人間はすべて死ぬ、だから人間は幸せではない。

 
カミュの『カリギュラ』の主人公がたどり着いた、たった一つの真実。紛れも無い真実。
 
だからこそ、人間には幸福論が必要なのだと、二十歳の頃の私は思った。この思いは還暦を前にして、ますます強くなった気がする。
 
それにしても、あんな名作を新潮社はなぜ絶版にしたままなのか。絶対に間違っている。