よっ、大統領!

よっ、大統領!

てきとーなこと書いてます。

朝ドラ「舞いあがれ」。

主題歌のback numberも、主演のまいんちゃんも大好き。

なので、ものすごく期待していたが、

正直、かなり期待外れだった。

 

パイロットを目指す動機は、言葉は悪いが「軽薄」で、確固たる信念があったとは感じられなかった。

だが、学校に入るため真摯に勉強し、入学後も苦しみに耐え、一心にパイロットを目指してきた。

そして、一緒にパイロットを目指しながら脱落し、夢破れた仲間もいた中で、ようやく夢をかなえてパイロットになれたのだ。

それなのに、結局、パイロットの道を捨て、ネジを売る道を選んでしまうあっけなさ。

 

父親が亡くなり、工場が倒産するという大きな危機に見舞われて大変だったし、苦渋の決断だったのはわかる。

だが、本当にパイロットという職業に憧れ、パイロットになりたいと本気で願っていたなら、どんな困難に巻き込まれても、パイロットの道を捨てたりはしなかったのではないか?

 

工場での仕事やセールスにもともと精通していたならわかる。

でも、彼女は全くの未経験に等しかった。

勉学に励み、練習を重ね、苦労して苦労して得たパイロットの技術と資格。

それをあっさり捨て、何の知識も経験もない工場を継ぐ決断なんて、普通ならできないはず。仮にその決断をしたとして、ドラマならともかく、現実なら成功できる可能性はほとんどない。

 

だが、もちろん、これは現実ではなくドラマだから、彼女は成功してしまうわけだが。

 

いきなり「パイロットになりたい」と思いついてパイロットになり、いきなり「父の意志を継いで工場を継ぐ」と言い出してトップセールスを叩き出す。

父は長年工場で働いてきた理系人間で、兄は東大卒という設定だから、彼女も「頭がいい」設定なのだろう。

とはいえ、いくらなんでも浮世離れが過ぎる。

 

あまりにもご都合主義的で、見ているのがあほらしくなった。「はいはい、どーせうまくいくんでしょ」

と。

 

それでも、とにかく登場人物全員「よい人」で、

それなりに全員に「見せ場」があり、

全員「好感度が高かった」ので、

最終回の「全員集合」と、

「これからも夢に向かって頑張っていくぞ!」

という、未来ある終わり方~ドラマ終了後もさらに舞いあがっていくぞ、と思わせる明るい終わり方~には、本当に感動した。

 

なので、舞いあがれの個人の感想は、

 

子ども時代からパイロットになるまで★★★★★星5

パイロットを諦めて父の後を継ぐ★★★☆☆星3

(★3とはいえ、ここらへんから、脚本と主人公の演技力の「ボロ」が、隠しようもなくあらわになってくる)

ネジを売るセールスマンになり~★☆☆☆☆星1

(ここからあまりに面白くなくて脱落)

全員集合の最終回★★★★★星5

(「でもまあ、みんないい人って感じだったよね」ってことで)

 

という具合に、部分によって差がある。

単純に星を平均すれば星3になるが、

パイロットを諦めてからの後半はほぼ最終回しか見ていないし、

脱落していた時期の方が長いので、

星を一つ減らして、星2かな。

結果的に微妙なドラマだった。

もし直前作の「ちむどんどん」がそこそこ普通のドラマだったら、もっと印象が悪くなっていて、確実に星1以下だった。

「ちむどんどん」に救われたドラマ。

 

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「らんまん」

ドラマ自体はすごく良くて、

俳優さんもすごく良くて、

「ちむどんどん」で墜落し、

「舞いあがれ」で舞いあがりかけたが結局失速した朝ドラが、

再び大空に飛び立つ流れだったのだが・・・

 

「らんまん」のモデルになった著名な植物学者が、

実際はどんな人だったかを知って、一瞬で引いた。

ドラマだと独身の状態で浜辺美波と出会うが、

実際は、未成年の女の子(浜辺美波)に

「俺、実家大金持ちの独身だ」

と嘘をついて結婚し、「妾」にしてしまうクズっぷり。

しかも、本妻に家業を任せっぱなしにした上、

本妻に大金を無心。

本妻も本妻で、夫に言われるままに大金を送り続け、

結局、家を潰してしまうという、バカップル。

実家の家業が潰れてしまって、

この学者先生がどうしたかというと、

さっさと妻と離婚して、

元妻を、自分の家に奉公?していた使用人と結婚させて、

「二人で潰れた家をなんとかしろ」

と命令し、

自分はとっとと東京に帰ってしまうという・・・

 

