――情動軸
も、
――気分軸
も、どうやら1つだけで十分に足りるようである――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
我ながら、
(ずいぶん大雑把な話をしているなぁ)
と思います。
何しろ、
――感情
が、
――情動
と、
――気分
とに分けられ――
それぞれが1つの軸で表しうるのならば――
――感情の分布図
は、たった2つの軸で表しうる――つまり、平面的に理解をすることが可能である――
という結論になるからです。
試みに――
今、頭の中で――
横軸に情動軸をとって、縦軸に気分軸をとってみましょう。
情動軸は“怯(きょう)・勇”軸で、気分軸は“憂・喜”軸です。
“怯・勇”軸は、
←錯乱―臆病―心配―安心―自信―過信―傲慢→
←恐慌―不安―怯安―安穏―勇穏―不穏―興奮→
ですが――
簡単に記せば、
←怯―――勇→
です。
“憂・喜”軸は、
←絶望―自棄―悲哀―平静―愉快―高揚―恍惚→
←大鬱―抑鬱―憂気―平気―喜気―軽躁―狂躁→
ですが――
簡単に記せば、
←憂―――喜→
です。
そうしますと――
第1象限は、“勇・喜”領域であり――
第2象限は、”喜・怯”領域であり――
第3象限は、“怯・憂”領域であり――
第4象限は、“憂・勇”領域である――
となります。
いかがでしょう。
頭の中に描けたでしょうか。
……
……
――そんな平面図で、感情のことを詳らかにしたことになるのか。
と訝る向きは多いでしょう。
実は――
僕自身、
(そんなわけないだろ!)
と叫びたい気持ちになります。
が――
(ひょっとして、こんな平面図で十分なのかもしれない)
と呟きたい気持ちにもなるのです。
その根拠は何か――
……
……
実は――
精神医療の現場で主に問題となる病的な感情というのが――
そんなに多くはなくて、
――不安
――不穏
――鬱
――躁
の4つだけなのです。
――不安
――不穏
は、“怯・勇”軸に、
――鬱
――躁
は、“憂・喜”軸に含まれています。
2020年1月16日の『道草日記』で――
僕は、
――病理から生理へ
の発想に触れました。
――病気の仕組みを詳しく観察することで、病気になる前の正常な体の仕組みを詳しく想像する。
という発想です。
この発想によるならば――
――感情の分布図
は、案外、簡易な平面図で十分に表せるのかもしれない――
と僕は思うのです。