書評『日本陸軍便覧』(米陸軍省編、光人社/潮書房光人新社) | 鳳山雑記帳アメブロ版

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 これも前々から欲しかった本です。1994年10月、比島決戦を前にして米陸軍が敵である日本陸軍をあらゆる情報を分析して記した資料です。おそらく当時は米陸軍幹部と将校しか見れなかったと思いますが、よくぞここまで調べ上げたと驚きを禁じ得ません。ただ日本陸軍と言いながら日本海軍の航空機が載っていたり師団や各級部隊の編制表の数値が若干おかしいのはご愛敬です。総じて米陸軍は敵である日本軍を過大評価しているようです。それだけわが将兵が頑張っていた証拠でしょう。

 

 定価で6000円、中古でも4000円以上するのでなかなか手が出しにくい本でしたが、退院祝いを兼ねて自分にご褒美という事で購入しました。本書で特に見てほしいのは第7章の日本陸軍の戦術。日本陸軍の陣地の特徴、各砲ごとの掩体壕の広さの違い、高射砲陣地の配置、対戦車砲陣地の配置、はてはトーチカの材質、防御力まで調べています。おそらく日本の軍事関連の書籍ではあまり記されてないと思います。戦史叢書には載っていると思いますが、高すぎてちょっと手が出ないので。

 

 日本の類書で全く同じ日本軍陣地の配置図が書かれている本を持っているんですが、出典はこちらだったんですね。資料を分析しているのが本職の米陸軍省だけに軍事資料として第一級だと思います。正直ここまで貴重な本だとは思いませんでした。軍事に興味のない方にはチンプンカンプンでしょうが、戦史や軍事に興味のある方は一読をお勧めします。図表が多いので分厚いですが一気に読めますよ♪