この事実を知って、ドラマを見るのが嫌になって、

見ないで終了。

 

ただ、見ていた間(子供時代~東京で浜辺美波に出会う)はすごく面白かった。

 

見ていた間は星4かな。

でも、結局見なくなったから評価なし。

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「ブギウギ」

久々にほぼ最初から最後まで見続けた。

子役の女の子が趣里と似すぎていて笑ってしまった。

 

宝塚に落ちてOSKに大騒ぎして入り込んだり、

同期と上手くいかなくてひと悶着あったり、

怖い先輩と優しい先輩に翻弄されつつ日々励んだり、

給料少なくてストライキしたり、

頑張ってトップスターに昇りつめたら東京からスカウトされて、

東京に行ったはいいものの戦争始まったり、

実は自分は養子だったり、

可愛がってた義理の弟が戦死したり、

若い男に言い寄られ、

よい仲になり、妊娠までしたものの、

男の親に結婚を反対され、

結婚しないまま同棲していたら、

男が結核で若くして亡くなり、

未婚のシングルマザーになってしまったり、

マネージャに金を持ち逃げされたり、

子どもを誘拐されそうになったり――

 

The 朝ドラな波乱万丈のストーリーだけど、

このほとんど全てが、モデルとなった女性の人生に実際に起きたこととか。

 

「らんまん」のモデルが、私生活ではやりたい放題やって、妻や妾や実家の使用人に散々迷惑をかけながら、自分は植物学者として成功の階段を駆け上って行ったのと対照的に、

「ブギウギ」のモデルは、普通に真面目に生きているのに、時代や運命に翻弄されて、苦労して苦労して苦労して、苦労しながら日本の芸能史に燦然と輝く名を残していく。

結局成功したとはいえ、「ブギウギ」のモデルの人、気の毒すぎる。

理不尽だよね、人生って。

 

でも、ドラマとしては、その理不尽さが最高に面白かった。

劇中、「東京ブギウギ」などの歌を聞くことができたのも楽しかったし。

それまでは趣里という役者さんはあまり好きではなかったが、

このドラマを見て好きになった。

歌って踊って、演技もして、大変だっただろうけど、すごく良かった。

草彅くんもいい味だしてた。草彅くんの奥さん役の人、個人的に好きだったなあ。あと、怖い先輩役の人、大好きw他にもいろいろ、好きな人だらけ♪

 

「ブギウギ」は私にとって久々に面白い朝ドラだった。

 

結論:事実は小説より奇なり

 

評価★★★★★(5/5)

 

 

 


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最近見たドラマの感想。

 

・「舞いあがれ!」NHK朝ドラ

 

前ドラマの「ちむどんどん」が、

主題歌と主題歌のバックのアニメ?はめちゃくちゃ良かったのに、肝心の中身である「ドラマ」が、

 

「登場人物が種類は違えど皆ハチャメチャでドロドロで

散々大騒ぎしたあげく、最後はまるっとご都合主義的に

『なんくるないさ』

で終了。

あまりにも都合良すぎて、ありえない感満載。

いくらドラマでもふざけるな!」

 

という出来(※個人の感想です)だったので、

常識的な家庭の、常識を持った主人公が、

いろいろな人の影響で、

明るく前向きに生きていく正統派ストーリーに

 

「これや!これを私は待っていた!」

 

と大喜び。

脇役の役者さんも皆さん熱演で、

特に「舞のおばあさん役」の方、

実生活での、息子のホテルでの不始末の一件以来、

好感度ダダ下がりだったが、

このドラマの演技はとても素晴らしくて、

 

「母としてはともかく、役者としての才能は本物だ」

 

と感動。

 

子役も可愛く、

主人公のまいんちゃんも「舞」になりきっていて、

島から大阪に戻り、大学に入り、

大学卒業後、パイロットの夢をかなえるも、

父親の工場が――

 

