マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

中止にならなくてよかった――Tokyo2020

 東京オリンピックパラリンピック――Tokyo2020――が延期になりましたね。

 いわゆる新型コロナ・ウイルス感染症の影響が重く考慮されました。

 延期は1年くらいが想定されているそうです。

 

 開催が2021年になっても、

 ――Tokyo2020

 の呼称は――

 そのままのようです。

 

 ……

 

 ……

 

 (中止にならなくてよかった)

 と――

 心の底から思っています。

 

 ――中止

 と、

 ――延期

 とを秤にかけたら――

 たぶん“中止”のほうが、ずっと簡単です。

 

 延期は難しい――しかも、1年以内という期限つきの延期は、さらに難しい――と感じます。

 何事も、時間制限が課せられると、物事は、その分、確実に難しくなるのです。

 

 ――中止

 ではなく、

 ――延期

 になったということは――

 より難しいほうが選択されたということです。

 

 (めんどくさがられて、中止にされるんじゃないか)

 と――

 心のどこかで不安に思っていました。

 

 関係者の皆さんの英断に敬意を払います。

 

 ……

 

 ……

 

 東京オリンピックパラリンピックの延期を――中止にならなかったことを――僕が喜んでいるのは――

 2017年8月29日の『道草日記』で述べた“幻の東京オリンピック”のことが念頭にあるからです。

 

 1940年に予定されていた東京オリンピックは――

 1937年に勃発した日中戦争支那事変)のために――

 当時の日本国政府が開催権を返上したと伝えられています。

 

 その際、

 ――延期

 つまり、

 ――開催権の保留

 が検討されたのか否かを――

 僕は知りません。

 

 が――

 延期より中止のほうが簡単ですから――

 当時の日本国政府が最終的には、

 ――中止

 つまり、

 ――開催権の返上

 を選んだのは、理の当然でした。

 

 その翌年に第二次世界大戦が始まり――

 日本は太平洋戦争(大東亜戦争)を始めました。

 

 世界も日本も――

 未曽有の戦禍を巻き起こし、また、巻き込まれていきました。

 

 2020年の東京オリンピックパラリンピックが、もし中止にされたら――

 それをきっかけとして、また、同じような戦禍が起こりはしないか――

 という不安が――

 僕にはあります。

 

 例えば――

 くだんの新型コロナ危機を踏み台にして統制力を強めた独裁国家が、世界の覇権を狙って、欧米列強を相手に、昔ながらの国家間戦争を挑み始める、とか――

 

 そんな20世紀の近未来小説的な悲劇が起こらないことを――

 ただ祈るばかりです。

 

 現時点で――

 東京オリンピックパラリンピックは、延期とされています。

 

 が――

 新型コロナ危機の動向しだいでは――

 今後、中止とされるかもしれません。

 

 予断は許されません。