引き起こされ、議会本部が焼き討ちされてから数日後のことであった。
予算案はこの国の歴史で最大規模の128億ドルに相当し、これはグアテマラ社会の多数から反対されていた。
最大の批判点は、この国の半数以上が貧困のなかで生活しているにもかかわらず、予算の分配が、もっとも必要な部分ではなく、民間部門に振り分けられていることにあった。
大規模デモは平和的なものとして始まったが、抗議行動参加者のなかからあるグループが、議会施設のある部分を占拠し、放火した。
長く混乱した議会審議
議会のある部分が燃えてしまったことによって、この一院制議会は審議を臨時に、グアテマラ・シティーのミゲル・アンヘル・アストゥリアス文化センターに変更しておこなわざるを得なかった。
11月25日の全体会議は9時間以上続き、熱くなったときには、議員同士が言葉や罵倒で対立し、ついには掴み合う場面にまで及んだ。議長は秩序を守るように繰り返さなければならなかった。審議を放映したテレビでは、2人の議員、マリオ・タラセナとエドガル・レジェス・レエが掴みかかろうとし、それぞれの党派の議員たちが中に入って衝突を防ぐ様子を見ることが出来た。
一方で第1副議長は、タラセナが彼女を身体的、言葉的に攻撃したと非難した。そしてすべての党派の女性議員たちが彼女を守るために彼女を取り囲んだ。女性議員たちはこの事件の捜査のために、事件を公共省に訴えると話している。
古い予算
最終的に2021年予算案は否決され、永遠に廃案となることが賛成121票、反対24票で決定された。
同時に5億9400万ドルと2000万ドルの支出のための借り入れの要請も否定されることになった。
現在アレハンドロ・ジャマティ大統領の政府は、現行の2020年予算を103億9000万ドル組み直し、次年度も続けていくことになる。
しかしこれでこの保守系大統領の問題が終わったことにはならない。ジャマティが政権に就いてわずかに10ヶ月、調査会社が7月におこなった世論調査では、支持率は30%に下落している。
この数日間の抗議行動は、その多くが汚職にたいする要求と、政府の政策にたいする不満からきている。抗議行動の多くは、グアテマラの現在にたいする全般的な「うんざり」と大統領の辞任を要求するものだ。
(通算3118) (BBC Mundoによる)
(ジャマティはやめろ。foto:Getty Images)