の辺りまでは、日々ハラハラドキドキしながら見ていたのだ

 

が。

 

経営も生産業もほぼ素人同然の母と娘が、

あれよあれよと会社を立て直したのに違和感。

 

中でも、ねじのことを何も知らなかった娘が

わずか数年で営業のエースになったのが、

いかにも嘘くさい。

当時はまだ

「女を営業に寄越すなんて、うちを舐めてるのか」

という昭和脳なおっさんがガチで多かった時代だったはず。

そんな逆風の中、

覚えたてホヤホヤ~の知識を背負って営業に回る「お嬢ちゃん」がエースとは――

 

「いや、ねーだろ、これ。

たまにあるかもしれんけど、

ねーだろ、こんなの、めったに」

 

と白けてしまい、見る気が失せてしまった。

 

あと、

 

「この後は、赤楚くんとまいんちゃんが結婚する流れだろーな」

 

とストーリーが見えてしまったのも

興味が失せる原因の一つになった。

 

まいんちゃんも赤楚くんも好きな役者さんだし、

最初の「ばんば」の役者さんの頑張りによる貯金などもあり、

なんとか録画だけは継続し、

気が向いた時に見てはいるけど、

ぶっちゃけ、もうええわ。

早く次の朝ドラ、はじまらへんかな。

 

結論:まいんちゃんは可愛いし、役者は「ばんば」筆頭に皆さんさすがお上手。でも、まいんちゃんが有能設定すぎて、波乱が起きてもすぐ解決。ストーリーが面白くない。

 

評価:★★☆☆☆(2/5)

 

余談だが、back numberが好きで、

ものすごく主題歌に期待していたが、

・・・主題歌は「ちむどんどん」の方がはるかによかった。

そのあたりも残念。

 


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「録画し損ねた!」

 

とがっかりしてた番組、

 

まだ放送されてました。

 

私が見た「(3)恋」は終わってしまいましたが、

 

「(4)女性とは」と、次は「(5)」の放送があるようです。

 

 

 

 

で、「女性とは」を観ました。

 

やはりヤマザキマリさんも風間俊介さんも

 

ちょいちょい挟む感想が鋭い。

 

そして、いくつか知っている歌・句がありましたが、

 

今回、先生の解釈を聞いて、

 

意味を勘違いしていたことに気付いたものがありました。

 

そのうちの一つ、和泉式部の歌。

 

「黒髪の

 

乱れも知らず

 

うち臥せば

 

まづかきやりし

 

人ぞ恋しき」

 

私は

 

「あの人のことを恋し乞いながら

 

髪を乱して床にうつ伏していると、

 

そばに来てくれて

 

恋乱れた黒髪を撫でてくれたあの人、

 

ああ、あの人が恋しくてたまらない」

 

という意味だと思ったのですが、

 

そうではなく、

 

「うち臥して、

 

『かきやりし人』

 

を思い出して

 

恋しく思っている」

 

そうです。

 

確かに。

 

寝乱れているようなところに

 

急に男が入ってくるのは不自然ですね。

 

「かきやりし」は、

 

おしゃれをしてデートで会っている時のことでしょう。

 

そして、その楽しかったデートを思い出して、

 

「恋しい恋しいああ恋しい」と

 

髪の乱れもそのままに

 

床に伏してギリギリと彼を思っているのでしょう。

 

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このように私の勘違いもわかり、勉強になったのに、

 

文句を言って申し訳ないのですが、

 

「女性とは」というテーマは残念でした。

 

「どうせ女性歌人ばかり選んで、

 

『女性は抑圧されていたから~』

 

とか言うんだろうな。

 

でも、男性だって、逆の意味で抑圧されてるよね?

