人間ほど個人差が大きい動物はいない | 株式会社スーパーワン 代表ブログ

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あと戻りはしない。だけど、現在遠回り中。

人間は、非常に個人差の大きい動物です。

私はトイプードルとミニチュアシュナウザーのミックス犬を飼っています。我が家のアイドルです。

子供の頃にも、白くて大きな雑種犬飼っていました。なので、この二頭を比較することができます。

今の犬は人懐っこく、子供の頃のはあまり人に慣れない犬でした。他にも色々と違いは多数あるものの、「犬」という括って違和感がないほど、個体差は大きくありません。

人間はどうでしょう。「この人は、本当に私と同じ人類なのか?」と思うほど、考えや行動が違うと思うことは、良くあります。

私がもし犬なら、もっと詳細に他の個体との違いを感じ取れるのかもしれません。しかし、人間として感じる個体差と等しいかそれ以上とは、到底思えません。

なぜ、人間だけが、これほどに個体差が大きいのでしょうか。

種の絶滅を回避するために多様性を担保するから

という説があります。しかしこれは他の動物でも同じです。

脳の構造に個人差が大きいから

ということはなく、個人差はほとんどないそうです。

ところで、

人間の脳の記憶容量をコンピュータのバイト数換算すると、2.5ペタバイト(2500万ギガバイト)だそうです。

2万5千テラバイトですから、TVの録画に使う4テラバイトのハードディスクドライブが6250個分。

4テラバイトのハードディスクはTV番組なら502時間(約21日)分録画できます。6250個なら、359年分。日本人の平均寿命年数で割り、右目用、左目用に映像を分けられるとすると、TVの2チャンネルを一生分、録画できる容量となります。

日々、目を通して見えている映像を余すことなく全て記録できていれば、これまで学校で習ってきた内容や、初恋の子の顔や名前も、忘れる事はなさそうなのですが、まるで無かったかのように、私たちは忘れてしまっているのは何故なのでしょう。

それは、人間の脳は、なにかを記録するためにあるのではなく、考えるためにある器官だからです。

考え、そして判断して、限りあるエネルギーを効率的に使って筋肉を動かし、必要な「成果」を得なければなりません。

その成果とは、生命の維持のための捕食であったり、穀物の栽培であったり、と言った原始的なものから、有名大学に入るための勉強であったり、会社内での地位の向上であったり、新しいビジネスの発想あったりと、間接的且つ複雑なものまであるわけです。

考える、判断するためのには情報が不可欠であり、経験から得られる情報はより深遠で専門的なものをチョイスして記録しておく必要があります。刹那に得られる情報は、それが有用であるかどうかを判断して重み付けをして記憶しておく必要があります。

つまり、的確な判断をするためには、選ばれた、価値ある情報、が必要なのです。大量の情報を記録しておいても、それはかえって判断を阻害するものになってしまいます。

このような脳の働きを考えますと、2.5ペタバイトという膨大な容量の多くは、端に記録するためのデータの保管にではなく、情報の取捨選択や重み付け、そしてそうらから単一あるいは複合的な結論を導き出すための、ロジックやプロセスの保管に大く使われているのではないでしょうか。

コンピュータの深層学習では、入力と出力という層の間に、多数多様な隠し層が存在ます。この層はロジックやプロセスでもあり、データでもあるものですが、情報に重み付けをしています。脳は、この仕組みの原本ですから、情報の重み付けにより、入力に対する多様な出力を実現しています。

人間の個人差が大きいのは、こうした脳の働きが関係してるようです。

入力データがいくつかの層を通過して、重み付けによる出力に変換されれlてゆくと、その出力結果は偏る傾向があります。

層が多いほどに偏りは大きくなります。

人間の脳はこの層が他の動物よりも多いが故に、偏りがより大きく出るのではないでしょうか。

これが、大きな個人差に繋がっているのではないでしょうか。


当社の取り組む、Edtechの分野で、今後AIが大きな役割を果たすようになるだろうと思い、研究を重ねています。

AIを教育や学習に活用するというよりも、AIを知る事は、私たち自身の事を知る事につながるからです。そして、なぜ、記憶力の良い子悪い子がいて、科目への得意不得意があり、試験の結果に大きな差が出現するのか、という事の解明に繋がって行くと考えています。

全ては無理でも、片鱗や要素だけでも解明できるのであれば、きっと、それは、子供たちの個性をより深く理解し、良い部分を伸ばしてゆく手法の確立に近づくと信じて止みません。