カテゴリ:読書
商品基本情報 発売日: 2018年08月24日頃 著者/編集: 小松 左京 関連作品: 復活の日 レーベル: 角川文庫 出版社: KADOKAWA 発行形態: 文庫 ページ数: 464p ISBNコード: 9784041065815 【内容情報】(出版社より) 吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジェラルミン製トランクの破片。中には、感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。春になり雪が解け始めると、ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然死するなど、各地で奇妙な死亡事故が報告され始めるーー。人類滅亡の日を目前に、残された人間が選択する道とは。著者渾身のSF長編。 新型コロナウイルスが世界に広がりつつある今だからこそ、読むべき本。 新型コロナウイルスは、日本では今は落ち着いているようにも見えますが、行動の制限が徐々に解除され、第2波を警戒している時期。 現状、世界各地での感染の広がりを、どこか遠いものとして感じがちにも思えます。 そういう状況を踏まえてこの本を読むと、まず作者自らの目を通して、正体の知れぬ病が蔓延し、文化的社会が終焉に向かっていく世界各地の惨状をリアルに見ているかのようで、これが1964年に出版されたとは信じられないです。 医療が崩壊し、市中にあふれる死体の処理の問題、国家の最要人も病院で治療も受けられず死を受け入れる様子など、ストーリーに入り込みやすい人は気をつけたほうがいいのではと思うほどの衝撃です。 私が特に感じ入ったのは、ヘルシンキ大学の文明史担当の教授が、死の間際まで放送局を通して語った最後の講義です。 タイトル「復活の日」とあるように、人々には残された希望があります。 しかし、普段は意識しない便利なインフラも文明も、人が少しづつ知識と労力を積み上げてきたもの。 結末に感動と明るい兆しを感じる一方、元のような世界を取り戻すには、あまりにも遠すぎる未来を思うと複雑な気持ちになりました。 難しい科学的表現は流し読みになってしまっても、それでも深く刺さる一冊。おすすめ。 あと、読み終わった後にもう一度表紙を見てください。新版じゃない方を↑絶対に。 人気ブログランキング にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.06.18 20:51:45
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|
|