 

そもそも、戦地に行かされるのは常に男性。

 

平和時は自由に仕事が選べるというけれど、

 

仕事をするということは、

 

社会に出て、競争をする=戦うことを義務付けられているということ。

 

短歌の世界に限っていえば、

 

男性の職業歌人の方が自由で好き放題やっているようだけど、

 

それでも、

 

『女性とは』というくくりがあるのに、

 

『男性とは』というくくりがないのは充分ではない。

 

というか、『女性』『男性』ではなく、

 

いっそ「社会と個人」というくくりの方がいいのでは?」

 

と思ったので。

 

そんなわけで、

 

設定されたテーマにはイマイチ共感できませんでしたが、

 

選ばれた作品は、どれも素晴らしかったです。

 

社会がどうあれ、

 

懸命に、命を全力で燃焼させて生き抜いた、

 

力強い「人間」ばかりで、

 

圧倒されました。

 

特に圧倒されたのは、やはり与謝野晶子です。

 

「春みじかし

 

何に不滅の

 

命ぞと

 

ちからある乳を

 

手にさぐらせぬ」

 

中城ふみ子

 

「灼きつくす口づけさへも目をあけて

 

うけたる我をかなしみ給へ」

 

も力強く、そして切なく、

 

社会を圧倒する力のある歌だと感じましたが、

 

やはり与謝野晶子の方が、圧倒的です。

 

ド直球のすごさ。

 

わかっていても手が出せず、見送ってしまいます。

 

当時のことは知りませんが、

 

たぶん、「下品」とか「卑猥」とか、

 

与謝野晶子の歌は、

 

賞賛と同じかそれ以上の非難にさらされたのではないでしょうか?

 

彼女ももちろんそれをわかっていただろうし、

 

あらかじめ、非難を受けないように、

 

「乳」という直接的な言葉を避けたり、

 

「手にさぐらせる」という能動的な言葉を避け、

 

受動的な表現に変えるとか、

 

あるいは後半を

 

「愛しい人が来るのを待っている、ああ切なく哀しい」

 

という設定に変えてしまうとか、

 

逃げを打つこともできたはずです。

 

なのに、一切、それをせず、ストレート勝負――

 

まるで「漢(おとこ)」です。

 

もはや「漢(おとこ)」です。

 

作品自体も生き生きとして素晴らしいですが、

 

いわゆる情緒を振り切って、

 

自分の思い・自分の歌を貫いた、

 

潔い作者の人間性にも魅了されます。

 

今回、紹介された作品の中で、

 

一番心に残ったのは、やはり、与謝野晶子のこの歌でした。

 

次点は二つ。

 

一つは晶子のライバルの山川登美子の歌です。

 

「後世は猶

 

今生だにも

 

願はざる

 

わがふところに

 

さくら来てちる」

 

奇しくも、作中に「さくら」があり、

 

晶子の先の歌と同じく「春」の歌ですが、

 

同じ「春」なのに、対照的な内容です。

 

一方は春を謳歌し、欲望を高らかに解放しています。

 

が、登美子は、

 

「今も未来も何も願わない・・・

 

欲望など、ない」

 

というのです。

 

そんな彼女のふところ――胸に、

 

さくらが来て、散る。

 

ライバルの女性が

 

その胸の「乳」を「愛しい男にさぐらせ」る春、

 

登美子の胸では、さくらが散っていくのです・・・

 

それでも、登美子の歌には「可哀想な」印象がありません。

 

悟りを開き、達観したような、

 

むしろすがすがしさすら感じさせられます。

 

そして、読後に残るのは、

 

散りゆく桜の美しさ。

 

切腹する前の武士は、彼女と同じ心境だったかもしれません。

 

「女性とは」というカテゴリーで紹介された歌ですが、

 

与謝野晶子には「漢(おとこ)」、

 

山川登美子には「散り際の武士」を感じました。

 

素晴らしい歌は性別を超えるんですね。

 

もうひとつの次点は、葛原妙子

 

「早春の

 

レモンに深く

 

ナイフ立つる

 

をとめよ素晴らしき

 

人生を得よ」

 

早春、レモン、ナイフ。

 

不穏で未熟で、甘くないものばかり並べて、

 

まだ若く、未熟で、危なっかしい若すぎる女性「乙女」に、

 

「素晴らしき人生を得よ」と呼びかける、

 

不安定さに惹かれました。

 

「不安定」というと、悪いイメージもあるけれど、

 

「完成していない」がゆえの、

 

「おおいなる可能性」もあるのです。

 

不安定でいいから、

 

私もあの頃に戻りたいな、と

 

この歌を読んで思いました(笑)

 

 

 


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